離 - 025:中の大、捨てる、「Long Season」

この日、大阪から東京に戻る。
ウィークリーマンションを引き払う。
2か月はあっという間だった。


客先での業務は昼まで。午前中に一人一人回ってお菓子を配る。
(僕が買ったわけではないが、便乗して・・・)
これでもう会うことのない人もいて、ちょっと切ない気持になる。


引き出しにしまっていたというか押しこんでいた、
飲みかけの volvic のペットボトルをまとめて捨てる。
もう何日前のものなのかよく分からず。
古くなったものは上の方に細かな水滴が浮き出ている。


昼メシ。最後のシメは龍門の「中の大」挑戦するようにとのお達しが
前の晩の飲みの席で出てて、じゃあそれをやってみようじゃないかと。
「中の大」とは中華丼の大盛りのこと。
ここの大盛りはご飯が2倍の量になるらしく、
ラーメンのどんぶりに入って出てきた。
これ全部米だったらきついなと思うが、
餡のかかっているところは餡だけだったのでなんとかなった。
それほど苦労せず完食。


部屋に戻ってきて、あれこれ荷物の整理をする。
とにかく捨てまくる。
全然使わずにほぼ手つかずだった食器洗いの洗剤を絞って流しに全部捨てる。
風呂場の、・・・カランって言うんだったか、あっちの方に
半分以上余ったシャンプーとリンスと柔軟剤を捨てる。
洗濯機用の粉の洗剤をどさっと粉のまま落として
お湯を流すと少しずつ山が崩れていく。それをぼんやりと眺める。
次は冷蔵庫。紙パックのリンゴジュースは作業の合間に全部飲みほす。
まだ開けていなかった牛乳とアイスコーヒーを泣く泣く流して捨てる。
使ってなかったキッチンタオルの一巻きなんかももったいないけど捨てていく。


本、ダウンジャケットやスニーカーを段ボールに詰める。
大きなボストンバッグに掃除機と毛布を詰める。
これだけでいっぱいになってしまって、足りない。
Yシャツや着替えの類。こちらで着ていたスウェット上下。
ホテルからくすねてきたバスタオル。
スーパーに段ボールをもらいにいくべきか。なんかめんどくさい。
厚手の紙袋に詰めてガムテープで封をする。
スーツバッグに詰め込めるだけ詰め込む。
スーツバッグとは思えないぐらい、パンパンに膨らむ。


プリンターはそのまま箱に詰めて送る。
集荷を頼まず、「中の大」の腹ごなしのため、遠くのコンビニに持っていく。
次に紙袋、ボストンバッグを持っていこうとしたところ、
途中の酒屋で宅急便を扱っているのを見つけ、そこにする。
持ち込みの複数小口は100円引きとのことで引き返して段ボールも持ってくる。


一通り片付いて、ガランとした部屋の中で離の再回答を1つ。
終えると燃えないゴミ、プラスチックのごみ、缶・ペットボトルなど分別した
ゴミ袋を裏のゴミ捨て場に持っていく。
100円ショップで買ったゴミ箱や洗濯のカゴ、まだ使えるのに捨てざるをえない。
誰かが拾ってくれれば。
残念ながらこっちで買ったドライヤーも燃えないゴミにこっそり紛れ込ませた。
あーいろんなものがもったいない。


部屋を出る。履いていたスリッパを荷物の中に入れ忘れたことに気づく。盲点。
他にはないはずと振り返って点検。
(後で、トイレットペーパーがそのままになっていたことを思い出す)


荷物は、会社鞄、小さめのボストンバッグ、スーツバッグ、書類を入れた紙袋の4つ。
どれもパンパンで重いしかさばる。
それでも何とか移動可能だと駅へと向かう。ちょうどよく来て、電車に乗る。
さらば森小路
2か月も住んでいると、それなりに愛着が湧いた。
これからの人生で再びここを訪れることはあるだろうか?
何もないところだし、懐かしい、歩いてみたいという以外に訪れる理由はない。


(そういえばいつものパン屋が昨日・今日と閉まっていたのがとても気になる)


片付けと再回答がテキパキ済んだら大阪城に桜を見に行くつもりが、そうもいかず。
18時淀屋橋へ。せめて中之島公園は最後歩きたいと思う。
駅を出て、荷物が多すぎて辛くなる。
スーツバッグ以外をコインロッカーへ。
2時間まで100円という安いロッカーがあった。
スーツバッグはコンビニを探して宅急便で送る。
これで今日、5個。日曜のも合わせて6個。
荷物を増やさないようにしたつもりだったけど、結構な量になったなあ・・・
離に関する本がなんだかんだと増えたし、
東京に戻ってくるたびに大阪に運んだ着替えがバカにならない。


淀屋橋から北浜まで歩いて、中之島公園を通って淀屋橋へ。
中之島公園は桜がきれいかと思いきや全然桜が植えられてないんですね。
でも、歩くことができてなんだか嬉しい気分になる。
iPhoneフィッシュマンズの「Long Season」を聞く。


20:17の新幹線まで1時間以上。時間が微妙に余る。
新幹線を早めるよりは少しでも大阪を歩いておこうと思う。
コインロッカーで荷物をピックアップして、梅田まで。
荷物が重くて死にそうになる。
大江橋を渡ると、欄干に人々が集まって携帯で写真を撮っている。
何だろうと思って見てみると川の上に満月が昇っている。
僕も写真を撮った。


梅田へ。お初天神の前にさしかかって、
3月の頭にここで飲んだなと懐かしく思う。


JRで新大阪の駅へ。
いつも好評の千鳥屋のみたらし饅頭を買う。
大阪も最後かもしれないと551の焼売、海老焼売、餃子を買う。
新幹線の中でビールを飲みながらまったり過ごす。
「ジャケガイノススメ」の続きを読み、続けて校長の本を読む。
iPhoneに届いた離関係のメールに考え始め、
東京に到着して地下鉄の中でもあーでもないこーでもないと。


荻窪駅に戻ってくる。
焼鳥屋のあった駅前の更地がさらにきれいになっていた。
BOOLOFFの看板が黄色からオレンジに変わっていた。


荷物の重さによろめきながら、それでもどうにか帰ってくる。
酔いも覚めて再回答を書く。
最低限の荷物を片づけて眠る。それでも午前1時過ぎ。