人形劇団プーク

誘われて人形劇を見に行く。
「平和のタネをこころにまこう in 世田谷区
 人形劇団プークによる人形劇公演と平和をはぐくむ講演会」
http://mail0520.wix.com/peacepuk


この日のイベントは2部構成になっていて
1部は人形劇団プーク。
2部は「明日の自由を守る若手弁護士の会」による
「子どもたちのために、今知っておきたい憲法」という講演。
いかにして9条を守るか。もちろんそれは大事なんだけど
正直そういう気分でもなく、1部のみ観ることにした。
僕が思い出していたのは
小学校に年に一度巡回公演で来ていた劇団・人形劇団の人たちのこと。
あの人たちは今どうしているのだろうと。


場所は東京農大裏の和光小学校。
初夏の日差しの中、自転車を漕いで世田谷通りへ。
会場は体育館。前の方は子どもたちのために座敷席で
後ろの方が大人たちのための椅子席。
13時になって会の主催者による挨拶があって、
その後小学校の副校長先生から。
劇団の長い歴史の間には
その内容がGHQから弾圧されたこともあったという。
前の方で子どもたちが
「何が出てくるかな」「まだ始まらないのかな」とざわざわしている。
子どもたちは何も知らず、人形劇が始まるのを待っている。
そして多くの人たちが終わればそのまま帰っていく。
休日に人形劇を親子で見る平和というものはまだこの世に残されている。
残してくれた人がいる。
それは声高に解説しなくても、されなくてもいい。
遠い日の記憶の中でいつかどこかに結びついて何かが動きだせば、
それで十分なのではないか。


この日の演目は2本で
「霧と風からきいたお話」は宮沢賢治が原作。
こちらが東洋的ファンタジーだとしたら
もうひとつは「うかれバイオリン」という西洋のおとぎ話。
人形劇というから素朴なマペットをなんとなく想像していたけど全然違った。
様々なサイズの人形の手足を針金で起用に動かし、
時には衣装を着替えて自ら役者として演じる。もちろん声も出す。歌も歌う。
それを場面ごとにどんどん役を変えていく。
セットもお屋敷を表す壁をひっくり返すと牢屋になって、
一枚はいでまたひっくり返すと別の場面へ。よくできている。
ただ人形を操るだけではなく、役者としての基礎ができてないといけないし、
それを活かす演出もしっかりしている。
子どもが見て楽しいだけではなく、付き添いの大人が見ても楽しい。
機会があったらもう一度ちゃんと見たいな、と思った。


自転車に乗ってまた帰っていく。
馬事公苑前の公園を通り抜けると木々が高く、涼しかった。