ワクスタというもの

この1・2年、僕もワクスタ(Work Styling)を利用するようになった。
ありがたいことに会社で契約しているので、僕が支払うことはない。
とはいえ使い放題ではないが。
 
昨年の札幌の案件で使い始めた。
2泊3日の出張で金曜に帰るという時、
札幌在住の同僚がその日リモートワークだと事務所が空いていない。
空港に移動する前の2時間ほどを利用する。
知らずに初めて利用した時にびっくりした。
ホテルの中だというのでそういう個室のオフィスがあるのかと思ったら違ってて、普通にホテルの一室だった。
ベッドもバスもある。これは快適だ。
しかしその2時間ベッドでダラダラしていられるかというとそれはなく、そんな日に限って忙しい。
出る前の10分間ほど、半ば儀式的に持ってきた文庫を少し読んで部屋を出た。
札幌出張も最後の頃、15時からの大浴場を利用してすぐ出て空港へ、というぐらいか。満喫と言えるのは。
 
あるとき間違えて札幌駅前のもうひとつのワクスタをとってしまった。
そちらは個室タイプ。
それはそれで、仕事をするには快適だった。
飯田橋の顧客のオフィスに常駐していた頃はこの個室タイプのワクスタがビルの中にあって、
誰がこんなの利用するんだろ、カッコつけてんなあと思っていた。
コロナ禍を経て、リモートワークが進んで、世の中は変わった。
 
今、2つの案件を掛け持ちしていて、1つが対面ですぐ後にリモートで打ち合わせとなると
顧客のオフィスの近くのワクスタを1時間とか2時間とか利用する。
東京駅近くにサテライトオフィスがあるのでそこに行ってもいいんだけど、
会議室が足りなくて皆、仕切りのない席でリモート会議をしていて、声がうるさい。
僕に聞こえる周りの声というよりも、リモート会議で僕の声を聞いている人たちが、僕の声の背後で聞く声。
 
今月に入って八重洲や六本木のワクスタを利用した。
個室だけじゃないんですね。
オープンスペースでノートPCを広げている人も多い。
外国人も多い。
スーツの人は少なく、場所柄か僕以外の人たちが皆かっこよく思えてしまう。
実際何かしらイケてる、仕事できそうな服を着ている。
なんかよくわからん横文字の職業なんだろうなと思う。
人は人、自分は自分と思いながら個室に閉じこもる。
 
都内にホテル型のワクスタないのかな。
あったらこっそり使いたいなあ。
 
出社か客先か、自宅でリモートワーク。
それだけだったのが、間にワクスタという選択肢が増えた。
それは不幸なことなのか、幸福なことなのか。