入院 9日目

その後20時半には寝たか。
2時頃目を覚ますと眠れなくなる。
目を開けながら夢を見る感じ。
思いつくもの、そこから連想するもののこだわりというか堂々巡り加減というか。
よくわからないルールでぐにゃぐにゃとした思考の断片がよぎっていく。
つまっては漏れ出ていく。
5時頃ようやく意識がなくなる。


6時半。体温を測ると37℃を切っている。
一昨日の夜具合が悪くなって以来、ようやく戻ってきた。
血圧も120台となる。
ご飯も食べる。ひじき、炒り卵、味噌汁、バナナ。ごはんは少し残す。
ものすごくじかんをかけてゆっくり噛む。膨満感が怖い。


昨晩の担当の看護婦の方はベテランで、襟元に何かの褒章なのだろうか、
ピンバッチをふたつつけていた。
腕は確かで、日勤の担当の看護婦に替わったときに
右手の点滴の管の固定がゆるくなっていたのを頼むと何だかおぼつかない。
たまたま通りがかってとてもきれいに固定してくれた。


読書を再開する。
トニー・パーカー『殺人者たちの午後』と
妻が図書館から借りてきてくれた岸本佐知子『ねにもつタイプ』
岸本佐知子という名前に見覚えがあって、著者紹介を見ると翻訳家とある。
ニコルソン・ベイカーの翻訳は僕も読んだことがある。
このところ読んだエッセイストの中では最も一癖ある奇想系。
文学性がやたら高い。


昼、エリンギ青菜炒め、もやしのナムル、赤鯛の煮つけ。
ようやくご飯を全て食べることができた。
その後久しぶりのシャワー。
手術の痕を鏡で見るとぞっとする。
臍の中は真っ黒でブラックホールのよう。


午後、佐藤優西原理恵子による『とりあたま帝国』
読んでて頭が痛くなってくる。熱も上がる。
まとまった活字はまだだめか。
夕食までの間、音楽を聞いて過ごす。
1階のローソンに水を買いに行く。
先生が来て、白血球の値が依然として高いと。抗生物質の点滴も加える。


夕食。豚肉のトマトチーズ焼き、クリームシチュー、コールスロー
今回もごはんはきちんと食べる。


22時の消灯までどう過ごすか。
本を読むと頭が痛くなるし…