徳島へ(その2)

 
4日土曜の続き。
 
ロープウェイで阿波踊り会館に戻って1階の土産物コーナー。
「みまから」という郷土料理的な激辛調味料の瓶詰や
「鱧の食べるラー油」「阿波尾鶏の香味油漬」といった、
徳島名産を使ったご飯の友のおしゃれなのを買ってみた。
木工細工や竹細工の阿波踊りの人形もあった。
50体を収めた大掛かりなものは130万の値段がついていた。
 
2階のホールで阿波踊りを見る。専属の連が披露する。
僕らは14時からの回を見ることにした。
センターステージを取り囲むように100人ぐらいは入れる客席が一杯になった。
女性の踊り手が6人、男性の踊り手が4人、三味線が2人、笛と鉦、小太鼓と大太鼓が1人ずつ。
そこに初老の司会・解説の方。
男踊りとは女踊りとはと基本の踊りを実演して、楽器をひとつひとつ紹介する。
途中、体験コーナーがあって客席の僕らも立ち上がり、足の動き、手の動きを教わる。
右足を出す時には右手も出して、左足を出す時には左手も出して、というのが
司会の方は簡単だと言うけれどこれが全然できない。
コロナ前は皆ステージで踊り手たちと混じって、としてたんだろうけど、今は客席で。
しかし、皆で右を向いて前に少し進んで、振り向いて今度は左に少し進んで、としていると
客席の列に沿った列の移動のようになって阿波踊りっぽくなった。
 
阿波踊りはもともとは盆踊りで、少しずつ今の形に近づいて行った。
それが1970年の大阪万博で脚光を浴びてさらにショーアップした。
女性の挙げる手は高くなり、打楽器のリズムも速くなった。
後半は花鳥風月など阿波踊りのバリエーションを。
団扇を持つもの、縦長の提灯を持つもの。
若者たちの好む喧嘩踊りのようなものも披露された。
 
終わって3階のミュージアムへ。
その歴史の変遷を伝える展示や過去の大会のポスター、海外で公演した記録。
変わった楽器の紹介ということで桶を太鼓にしたものやバイオリンも飾られていた。
最後、2017年の映像を見る。
いやー、かっこいいな阿波踊りは。一糸乱れず何百人も進んでいく様にあの迫力のある音。
飛び散る汗、交わされる笑顔。
いつか本場で見てみたいと思ったし、今年の高円寺の阿波踊り大会は見に行こうかと。
阿波踊りのあのリズムを「ぞめき」という。
そういえば久保田真琴が高円寺や徳島で録音した「ぞめき」のシリーズがあったなと
その場で中古を探してオーダーした。
 
阿波踊り会館を出た。
この近くにクラフトビールのいい店があるので飲むか、とBさんが言う。
僕らが飲んで休憩している間、車で来ているBさんがソフトドリンクで待つのもどうかとなって、
僕らはホテルにチェックイン、Bさんは家に車を置いてきてまた出てくるということになった。
徳島駅に出てホテルの前で下してもらった。
 
駅前にはいくつかホテルがあったけど
最上階に温泉があるということで今回はサンルートにしてみた。
3階にフロント。
全国旅行支援を適用して2人で3,000円ぐらい安くなったか。
1人5,500円ほどで泊まることができた。
フロントで身元証明するものと、ワクチン接種済みであることを証明するものを提示する必要がある。
ホテルを予約した時に妻にそのことを伝えたつもりが、妻はすっかり忘れていて
ワクチン接種済みの証明書、写真で撮っているだろうと思っていたら、え? そうだっけと。
練馬区の接種申込のサイトにログインして、でもパスワードが分からなくなって、と大変だった。
後ろに他の客が待っている中、時間がかかってしまった。
受付の窓口が3つあって、両隣とも全国旅行支援の手続きをしていた。
練馬区からの接種受付メールを見せたりとなんとか妻の分も受け入れてもらえて、
二人分のクーポン券も交付された。一人1,000円分。
紙のクーポンを使えるところは少なく、アプリのクーポンの方が使いやすいと説明されて、
部屋に入ってそのアプリを入れて紙のクーポンのQRコードを読み込んだ。
 
Bさんが戻って来るまで30分ほどある。
検索してみたら近くに中古CD屋があると知って行ってみる。
ジャクソンズという店。
大通りを5分ほど歩いて少し脇に入ったところにある小さな店。
妻は入るのを躊躇したくなったというディープな雰囲気。
でも品ぞろえは良かった。
 
Ry Cooder のサントラ2作『The Border』『Alamo Bay』を1枚にしたものがあった。
しかも国内盤。帯付。1,980円。
こんなCDがあったんだ!?
あとで amazon で調べたら、9,800円の値段がついていた。これぞ掘り出し物。
というか、名曲”Across The Borderline” のオリジナルバージョンってCD化されてたんだな。
後のアルバム、「Borderline」に収録されたのも
2枚組サントラベストに収録されたのも後の再録バージョン。
 
他、The Neville Brothers ”Fearless” とライヴ3曲などを収録したミニアルバムの国内盤。
980円。見本盤だけど、まあいいか。
表題曲は名手Bob Clearmountain によるリミックス。
Leonald Cohen ”Bird On A Wire” のカバーも収録されている。
 
「Released! The Human Rights Concerts 1998: The Struggle Continues...」 という
アムネスティ・インターナショナル主催の1998年パリでのライヴイベント2枚組。
メンツが凄すぎ。
Peter Gabriel / Bruce Springsteen / Youssou N'Dour / Tracy Chapman /
1曲目から、Peter Gabriel / Bruce Springsteen / Youssou N'Dour /  Tracy Chapman /
による ”Get Up, Stand Up” のカバー。
これが1,280円。
もっと時間をかけて眺めてみたかったなあ。ジャズやパンク、J-POPの棚はチラ見しただけ。
いつかまた来てみたいけど、そんな機会あるかな。
 
16時半にBさんとホテルで待ち合わせということで急いで戻る。
部屋に買ったばかりのCDを置きに行く。
ホテルの外に出て、古びた、片側だけのアーケードのような商店街を歩き、川を渡った。
入ったのは「Awa新町川ブリュワリー」という店。
新町川ペールエール新町川スタウトといったクラフトビールを飲んで地魚のカルパッチョを。
徳島の海の幸を食べることができてよかった。
川沿いの遊歩道に面していて眺めがいい。少しずつ日が暮れていった。
駅から歩いて10分ぐらいのところにいい感じの飲み屋街があって、
徳島はちょうどいいサイズ感で暮らしやすいところだなと思った。
 
日が暮れて、川辺は青色LEDを使った照明でライトアップされている。
2軒目はもともと行くつもりだった、すぐ近くの焼き鳥屋「鳥ぼん 船場店」へ。
ものすごく賑わっていて活気があった。
ここの焼き鳥もうまかったなあ。つくねに肝、トロ皮。
だし巻き卵に麻婆豆腐も。
21時過ぎまで飲んでたかな。2軒で4時間以上。
22時ぐらいにホテルに戻ってきたか。
全国旅行支援のクーポン券を使える店が周りに少なそうだったので
ホテルの下のコンビニで缶チューハイなど買って使った。
 
最上階の温泉に入りに行く。
ルームキー以外は手ぶらで行って
受付でタオル、バスタオルと履物のロッカーの鍵をもらうというスタイルがいい。
ビジネスホテルの大浴場だと、スリッパ置き場だけというところが多い。
それだとたまに別の人が僕の履いてきたスリッパを履いていってしまう。
そんなことがないのがうれしい。
温泉は茶色いお湯だった。珍しい。
露天風呂もあった。
 
部屋に戻る。
各階に製氷機が用意されているのもいい。
お笑い向上委員会を見て、
ジャクソンズで買ってきたCDの解説を読んでいるうちに寝落ち。
1時に布団に入った。