バンコク その6

okmrtyhk2008-09-25



船着場から降りて次に向かったのは「ワット・プラケオ」と王宮。バスに乗ってすぐ。

ワット・プラケオについては、前回同様バンコクナビの解説を参照。
http://www.bangkoknavi.com/miru/miru.php?id=12


ワット・プラケオを一言で言えばタイ王室の寺院となる。
本堂に仏塔に仏舎利塔に、お堂に、とたくさんの建物があって、
それぞれがスリランカ風だったり、ヒンドゥー風、中国風と周辺各地の様式を取り入れている。
裏側にはアンコールワットの模型もあった。
入ってすぐ圧倒されるものとして純金の塔があった。
「プラ・シー・ラタナー・チェディ」ガイドの方が言うには、14金。
金閣寺を初めて見たときに「すげーな・・・」と思ったものであるが、
純金そのものの存在感で言ったらここのはそれ以上。
思わず触ってみた。
なぜ人という生き物が、黄金、ゴールドというものに目の色を変えてきたのか
ほんの少し分かったような気がした。
あれだけの輝きを放っていたらそりゃ、「富」って感じがするわ。


休憩所みたいなのがいくつかあって、そのうちの1つの前を通りかかったら
ガイドの方が「あそこにボクシングの金メダリストがいる」と。
見たら、首から本当に金メダルらしきものをぶら下げていた。
たくさん人が群がって、記念写真を撮っている。
北京オリンピックでタイが獲得した金メダルのうちの1つ。
お参りに来たのだろうということで、
記念写真ラッシュが終わると友人らしき人たちと一緒に本堂へと向かって行った。
オリンピックの金メダリストなんて普段目にすることないじゃないですか。
しかもこういう人の多く集まる場所で。
浅草を歩いていたら北島康介にばったり出会った、なんて普通ないでしょう。
いやー珍しいこともあるもんだ。
今思うに僕も写真を撮ってもらえばよかった。
それにしても首からメダルを下げて歩いているなんて・・・


本堂に入る。
ユリの花を聖水につけて、頭にかける。
土足禁止、かつここから先は撮影禁止。
靴下だけになってひんやりした床を歩き、跪いて3回祈る。
写真が撮れなかったので記憶が薄れかけているんだけど、
この本堂は僕がこれまでの人生で目にしてきたあれこれの中でも
最高と言っていいくらい美しいものだった。
取り囲む壁にはこの世界の森羅万象が描かれ、
金や銀、ありとあらゆる宝石を元にして作られた玉座には
ご本尊として翡翠で作られた仏像が奉られていた。
世界中の富を集めて、信仰に帰依した者として何よりも大切なものを現実に有らしめてみた。
その凄さが本堂の小さな、濃密な空間の中に凝縮されているんですね。
確かな信仰を持つ者だけが美しくなれるのかもしれない、
揺ぎ無い美の頂点へと迷い無く辿り着くのかもしれない。
そんなふうに思った。


塔の1つにはてっぺんに近い場所に鉄でできた風鈴が何十も括り付けられていて、
風が吹くたびに透き通った、済んだ音が重なり合った。


王宮へ。
衛兵たちが門の前などに立って、そこかしこを守っている。
僕らが訪れたタイミングはちょうど衛兵たちの交代の時間で、その儀式を見ることができた。
隊を成して行進をする。
タイの徴兵制はくじ引きで、引き当てる確立は3%だという。兵役は2年間。


宮殿は3階までがヨーロッパ風で、そこから上の屋根はタイの寺院のようになっている。
現在の国王はここではなく、別な宮殿に住んでいる。


国王の姉が亡くなられて国中が喪に服しているとのことで、
黒い服に身を包んだタイの人たちが大勢訪れて祈りを捧げていた。
観光客は入ることのないどこか別な場所にそのためのお堂があるみたいで、
そこから出てきた人たちが固まりとなって移動して、本堂へと向かっていた。


バスに乗り込むとき、
ガイドの方に freitag のカバンを「これ、いいですね」と言われて嬉しくなる。


王宮に限らずどこもかしこも日本人旅行者ばかり。
しかも HIS か JTB のツアーばかり。
HISの制服を着たガイドが何人もいて、それぞれのグループを率いている。
観光客が自由時間を取っている間に彼らは休憩所に集まって雑談している。
どこの国でもそうだけど、ガイド同士は会社を超えて仲良くて常に情報交換し合っている。
HISの大型バスはバンコクだけで4台走っていると聞いた。
毎年大勢の日本人がバンコクを訪れて、そのうちのほとんどが HIS か JTB なんだろうな。
今回の半日観光も料金はたったの2000円。よく成り立ってるよなあ。
これも集客力を見込んでのことなんだろうな。