「宮沢賢治と<再生>の物語」(本編)

明大和泉キャンパスへ。
僕は当日のスライドと消灯・点灯係となっている。
スライドはノートPCをプロジェクターに映して、
消灯・点灯は iPad からとなっていた。さすが新しいだけある。
スライドは福島沿岸を撮影した者や、避難所での活動を紹介するもの。
最初に消灯してスライドの1〜3を、
その後点灯して、登壇と共にスライドの4〜9を、と段取りが決まっていて
ホールにお客さんが入る前に何度か練習する。


14時を過ぎて開会。
避難所でお年寄りの方たちの話を聞く活動について。
3.11以後最初のうちは誰も何も話せなかった。
かろうじてその日何があったかぐらい。
サイレンが聞こえた、どこそこに逃げた…
それが少しずつその後の日々のことを話せるようになる。
しかしそれは第三者が外から来て、場を設けてでないと話せないのだという。
彼ら同士で、避難所に住む家族だけでその話は今でも辛くてできない。
「言葉の瓦礫」は今も残っている。


アンヌ=エリザベト・アルペルンさんによるギターと唄。
12曲を演奏して前半は亡くなられた方たちに捧げるエレジーを。
後半は避難所の住む人たちを励ますような曲をということで
有名なところではエリック・サティヨハン・セバスチャン・バッハ
「ロシアオペラの父」ミハイル・グリンカなど。
Raymond Jean-Marie という作曲家のを2曲。
その最後に演奏された曲のタイトルは「Kizuna」だった。
素朴な、染み入るようなギターと声に聞き入る。


休憩を挟んで、おつきゆきえさんによる宮沢賢治の朗読。
注文の多い料理店』の「序」と「ドングリと山猫」
「いちょうの実」と「虔十公園林」
宮沢賢治はこれまで高校・大学とあれこれと読んできたけど、
周りでは特に誰が興味を持つわけではなく一人きり文庫で読むものだった。
それが朗読されて声として届き、皆で共有するという体験は初めてだった。
おつきゆきえさんは宮沢賢治の朗読を日々都内のあちこちで続けている方で、
山形出身とのことで東北の言葉も懐かしく聞こえる。
ディープなその地域の人にしか分からないようなアクセントや節回しではなく、
架空の、宮沢賢治の中にだけ存在するような、東北弁らしさのようなもの。
朗読の合間に宮沢賢治に対する強い思いを語る。
生きることの意味を求めて見つからないと語る人が時としているが、
それ以前に我々は何があっても生きていかねばならない、というのが印象的だった。


終わって、懇親会。
今回僕は今担当している教室の学衆(生徒)の方たちにも声を掛けていて、
何人か来てくれた。初めてお会いしてあれこれと編集稽古のことを話す。
他にも多く編集学校の方たちが参加していた。
その編集学校の人たちが残って2次会へ。「つぼはち」の個室。
福島土産に配られた「ゆべし」がいかに大変なものであったかという話。
くるみゆべしとごまゆべし。店に頼んで特別につくってもらった。


来月12/21(土)は郡山にて開催とのこと。参加無料。
場所は「ビッグアイ7階 市民交流プラザ和室」
開場13:30で開演は14:00 終演予定17:00
プログラムは今回と同じです。
・スライドを元に避難所の支援活動を語る
・アンヌ=エリザベト・アルペルンさんによるギターと唄
・おつきゆきえさんによる宮沢賢治物語朗読

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追記

場所が変更になりました。
創空間 富や蔵(そうくうかん とみやくら)
http://www.tomiya-kura.co.jp/tomiyagura/
〒963-8851 福島県郡山市開成2-4-15

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