ビジネスモデル研修より

朝から本社で研修。
これからIT業界はどうなるか、この業界で働く者はどう変化していくべきか。
興味があったので聞きに行った。


いろいろと学ぶことがあった。
何がほしいかを顧客に聞いてもだめ。
顧客の行動を見ること。
資料から孫引きですが。


「顧客の「こんなものが欲しい」というのは本当は求めていない。
 彼らが思いもつかなかったモノを提供しなければ売れない」
(スティーヴ・ジョブス)


「アンケートでは必ずヘルシーメニューが上位に来るが、実際出すと全く売れない。
 飛ぶように売れたのは180度逆のメガマック
日本マクドナルド・原田社長)


人は取り繕う生き物、聞かれてもなかなか本音は答えない。
潜在ニーズは実際の行動に隠されている。


例えば、amazon は本屋に出かける、本を探す、購入する、持ち帰る、
感想を伝えたくなる、次に何を読むべきか知りたくなる、
といった実際の「本を買う」というプロセスの観察から
サイトの機能が生まれ、それを洗練させていった。


もうひとつ。
IoT / AI / 自動運転 といった技術革新や
個人上保護法の改正、遠隔医療、民泊法といった社会の変化により
テスラモーターズ、ウーバー、AirBnB といった企業が脚光を浴びる。


その一方で消えていく製品やサービス、企業がある。
ウォークマン、公衆電話、写真のフィルム。
電気自動車の普及率が上がれば、排気ガスのフィルターといった
ガソリン自動車の部品を製造していたメーカーは方向転換を余儀なくされる。
IT業界だと AWSAmazon Web Service 要するにクラウドですね)により、
従来型のセンター運用・サーバ保守の仕事がなくなっていく。


単発の売切型販売であったり、請負や受託型のビジネスモデルだと
この時代厳しい競争にさらされ、いつ顧客から切られていってもおかしくはない。
製品を売って納品したら終わりではなく、
付加価値を高めたサービスとして提供して月額使用料をもらう継続的な関係にしたほうがよい。
ネットワークの普及により低コストの状態監視が可能となり、メンテナンスも容易となっている。
こういったイノベーションは地味でも大きな威力だ。
イノベーションとは案外ちょっとした組み合わせから生まれるものなのだ。


そういった話の中で印象に残ったのは
人は新しく世に登場したもののことは覚えているが、
消えてしまったもののことは気にも留めていないのだということ。
それは「いつのまにか」この世から消えてしまっている。
何年もして誰かが気づいたときに、ああそうだったと。その頃にはもはや手遅れだ。
オレンジカードの払い戻しであるとか、老舗旅館の取り壊しであるとか、
なくなるときにわざわざアピールしてくれるものの方がはるかに少ない。
ああ、あの連載は終わっていたのか。
ここは更地になったけど前何があったっけ?
そんなことを思う暇もない。


世の無常というか、そう、諸行無常
この世界は、何万年、何億年の消え去ったものの残骸で成り立っている。
今目の前にあるものは、この世界に存在したもののほんの一握りなのだ。
どんな製品もサービスも基本は一瞬の命に過ぎないということ。