味覚について

昨日嗅覚のことを書いたけど、
じゃあ味覚はどうなのかというとそちらも覚束ないように思う。
食いしん坊で食い意地が張ってるからと言って優れた味覚の持ち主とは限らない。
細かな味わいの違いはわかってないんじゃないかな。
 
(しかも最近はいろんなものにバッサバッサ七味をかけて食べてるから
 舌が麻痺しかかってんじゃないかとすら思う)
 
これはうまいというときの閾値が低く、
これはまずいというときの閾値が高い。
 
つまり、どんなときもだいたいこれはうまいなあと満足しながら食べている。
しかも夫婦そろって、そう。
案外こういうのが円満に生きていく秘訣なんだろうなあ。
楽しいことなんてない、面白いことなんてない、と
苦虫を嚙み潰しながら生きるということがない。
 
昔夜勤のバイト先に、出された弁当をいつもまずいまずい言いながら食べる人がいて、
生きていて大変だろうなあと。
今どうしてんだろ。
あの当時は結婚してなかったけど今はさすがにしてるかしてたか。
心の中でまずいまずい言いながら奥さんの手料理を食べたんだろうか。
いや、逆に、これまで食べて何がおいしかったのかを聞いてみたい。
面倒見のよい、悪い人ではなかったけど。
 
嗅覚の敏感過ぎる人も大変だろうけど
味覚の敏感過ぎる人もまた生活が大変だろうなあ。
店で食べていても味が落ちたとか、
同じメニューを食べていても日によって味にばらつきがあると落ち着かないとか。
レシピが徹底しているチェーン店の方が落ち着くとか。
 
そういえば僕は、これはまずいと思いながら食べたものって最近あっただろうか。
全然思い出せない。
鼻が利かない人生は幸福か不幸かわからないけど、
何食べてもだいたいうまいという人生はまあ幸福なのだと思う。