幼馴染が2軒並んで家を建てる

いつだったか、朝のニュースを見ていたら
街のちょっとした話題みたいなのを紹介するコーナーで
クリスマスにちなんだ話題が取り上げられていた。
ごく普通の住宅地。とある隣り合った2軒の家で共同して
とてつもなく大きくてきらびやかなクリスマスの飾り付けを
毎年毎年披露していて町でも有名だ、というもの。
よくありますよね。
家の前面にツリーの形をした赤に青の電球が瞬いているようなのとか。
あれの庶民でできる範囲での最大級のゴージャス版。
2軒にまたがって展開できるならば、かなりの広さになる。


この2つの家はもともと幼馴染が隣り合わせて建てたものだから、
可能になったのだという。
そこがポイントか。
それまでの人生で見知らぬ間柄だった人たちが
そのとき家が隣り合わせたからというだけの理由で
一緒にクリスマスの飾り付けをするっていうのは
なくもないことだろうけど日本ではあんまりなさそう。
(なんとなくイメージとして、アメリカではありそう)


どこだったか場所は覚えてないけど、地方の県のような気がする。
だけどそれほど田舎じゃない。割と開けている。
その町で生まれ育って、だいたい同じ時期に結婚して子供が生まれて、
だいたい同じ時期に家を建てた。
昔から仲がいいから何の屈託もなく2軒並んで家が建った。
子供たちは何の気兼ねもなく相互の家を行き来して、
郊外のショッピングセンターや娯楽施設にも2台の車で行く。
夏ともなると週末にはどちらかの家でバーベキューをやっている。
そんな光景が思い浮かぶ。


そういう人生もあるんだなあと思う。
地元ですんなり生きていくっていう。
進学のために上京してそれっきり東京で働いている僕からすると
そういうのが当たり前で周りもそういう人たちばかりに思えるんだけど、
そんなの大都市の中に住む一握りなのかもしれない。
世の中の多くの人は生まれ育った県の中で一生を過ごすものなのだ。
若いうちは親元を離れて市街地の近くに住んだりもしてみるが、
いざ家を買うとなると両親と一緒に住むことになったりで似通った場所に戻ってくる。
生まれ育った家を改築して住むというのもあるだろう。


実際、世の中のどれだけの人が
生まれ育った地元にそのまま残って生きていくものなのだろう?
先日 mixi で高校の友人と再会して何人か近況を教えてもらった。
僕の感触として高校時代の半分近くが今、青森で暮らしている。
近県に住んでいるという人を含めたらかなりの割合になる。
進学校にしてみてもそうなのだ。


それがこの国の普通なのだ、とさえ思えてくる。


どうなんだろうな。