先週買ったCD #64:2021/12/27-2022/01/02

2021/12/28: diskunion.net
First Aid Kit 「The Lion's Roar」 \780
First Aid Kit 「Who By Fire」 \1100
 
2021/12/28: ヤフオク
(V.A.) 「Smiling Pets」 \491
 
2021/12/29: BOOKOFF 練馬光が丘店
Carpenters 「As Time Goes By」 \210
菅野よう子 「23時の音楽」 \290
 
2021/12/31: BOOKOFF 練馬区役所前店
Michael Nyman 「The Very Best of Michael Nyman : Film Music 1980-2001」 \510
(Soundtracks) 「8 mile」 \510
 
2022/01/01: ヤフオク
Adventures In Stereo 「Adventures In Stereo」 \80
 
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First Aid Kit 「Who By Fire -Live Tribute to Leonard Cohen」
 
先週に引き続き、レナード・コーエンばかり聞いている。
一人のアーティストがレナード・コーエンの曲だけをカバーするアルバムというものがある。
ジェニファー・ウォーンズの「Famous Blue Raincoat」が定番か。
彼女は若い頃レナード・コーエンのツアーや
「Various Positions」などのアルバムのにレコーディングに参加して
バック・ヴォーカルを担当している。
謳うのは彼女一人だけど、レナード・コーエンに寄り添って歌っているように聞こえる。
 
他にないかなと amzon で探してみたらこのアルバムが出てきた。
全然知らないグループだった。スウェーデンの姉妹のデュオ。
発売は今年だけど、2016年にレナード・コーエンが亡くなって、
その次の年、2017年に行ったトリビュートコンサートを収録したライヴアルバムとなる。
ジャケットには追悼文も載っていた。
レナード・コーエン、あなたの死という出来事に対して
 感じた悲しみを表す言葉はありません。
 あなたが私たちの手にギターを持たせて歌わせようとするとき、
 私たちは決まって ”Susanne” を歌いました……」
 
このアルバムが思いがけずよかった。
Fleet Foxes のようなアメリカのインディ・フォークのようでありながら、
(彼女たちの2枚目のアルバムは Bright Eyes のメンバーがプロデュースしたとのこと)
北欧の神秘的な風景も感じさせる。
木漏れ日を浴びながら深い森の中を進んでいくと突然静かな湖に出て、
湖畔には妖精たちと遊んでいる幼い姉妹がいた、というような。
時々加わるドラムがビートを刻むというよりもドコドコと呪術的だったり、
ヴィブラフォンが効果的に使われていたり、といったところがそう感じさせるのか。
 
一人で歌うこともあればハーモニーを重ねたりもする。
アコースティックギターだけで歌うこともあれば
バンドが付いたり、弦楽器だけになることもある。
ゲストヴォーカルを迎えたり、アカペラになったり、出演者皆で歌ったりと緩急自在。
構成もアレンジも考え抜かれていて飽きが来ない。
今年の新譜の中ではトップ3に入るな。
 
一、二曲歌うと詩の朗読が挟まる。
最初は一人だったのが二人の声がユニゾンで重なることがあってその度にゾクゾクした。
姉妹ゆえの血のつながりがもたらす声のシンクロ感。息が合い過ぎる。
一人の人間の中の二面性が、二人の声に分かれてそれぞれが囁き、叫ぶかのような。
 
姉妹のデュオって特別な魅力があるなあ。
アメリカの Larkin Poe とか。
彼女たちのライヴアルバム「Paint The Roses」も今年のトップ3か。
二人にしかわからないこと、二人の間にだけ流れるもの、
というのが曲や演奏の中に溢れ出すんだな。