入院四日目

9月26日(土) 入院四日目

22時を過ぎて消灯。
昼間断続的に寝ていたので眠くない。
ナースコールで睡眠誘発剤をもらう。
30分してから効き目が出てきて、効果は2時間か3時間。
浅い眠りが続いた。自分がベッドに寝そべっていることを感じながら見る夢。
4じには目が覚めてウツラウツラする。
6時、部屋の電気がつく。
体温計で測ってみたら36℃台に戻っていた。調子がいい。


そのまま寝ている。
隣のベッドの方が八戸から来てるみたいなんだけど症状が重たいようで利尿剤がどう、エコーがどう、心電図がどうと昨晩から続く。
レントゲンも病室に運び込んで行っていた。
今日は腎臓外科の先生が来て数値が下がらないという。隣で聞いててゾッとする。
すでに片方は全摘してるのだとか。
機能しないとなると透析になる。
四人部屋の向かいの二人も人工透析を受けていた。


8時になって食事。パン(ソフトフランス、クロワッサン)、バナナ、牛乳、プレーンオムレツと玉ねぎとインゲンのソテー。
ジャムがリンゴとイチゴをミックスした給食の懐かしい味。
食べ終わって寝ている。
周りは相変わらずバタバタしている。
症状の軽い僕は後回しとなる。血圧も体温も。
一眠りする。
麻酔科の先生が現れて背中の麻酔は使い切るまでそのままにするという。
泌尿器科の先生が来て尿道カテーテルを取る。
早速歩き始める。トイレまで往復してみる。
手術の先生が来る。背中の麻酔は危険なものなので明日で終わりにしますという。
効いてますか? と聞かれて痛みが全くないと答えると、そこまで効くのも珍しい、全く効かない人もいるとのこと。


シーツの交換。
外は曇り。雨ではない。
担当の看護師の方が現れて、記入用紙を持ってくる。お小水がどれだけ出たか記録をつけていく。
今日から1500ccから2000ccは飲んで欲しいと。
カテーテルも抜けていつでも行けるようになったのでたくさん飲むことにする。
何か気になることはと聞かれて、左肩が凝ってると伝えると湿布をもらえるよう手配してくれる。
腎臓の手術は腕を伸ばした姿勢で受けるので、多くの方が肩が凝るのだと。
『短編ベストコレクション 現代の小説2015』の続きを読む。
最初の2編以外パッとしない。


昼、点滴の台をガラガラさせて一人で運ぼうとしたが、ヘルパーの方が手伝ってくれた。
ひじきの煮付け、ツナサラダ、ハッシュドビーフ
片付けは一人で。
歩く練習として歯磨きは遠くの洗面所へ。


13時を過ぎて妻が来る。T字帯を買ってきてもらう。
『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2014 リザ・スコットライン編』を持ってきてくれた。
レンタルの浴衣は土曜だと13時に受付が閉まるようで、タッチの差で間に合わず。
看護師の方が来て右腕の点滴が外れる。ひとつひとつ前に進んでいるようでいい。
妻に髪を洗ってもらう。専用の洗面台がある。カバーをかけて椅子に座り、頭を前に。ワシャワシャしてもらうと気持ちよかった。


ベッドで iPhone をいじっていると看護師の方が来る。
「それ、6 plus ですか?」という話になる。
「大きくて片手では扱えなくなったけど、慣れるともう戻れないですね」
「カヴァーつけないんですか?」
「うーん、カヴァーつけるべきだったらスティーヴ・ジョブズが最初からつけてたと思うんですね」
「でも画面割れませんか?」
「「Apple Care」という保険があって…」
長く入院されている方たちはその分長く看護師の方たちと接していて、お喋りも長いし多岐にわたる。
いびきをかく人は患者の中でも嫌われるとか。


大相撲千秋楽前日。
勢、稀勢の里、照の富士が負けて鶴竜が勝つ。鶴竜が二敗で照の富士が三敗。面白いことになってきた。
照の富士と豪栄道稀勢の里鶴竜
結びの二番はどちらもいい取り組みだった。


夜の食事。
鶏挽肉の松風焼、人参とほうれん草の煮物、ほうれん草と油揚げの煮物(どちらかは小松菜か)、茶碗蒸し。
妻が持ってきた小さな蜜柑をデザートに食べる。
食後、妻に背中や脇腹を拭いてもらう。
19時になって妻が帰る。
結局レンタルの浴衣の業者は交換に現れず。
この際買ってもいいんじゃないかという話も出たが、遅れてるんじゃないかと。
買うのももったいない。ドレーンを刺したところがどうしても出血するし。


20時。看護師の方が見回り。血圧は問題ないが、やはり熱がある。今晩もアイスノン。
湿布が届いて貼ってもらう。


隣のベッドの人は30分おきにナースコールで大変だ。熱がある、尿が出ない、漏れている。


消灯。
井上ひさし『ふふふふ』
『短編ベストコレクション 現代の小説2015』
読み終える。