休日。デート。場所未定。
(にぎやかな場所にするか、静かな場所にするか。
渋谷とか新宿とかいった街ではなくて、何らかの行楽地がいいだろう。
今考えているのは葛西臨海公園)
(A)と(B)が歩いている。クマも後ろに続く。
(A)と(B)ベンチに座る。一息つくような感じ。
(B)「今日はいるの?」
(A)「?」
(B)「クマちゃん」
(A)はクマのいる方を指差して、「ほら、すぐそこに」
(B)は立ち上がる。「どこ?」
(B)は「ここ?」と言って、何もない空中に触れる。(クマはそこにはいない)
(A)「そこじゃない。もっと右」
(B)は両手を右に。クマの体に触れる。が、その感触はない。
(B)「このあたり?」
(A)「そう、そこ」(クマに向かって)「挨拶でもしなよ」
クマはぴょこりとお辞儀をする。しかし(B)には見えない。
(B)はクマから離れて、ベンチに戻る。
(A)と(B)は観覧車に乗る。クマもその中に乗っている。
(A)と(B)が楽しそうに時間を過ごしているショット。クマもいる。
アイスを食べるとか、そういうシーン。
夕暮。
1日を過ごして疲れたような2人。
(A)と(B)ベンチに座る。
(B)「まだクマはいるの?」
(A)かったるそうに、「いるよ」
(B)「追い払えないの?」
(A)「追い払えるときと追い払えないときがある。今日は言うことを聞いてくれない」
(B)「どこ?」
(A)「そこ」とクマのいる場所を指差す。
(B)は立ち上がり、クマのいる場所に向かう。だいたい合っている場所に立つ。
(B)はクマに向かって、「ね、結局キミはなんなの?どうして(A)を困らせるの?」
クマは反応しない。ただ黙って立っている。
(B)は離れたところにいる(A)に向かって、「ねえ、何か言ってる?」
(A)離れたところにいる(B)に向かって、「いや、何も言ってない」
(B)は再度クマに向かい合う。「お願いだから、消えてくれない?・・・永久に。お願い」
クマは歩き出し、消える。
(B)は離れたところにいる(A)に向かって、「もしかしていなくなったりした?」
(A)離れたところにいる(B)に向かって、「どこか消えたよ」
(A)(B)2人だけで歩く。並んで。無言で。
どこか楽しくなさそうだ。