甲府へ その2

さくらんぼ農園の駐車場からは甲府盆地と富士山が見えた。
11時半、車に乗って近くの「万力公園」へ。
笛吹川沿いに広がっていて、水と緑が豊かな公園だった。
「万葉の森」が別名で、万力とは付近の地名。
万葉集の歌碑が公園内にあった。
ここから見える富士山はまだ遠くにちょこんと見えるぐらい。
「あの富士山の手前に山が見えますよね、あれが御坂峠」
あそこまで行ってみましょうということでさらに1時間、ドライブ。


山道をのぼっていって、見晴台に停める。
まだ距離は遥かにあったものの、目の前にそびえたつ富士山。
すらっとしたその厳かな姿。思わずこの僕も頭を垂れたくなる。
美しく、力強く、無言。山頂付近に薄く雲がかかっている。
葛飾北斎が「富嶽三十六景」として
様々な場所で様々な表情を描きたくなったのもよくわかった。


昼は山を下りる途中にあった「天下茶屋」でほうとうを食べた。
http://www.tenkachaya.jp/
キムチの入った大辛ほうとうがメニューにあったんだけど、残念ながら売り切れ。
普通のほうとうにする。黒の鉄鍋に入って出てくる。
見た目は地味で家庭のほうとう
具もかぼちゃ、大根、人参、シイタケ、シメジなど。
でも味噌スープが濃厚でおいしかった。
妻が食べた山椒ご飯もおいしかった。ほんのり塩味が効いている。
武川米を使用と書いてあった。


太宰治井伏鱒二が滞在し「富嶽百景」はここを舞台にして書かれたという。
僕らは大きな分館の方に入ったけど、本館には太宰治の記念室がある。
一方でこの分館はサザエさんご一行がほうとうを食べに来ていて
その時のコマが飾られていた。


14時半。武川米を買って帰りたいということになって、
さらに車を北西に1時間ほど走らせて
町の駅「武川町農産物直売センター」へ。
(町村合併で今は北杜市
http://www.kome-mukawa.com/map/index.html


途中、韮崎市を通りがかると商店街のあちこちで
昨年ノーベル賞を取った大村教授を讃えるのぼりがはためいていた。


北杜市に入る。直売センターへ。
武川は米の他に納豆や味噌が名産。
妻は武川米と参照の葉を、僕はジャガイモのスナック菓子と
ごはんにかける用の瓶に入った生姜のみじん切りの味付けを買った。
珍しく生のわさびも売られていた。


この近くに富士の見える名所があるというので行ってみる。
まだ水を入れる前の田んぼの間に一本道があってその向こうに富士山。
御坂峠で見たのは裏側か。
雪が解けかかっていて青い地肌が覗き、また違う表情を見せた。
稲が実ったときには絶景だろう。