「Madonna Rebel Heart Tour」後編

DJが1時間やってて、さすがにこの後はすぐ出てくるだろうと思っていたら
そこからさらに1時間待たされた…
始まったの21時。
19時開演とチケットに書いてあったので
19時にマドンナが出てきて21時すぎには終わるのだろうと思っていた。
うーん、だったら前座を17時か、せめて18時に始めたらよかったのに。
なんだったんだろ? Guns'N Roses のアクセルのように
マドンナのやる気待ちだったのだろうか。
(10数年前のサマソニで僕は1時間以上待たされた)
それともダンサーNo.14か15の調子が悪くて特訓を施していたのだろうか。


妻と共にブーブー言いながら待っていたが、
それでも始まってしまうとそれはどうでもよくなり…
さすがの貫禄のステージ。
『Rebel Heart』というタイトルからイメージを広げたのだろう。
中世の十字軍に入ったマドンナが拷問を受けて血を流すといった内容の映像が流れた。
本編が始まってからもしばらくはそんな感じ。
十字架、燭台、祭壇というような。
これまでにもマドンナはカトリックを発想元にしてきたけど今回は魔女狩りなのだろうか。
しかしそれで2時間押し通すことはなく、少しずつ変容していく。
お色直しのたびにガラッと変わって
拷問の次はアメリカ中西部のハイウェイの旅、寂れたガソリンスタンド。
その次は闘牛士、マタドール。
さらにその次はニューヨーク、ブロードウェイのミュージカル。
こう書くと全く持って脈絡ないんだけど
それを押し通してしまえるのはマドンナのアイコン力か。
1曲ごとに映像が変わって、マドンナは架空のミュージカルの名場面を演じるかのよう。
2曲目の「Bitch I'm Madonna」は「マドンナ」「私」「ホーム」「一晩中」など日本語が流れ、
バックにも京都っぽい風景が。ここは各国ごとにつくらせたのだろう。


曲は当然だけど半分は「Living for Love」「Iconic」「Bitch I'm Madonna」など
新作『Rebel Heart』から。
残り半分は「True Blue」や「Deeper and Deeper」など往年のヒット曲。
「Like A Virgin」は中近東風になり、「La Isla Bonita」はフラメンコ。
「Material Girl」に至ってはフリッツ・ラングをミュージカルにして
一大スペクタクルに仕上げたかのような。
ラストは「Music」と「Unapologetic Bitch」
時間が押していたからかあっけない幕切れの後、アンコールはすぐ「Holiday」を。
これがまさに各国の国旗をモチーフにした「Cerebration」な内容で。
いいもん見たなあと思わせた。
(10年ぶりなのでその間の最大のヒット曲「Hung Up」やるかなあと思いきや、やらず)
詳細なセットリストはそのうちこちらにアップされるはず。
http://www.setlist.fm/setlists/madonna-bd6bdbe.html


面白かったのは最後の方、花道をゆくマドンナが客席の女の子に
「私と誰か結婚しない?」と呼びかけて、キャーと応じた女の子の一人の名前を聞いたんだけど
そのエリという子が全然英語話せなくて。
「じゃあこの曲はエリに捧げるわ。あの子英語わからないけど」って感じで
相当いじりまくっていた。
この時ウクレレ(? 小さな4弦のギター)を弾きながら歌ったのは
「La vie en rose」のカバー。これが案外よかった。
最後の最後は客席最前列の女の子ふたりを引っ張り上げて花道を一緒に歩いてキメていた。


終わって23時過ぎ。
僕らは車だったからよかったけど、
予定外の始まりの遅さに終電が近づいて途中で帰っていた人たちがチラホラ。
あれは気の毒だった。
さいたま副都心の駅も改札前は入場規制がかかっていたのか身動き取れなくなっていた。
コクーンシティの駐車場は25時まで。なかなかいい選択だった。


出てしばらく行ったところにリンガーハットがあったので
中に入ってようやく夕食にありついた。
まさかこんな時間になるとは。午前0時近く。
さいたまスーパーアリーナの中でも飲み物や食べ物も売ってたみたいだけど
買いに行ってみた妻曰くものすごく混んでいて何も買えずにいた。


マドンナのベストを聞きながら帰る。
最後の「Holiday」がよかったよなあと何度か繰り返す。
小雨が降り始める。着いた頃には大雨。
マドンナは今頃、遅くまで反省会だろうか。