昨日、朝霞のカインズに行ったときのこと。
広い店内の棚をひとつひとつ巡っていたら、ふと妻が額縁を買いたいと言う。
僕が描いた絵が出てきて、何とも不思議な味わいがあるから飾りたいと。
帰ってきてその絵を見せてもらう。
2年前の2月、熊本で編集学校のワークショップが開催されたときに
妻が帰省がてら応援に駆け付け、そこに僕もついていった。
その内容は覚えていないが、確かにそのとき描いたもの。
何を描いたのか、自分でもさっぱりわからない。
A4サイズのコピー用紙に何本かのマジックで描いている。
紙の真ん中に青で内外二つの楕円をざっと描いて(右下端が切れている)、
その周りに点々と。点というか短い線を無数に。
そこに黄色いテルテル坊主のようなものをふたつ、
赤いエビのようなものをひとつ、他、緑やオレンジに塗ったものなどを散りばめる。
短い線は波? これは海なのだろうか?
しかし真ん中の楕円は何なのだろう。
その中には点がみっつほど恐らく間違ってつけてしまっただけで
色のあるものは何も置いていない。
空白となっている。
これはその時の僕の精神状態を表したものなのだろうか?
額に入れるとそれなりに様になるのがおかしなもので。
下手や雑がかえって、高名なイラストレーターの手すさびに見えてくる。
自分で言うのもなんだけど。
しかし、ほんと、これが何なのか全く思い出せない。
2020年の2月、今のところ僕にとってこれが最後の熊本帰省となった。
ダイヤモンド・プリンセス号の事件が世間を賑わせていた。
熊本にも感染者がそろそろ出るんじゃないか、という話をした。
あるいは既に出ているだったか。
世の中が大変なことになると心の片隅にありながら
描いた絵なのだと思う。