大正時代に銀行として使われていたとされるアトリエであるとか、
海外の建築家がデザインした繭のような外見のシュールな一軒家であるとか。
ユニークな物件、ハイセンスな物件を扱っていて面白いと
「東京R不動産」のサイトをよく妻が眺めている。
時々「ねえねえこれ見て」と僕にも見せてくれる。
昨晩もそんな時間があった。
いくつかあった中で印象に残ったのはやたらバルコニーの大きな賃貸住宅。
20帖の1LDK の間取りよりも広いバルコニー。
広い、広い、無駄に広い。
5階建ての最上階のようだ。
1972年築、50年近く前に建てられたからこそ
こういうありそうでなかなかないちょっと不思議な建物が生まれたのだろう。
効率重視の今なら絶対つくられないと思う。
でもこういう部屋、一度は住んでみたい。
僕なら何に使うだろう。あなたは何に使うだろう。
初夏の涼しい時ならデッキチェアを広げて一日中ここで過ごしたい。
仲間たちと3つ4つテントを並べて架空のキャンプ場にするのもいいだろう。
子どもたちなら即席のラジコンコースにするだろうか。
可能ならこのバルコニー物件と
恐らく普通の間取りと思われる下の階の物件とを借りて
下の階で普段は生活して、上の階で広々過ごすというのもありか。
これだけ広くて何もない空に面した空間と日々接して暮らしていると
なんか哲学的な発想が浮かびそうな気がする。
そこには何もないというものがある。
空っぽな可能性だけがある。
空とか無とか存在とか考えそう。
ぼんやりと、とりとめなく。
(それはそうとバルコニーとベランダって違うんですね。
わかりますか?
屋根がないのがバルコニーで、屋根があるのがベランダ。
僕も知ったのはつい最近でした)