「Chim↑Pom展パルコミュージアム」


仕事が多少余裕出てきたので
昨日は会社休んで「Chim↑Pom展パルコミュージアム」と
「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」
この2つを見に行った。


Chim↑Pomはここ半年でイッキにメジャーになったように感じますね。
僕が知らなかっただけなのかな。
『芸術実行犯』がヒットして青山ブックセンターで売上一位になったんだったか。
夏のワタリウム美術館は見逃した。というかその頃、恥ずかしながら知らなかった。
『芸術実行犯』を読んで、「わ、こんな連中がいたのか!」と。
3.11後の渋谷駅の岡本太郎明日の神話」の事件が彼らによるものと知った。
広島の上空で「ピカッ」と飛行機雲を描いたことにゾッとした。
カンボジアで地雷と共に iPod やヴィトンのバッグ、プリクラ帳を爆破していた。
単に騒動を引き起こして内輪で楽しんでるだけの集団とは思えなかった。
それ以上のものがある。
社会に関わろうにも関われない、端っこの方で鬱屈したものが
ダダ漏れしつつ暴発する、それがブラックユーモアとなる。
そんな姿勢に共感した。
誤解を恐れずに言えば、今の僕にとって最もヒーローに近い。


メンバー6人のうちほとんどが美術系の学校に行ってなくて
世間的には素人で何の肩書きもない、というところもいい。
ほんとアートは誰にでもできる。
やりたいと言いつつやらないだけ。続かないだけ。
その覚悟が持てない理由をぼんやりと探してるだけ。


パルコミュージアム、10時開店と共に入る。
朝イチだったので数分貸切状態で見ることができた。
http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php?id=504


入り口にはメンバー6人が清掃員の格好をして
パルコのどこかのフロアのエスカレーターの前で
往年のコメディ映画のように掃除をしているという絵。
その続きにこれまたパルコのどこかのショップにペンキを撒き散らして
汚しまくったインスタレーション。レジにいるのは女性版マクドナルド?


カーテンの仕切りの向こうに閉じられた部屋があって、
話題になった「PARCO」の「C」と「P」のネオンが真ん中に鎮座。
We Will Rock You」などの音楽に合わせて点いたり消えたり色が変わったり。
よくもまあこんなこと考えたもんだ。


次のカーテンをくぐると、小部屋と通路。
3つのモニターが映像を流していた。
バリ島の広大なゴミ捨て場に混じってゴミ拾いをするメンバーの映像と
紅一点エリイがヘリコプターに乗ってその上空から眺めて、
サークルKだったかのゴミ袋を投げ捨てる映像とが交互に映し出される。
一番大きなモニターの前には恐らくそこで拾われてきたゴミが
四畳半ぐらいのスペースに山積みにされている。
空中にはサークルKの袋が浮かんでいる。


次のモニターはタイトルが「台北 GAS PANIC」だったか。
台北の街でスクーターを乗り回してその排ガスをゴミ袋に詰めてゴミ収集車へ。
3つ目のモニターは「東京BOMBERman」かな?
渋谷のゴミ捨て場に捨てられたゴミ袋に
スプレーで放射性廃棄物のマークを描いていく。
それが翌朝何事もなかったかのようにゴミ収集車に回収されていく。
早朝を歩く若者たち、ギャルたちもまた素通りしていく。
モニターの脇に恐らく、実際の渋谷のゴミたち。
最後、今回の個展の企画書的なスケッチが壁に飾られていた。


たったこれだけ、駆け足で見たら5分もかからないぐらい。
ミュージアムショップでは代表作「SUPER RAT」
(初期の活動で渋谷でネズミを捕まえた)をあしらったTシャツが売られていた。
僕は『JOY TO LOVE』というDVDと
物議を醸した『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』
そして今月発売予定の作品集の予約をした。


外には巨大なゴミ袋。中に入ることができる。
ブヨブヨしたエアーマットと言うべきか。
遊園地のアトラクションのように飛んだり跳ねたりできる。
でもまあこれも一人だと特に面白いことはなくて。
すぐ出てきてしまった。もったいないことをした。


Chim↑Pom展」は30分ほどいて、平日の午前中で客の入りは10人ほど。
午後に見に行った「特撮博物館」が規模も開催期間も大きく、
平日の午後だというのにとんでもない混雑っぷり。
一概に比較はできないけど、Chim↑Pomの今の位置づけが分かる。
これが数年後、こんな規模で見ることができたのは
あのときが最後だったと言われるようになるのか。
インディーズの小さなアトリエに戻っていくのか。
これからの動向がやはり気になる。