「World Beat 2006」(渋さ知らズ)

okmrtyhk2006-08-28


昨日は誘われて「World Beat 2006」というイベントに行ってきた。
今年唯一の夏フェス。


出演者は
渋さ知らズオーケストラ
ROVO
Konono No.1


渋さとROVOでピンと来る人がいるかもしれませんが、
イベントの趣旨としては、まあ、それ系です。
Konono No.1コンゴから来た人力テクノ集団。
今この時期日本ツアーで各地を回っている。
このグループのために今回、こういうイベントが組まれたのか、
それとも逆でイベントにふさわしいゲストを探していたら
たまたま来日とぴったり合ったのか。


場所は日比谷野音
これまでいろんなライブに行ってきましたが、実は初めて。
日比谷公園をブラブラしてるうちに前まで来て
「ああ、これか」と思ったことは何度かあったんだけど。
青森の実家にはブルーハーツ野音でライブをやったときのポスターを長いこと貼っていた。
(最近母親が「もういらんでしょ」と片付けてしまった・・・)


開場は3時、開演は3時45分。
3時少し前に着くとさっそくトランペットやトロンボーンの音が。渋さ、か。
早めに来た人たちが思い思いに腰掛けて時間が来るのを待っている。
野音の前には屋台が並んでいて行き交う人に大声で売りかけている。
外で入場待ちの列に加わっていたら3時ちょうどにいきなり
MCの渡部真一が「いえー!渋さ3時なったからはじめるぜー」って叫びだし、
ギュアーーーーンと「本多工務店のテーマ」のあのギターが!
えー待ってよ、まだ始めないでよーと気ばかり焦る。
ようやく入れた頃にはあの壮大なイントロは終わってしまっている。あーあ。
開演前のサウンドチェックってことになってんだけど、
彼らの場合本公演と余り差がない。曲を丸ごと演奏してしまう。
テーマ合奏→ソロとなったときのソロがサウンドチェックなわけで、
ソロ以外の部分は「いつもより多少ゆるいかな」と思うぐらいでそれほど遜色ない。
見た目の違いとしてはダンサーが出てこないぐらいか。
サウンドチェックで「本多工務店のテーマ」なのだからなんて豪華なことか。


3時からサウンドチェックでそんで3時45分までやって、そっから1時間の公演。
両方聞いてみて個人的にはサウンドチェックの方が「渋さ」らしい演奏のように思えた。
あと1曲なんだったか思い出せなくて、さらにもう1曲「ひこうき」
こういう代表曲を惜しげもなくサウンドチェックのみで披露するのだから豪華だ。
こういうイベントの渋さ、侮れない。早めに行って正解だった。


3時の時点ではあんまり人も入ってなかったが、
開演の頃にはほぼ満員となる。3000人とか言ってたな。
客層はまあ僕ぐらいの年の男女か。+−5歳ぐらい。
ライブ仲間で来てますって感じの人たちが多く、公演の間あちこちで
「あ、ここにいたの?うちらあっちで見てるよ」みたいな会話がなされた。
思いのほかカップルが多い。見てると2人して踊りまくってたり。
2人して音楽の趣味が渋さとか ROVO ならいいだろうなー、と思った。


天候は曇り。30度ないのだろう。
この時期にしては涼しかった。


3時45分になって時間通り開始。
スーツを着た若い男性の司会が出てくるんだけど、
新日本プロレスの実況担当って言ってた。
彼が話している間、渋さホーンズは客席後方から音を鳴らす。
白塗りのダンサーたちも現われる。


渋さが始まる。
1曲目はなんだったかなあ。スローナンバーでカバーなんだけど。
元歌は聞いたことがある。有名な曲のはず。
70年代のアメリカのソウルのような印象。ああ、なんだったか。もどかしい。


その後はいつものレパートリーか。
ナーダム」など。最後は例によって「仙頭」「捨吉」
代表曲のうち何をやってないのかは思い浮かぶけど
(「Pチャン」「ライオン」「火男」「反町鬼郎」など。
 僕の場合、さやかとぺろのダンスで判断する)
何をやったのかは正直記憶が曖昧。どれもこれも聞き覚えあるんだけどなあ。
渋さの曲はなぜか曲名がいつまでたっても覚えられない。


僕としては久し振りのライブで見る渋さ。
2002年かな年に4回は見てたのに、このところかなりご無沙汰。
メンバーも入れ替わったようで僕が熱心に見ていた頃に目立っていた
キーボードとヴォーカルの佐々木彩子は脱退していた。
(昨年出た本の中で初めて知った)


どうなんだろうな。
僕としてはピークは2002年や2003年の頃なのではないかと思ってるんだけど。
注目され始めて動員が増えて、勢いのあった時期。
このままおんなじようにして続いていくのか、変わっていくのか。
渋さは日々変わっていってんだろうけど、
その変化の範囲が僕みたいなただの視聴者にとっても
予測の範囲内でなされるのか、それとも思いも寄らぬ方向性を見出すか。
そりゃもちろん後者であってほしいんだけど、
マイペースを守るのもまた渋さか。とも思う。


今回の公演はこれまで見てきた中ではイマイチな部類だった。
短かったのでかなりダイジェスト的だったってのもあるし、音がよくなかった。
モゴモゴしてるとまではいかないんだけど、分離がよくない。
野音ってこういう音なのか・・・


編成も数えてみたら楽器持ってるのは25人で
こういうフェスに出るにはちょっと少なかったかな。
「小さくまとまってるなー」と思った。
たまたまなんだろうけど、鍵盤系の演奏者が今回はゼロだった。
なんかそれが音のバリエーションを薄くしていたように思う。
使い勝手のいい飛び道具がないというか。
逆の使い方として、隙間を埋める楽器が無いわけで。
ホーンとギター・ベースとドラム、パーカッション。
タイトといえばタイト。


な、はずが。
テーマ合奏→ソロ→カオスといういつもの流れが
なんかいつも以上にルーチンワークのように聞こえた。
ソロもカオスも短くしてギュギュッとやった方がああいう場なら
「押し寄せる」感があってよかったのでは。
僭越ながら、短い時間なのに漫然とやってたように感じられた。
なんでだろ?
集中力の問題ではなく。
面白いソロが出てこなかったからか?
結局一番かっこよくてしっくりきたのは
サウンドチェックの「本多工務店のテーマ」でした。