サギというもの

床屋に行く。髪を切ってもらいながら、
このところ振り込めサギの電話が掛かってきていてという話を聞いた。
家の方の電話に掛かってきて、持ってた携帯電話が水没してしまったので
親父の携帯番号が分からない、ついては教えてくれないかと。
息子の声に似ていたし、最近ちょくちょく電話でやりとりしていたので
そういうこともあるものかとつい教えてしまったと。
そのあとでハッと気づく。
携帯に掛かってくるが、出ないようにしたという。
都合4回掛かってきて諦めたのがつい先日。
最初の電話ではお金の話をせず、
携帯の方に移ってからにするというのは
実行犯の方になにかしらのポイントがあるのだろう。
家の方に再度掛けてきてお金の話をするということはない。


警察に相談したら
荻窪は振り込めサギの被害者が都内で最も多いとのこと。
お年寄りの一人暮らし、二人暮らしが多いから。


サギついでにこんな話を聞いた。
店の前に車で乗り付けてきて、運転席から話しかけてくる。
最近越してきた者でなかなか時間がなくて今日やっと来れたと。
店に入ってもなかなか陽気に話し続ける。
一通り終わって、なかなかのできばえと喜んで
あ、でも財布車の中に忘れてきたんで取りに行くと。
そのまま走り去ってそれっきり。
荻窪界隈で他にも同様の被害にあった店があるという。
「なんでたかだか4,000円ぐらいのことで
 こんなけちなサギをあちこちで働くんでしょうね。
 お金がないなら1,000円でカットしてくれる
 店なんて今時いくらでもあるでしょうに」


もうひとつ。
髪を洗うときのシャワーのお湯、
その店では60℃に設定していて決して熱くはなく
まずは自分の手にかけて温度を確かめてからかけるので
問題ないはずなのに、
あるお客さんが後日やってきて熱湯でやけどした、
ヒリヒリして夜も眠れないので皮膚科に通いたい、
しかし今手持ちのお金がないので借りたいと主張する。
ならば一緒に近くの皮膚科に行きましょうと言うと
それは困る、自分の都合のいいときに行きたいとゴネだす。
じゃあそのヒリヒリしている箇所を見せてくださいと言うと
見せてくれるが赤くなってない。
そのうちに諦めて帰っていった。
近くの別の床屋が以前それに引っかかって、1万円出したという。
「味をしめてうちにも来たんでしょうね」


会社で働いているとお目にかかることはないけど、
小規模なサギは世の中いくらでもいるという話。