寺山修司「星の王子さま」を朗読する

昨晩は半年ぶりぐらいに「遊読夜会」に顔を出す。
今回のテーマが寺山修司の戯曲「星の王子さま」だったので。


神保町から四谷三丁目まで歩いていく。
お濠の側だと皇居ランの方たちの邪魔になるので外側の方の通りを歩く。
夕暮れ。大勢の人たちが走っていた。
音楽を聞く。仕事のことを考える。1時間弱の道のり。


だいたいいつものメンバーが集まっている。
2年ぐらい前に貸した岡田あーみんの『こいつら100%伝説』全3巻が返ってくる。
ジンをロックで頼む。


星の王子さま」全4幕。
くじを引いて1幕ごとに配役を決めて読むという趣向だった。
くじは細長い紙を5角形に折って星の形にしていた。
僕は1幕目の主役、2幕目の脇役、3幕目のナレーターとなった。
朗読は苦手だけど、裏声を使ったりしてみた。


星の王子さま」に復讐がしたくて書いたと寺山修司は言う。
もっと言うと「星の王子さま」を読んでいた少年時代の自分に復讐がしたくて。
だから一見屈折している。だけどその奥に憧れがある。
演じている自分を演じているようなそんなメタ的な劇になる。
これもまたパロディというかオマージュというか。
寺山修司は元ネタを裏返したり逆さまにするのがうまい。
内と外が入れ替わって、クラインの壺のようになる。
四次元的な関係性を結ぶ。


編集学校から新しいPJのことで夫婦で呼ばれていて、
思いがけなく仕事が早く終わった妻が行くというので
僕も遅れて合流することにしつた。
前半が終わったところで退出する。
21時半、豪徳寺に到着する。
大勢の人が集まっていた。
打ち合わせは既にかなり進んでいた。


なんか急にここはもはや僕のいる場所じゃないな、と思う。
息苦しさばかりがあって、余りにもしんどくなって休憩時間にそっと出ていく。
妻に一言先に帰ると伝える。
置き去りにしてしまうことを申し訳なく思う。


電車に乗る気分じゃなく、豪徳寺から瀬田まで歩いて帰った。
何も考えたくはなかった。
Cream の『素晴らしき世界』のライブ盤の方を聞いた。
1時間弱で着いた。


終わって妻が帰ってくるのを待つ。
世田谷線三軒茶屋まで、乗り換えて用賀まで。
LINEで近くまで来たと知ると迎えに行った。