「渋谷に福来たるSPECIAL 2017」1日目

正月の頃か、新聞を見ていたら
4月1日(土)、2日(日)と渋谷で落語フェスが開催されるのを知る。
「渋谷に福来たるSPECIAL 2017」
渋谷区文化総合センター大和田の伝承ホールとさくらホールを交互に使って
朝から晩まで1日中落語。1日4コマ×2日間。
それぞれ個性的なラインナップで、僕らは土日一つずつ見に行くことにした。
「江戸暦」古今亭菊之丞春風亭一朝、入船亭扇辰、橘家文蔵
立川流W親子会」立川吉笑、立川談笑立川こしら立川志らく


今日は「江戸暦」の方。
本来は代々木公園で花見のお誘いがあったんだけど、小雨で中止。
大江戸線を代々木で乗り換えて、まっすぐ渋谷へ。
昼は蕎麦を茹でて食べたんだけど、16時前、腹が減ってきて
チェーン店の安い中華に入ってチャーハンを食べた。


伝承ホールに入る。この日の演目はどれも満員御礼。
前座は下の名前が「あおもり」ということになっていたけど
活舌がよくなくて何を言ってるのかよく聞こえず。
思いっきり寝てしまった。


一人目は古今亭菊之丞の「短命」
以前、神保町の三省堂ホールで見たことがある。
これが落語を始めてみたときかな。
うまいなあと感じ入って、それは今も変わらず。
品のあるようでいて下世話。話が乗ってくると鼻穴が広がる。それがいい。
笑点の新メンバーという話もあったんですよね。
この人に入ってほしかったなあ。
キャラ的には最初のうちなかなか太刀打ちできないかもしれないけど。


二人目の春風亭一朝は合わないなあ、
と最初の方で思ってしまったらそのまま寝てしまった。
前から三列目の席で。大変失礼な話で。ごめんなさい。


三人目。入船亭扇辰の「夢の酒」
技巧派、演技派のように感じた。キャラクターの演じ分けがとてもうまい。
呉服屋の若旦那が昼間に寝てて妻に起こされる。
夢の中で雨宿りをしたお屋敷の女主人に酒をつがれ、寝床を共にする。
夢の中のことだというのに妻が怒る。
それを聞いた大旦那が夢の中でその女に会って話をつけてくれないかと言われるが…
若旦那の時にはこんな夢を見たと過去形で話しているのに
大旦那の時には夢の中で今見ているものを現在形で語る。この語り口がうまい。
こんなふうにして視点を変えるものなのか。やられた、と思った。
涼しい感じに演じているようで、近くで見ると汗びっしょりの熱演だった。


四人目。橘家文蔵の「子別れ」
人情ものなんだけどまた別のうまさ。これぞ落語という存在感で持って行くというか。
構築的な入船亭扇辰とは対極的。長年の経験から来る勘と間合いで魅せる、聞かせる。
甲乙つけがたい。この二人を見ることができたのは大きいな。3,800円は安い。
どちらもその世界観の広がりに、入船亭扇辰だとすっと、橘家文蔵だとぐっと引き込まれていく。


終わってレコファンブックファーストに寄ったのち、
先日のバスケを見た後に入った焼き鳥屋に向かうが、混んでいる。
もう少し先、坂を上ったところの店に並ぶ。しばらく待つ。
二階の座敷席に通される。
頼んだものがほとんど品切れなのはいいとして、オペレーションが全然ダメ。
回ってなくて注文を取るのに時間がかかるし、頼んだものもなかなか出てこない。
一階から二階に階段をのぼって皿を運んでくるだけの店員に注文を頼もうとしても断られるし。
それが安い焼き鳥屋だと言われたらそれまでだけど。なんだかなあと。
この前の焼き鳥屋はキビキビ注文取ってくれたよ。
21時前にしてラストオーダーということもあって早々と店を出て帰ってきた。