カルピス

最近、カルピスソーダばかり飲んでいる。
なぜなのだろう。体が欲しているのだろうか?
だとしたらそれはどういう体なのか。どういう状態なのか。


「ザ・プレミアム・カルピス」ってのが去年ぐらいから売られていて、これ、うまいね。
時々買って飲む。リッチ感あり。まろやかでふくよかな味わい。
でも、好きなのは普通のカルピスウォーターなんだよなあ。


どっかで聞いた話。
その当時会社としてのカルピスは新製品を求めていた。
市販する清涼飲料水としてはカルピスソーダぐらいしかない。
ある社員が企画会議にてこんな発言をする。
「みんな水で割って飲んでるんだから、それをそのまま売ればいいんじゃない?」
その会議では反対意見が多く寄せられたのだという。
「カルピス=原液」というイメージが世間一般的に強く、誰もが水で薄めて飲んでいる。
そういうものだとして認識されている。
水なんてただみたいなものなのに、わざわざ金を払ってまでして人は買い求めるだろうか?
家に帰ればいくらでも作って飲める。
それが、試しに製品化してみたら大ヒット。つまり、カルピスウォーターのこと。
結局のところ人は手軽に街中でカルピスを飲みたかったのである。
今なら、「なんで最初から思いつかなかったの?」と不思議にすら思うわけで。
そんなの売れるの?と疑問視されたものが売れる。
企業内での常識、その企業の中で「世間の常識」と思い込んでいたものを打ち破る。
ずっとその中で考えているならば、絶対に気付かない。
視野を広げること、角度を変えて眺めてみること。
この話、僕はよく思い出す。


カルピスを割るものとして僕は水以外にありえないと思ってたんだけど、
生まれてから今まで、家では牛乳で割っていたという人が結構いるようだ。
コーラで割るとうまい、と以前聞いたことがある。
関西の喫茶店では「キューピッド」という名前で普通にメニューに並んでいるのだとか。


夏休み、母の実家を訪れると仏壇には贈答用のカルピスの箱がよく置かれていたものだった。
裏でセミ取りなんかをして、家の中に戻って来て
コップにカルピスを注いで、水道の水でいっぱいにして。
テレビでは高校野球
カルピスってそういうイメージ。
真夏の、ノスタルジア