スーパー銭湯へ

紆余曲折のありすぎた要件定義フェーズがようやく終わって、ひと段落。
午後休みを取って近くのスーパー銭湯へ。
ずっと行きたかったんですよね。
お湯の中で足を伸ばしてゆっくりしたいと。
でもこのコロナ禍で温泉や先頭に行っていいのだろうかという思いもあり……
緊急事態宣言が出ていた頃はこのスーパー銭湯の駐車場もガラガラだったのが、
解除されてからは徐々に戻って来て今は普通になっただろうか。
そろそろいいかなと。
 
この日は東京の最高気温は35℃。汗だくになって歩いた。
平日だから空いてるだろうと思いきや、かなり混んでいた。
露天風呂の周りの椅子はどれも埋まっている。
若い人はほとんどいない。50代か60代か。
もしかして仕事が無くなってここで過ごしているのか。
平日に来たことがないのでコロナ禍で客が増えたのか減ったのかわからないけど。
もしかしてむしろ増えたのか。
 
露天風呂のテレビもサウナのテレビも
その後食堂に入ってそのテレビも
ずっとワイドショーでは伊勢谷友介逮捕の件。
詳しくなってしまった。
教育をライフワークにしようと渋谷に設立した高校の学長になったとか
東北大震災の後、福島第一原発の近くで全村避難となった飯館村の小学生のために
卒業式をプレゼントしようと奔走したとか。
その一方で昼と夜は別の顔をもっていて女性への暴力がひどかったとか。
ワイドショーでは以前自宅を取材した時の映像を探し出してきて、
この引き出しに大麻が入っていたのでしょうかと丸で囲む。
 
生ビールを飲みながら焼き鳥や唐揚を食べる。
本当なら無料の座敷でゴロゴロしながら本を読むつもりが、
混んでてそんなに空きはないし、それこそ密は避けたいしで
眠くなってきたところで家に帰ることにした。
たまたまなのかマスクせず過ごしている人が案外多いんですよね。
 
家に帰ってきて、妻がライフと島忠に行くのについていって、
その後にリビングのソファーで昼寝。
気がついたら日が暮れて夜になっていた。
そんな日もあるか。
夏の暑いのも今日が最後かも、と思いながら露天風呂に入る。
時々吹き抜ける風が心地よかった。

最近のみみた

猫が食べ物をせがむのは腹が減っているからというよりも
飼い主から食べ物をもらうというのが嬉しいからなのだと聞いた。
なので食いしん坊の猫は食べ物を少しずつあげるのがよいのだと。
うーむ、みみたもそうするべきだったのか。
というか、在宅勤務になる前の給餌機を使っていた頃、
給餌機の穴に腕をガシガシ突っ込んでカリカリをほじくりだしていたのは
給餌機を飼い主だと思っていたのか。
猫は首から上を人間という生き物と捉え、
首から下はただの台だと思っているのだという……
 
真夏の時期も過ぎつつあるが。
朝バルコニーに洗濯物を干すとき、網戸を空けているとこっそり外に出て
ゴロンゴロンと木製の床の上を転げ回るのがみみたは好きで、
一年中その機会をうかがっているんだけど、
8月はバルコニーの床がさすがに熱い。
この前灼熱のような猛暑日に恐る恐る前脚を下ろしてみたらすぐ「ぷぎゃー」と逃げ帰った。
足の先をペロペロしてて、見ててなんだか悪いことしたなと。
火傷には至らなかったようだ。
その後しばらくは日の出ている間はどんなに網戸を空けていても外に出ようとしなくなった。
しかし日が暮れて風が涼しくなったときに洗濯物を取り込もうとすると
いそいそと出てきてまたゴロンゴロンする。
猫は賢い。
 
外に出すつもりはないのに出てきたのを見つけたときは
抱きかかえて中に戻す。
もっと外で遊びたいのにと立ち上がって僕の足を両手でペシペシして噛みつく。
爪とぎに向かってバリバリする。
本当は外で自由に遊ばせたいが、そうもいかない。
逃げ出さないように壁や屋根で覆われているならばいいんだろうけど。
 
最近のみみたは夜中ボールを咥えてきて投げてとエンドレスで遊ぶことはなく
僕が寝ている側にやってきて、添い寝しようとする。長い間そのまま寝てる。
夜行性じゃなくなったのか。いや、僕が目を覚ますころ戻ってくるのか。
今それがブームなのか。それともおっさんになって昔ほど体力がなくなったのか。
みみたも4年目が近づいて人間の年齢で言えば30歳ぐらいになる。

08/31-09/06

08/31(月)
 
寝てて少しは涼しくなったか。
朝目が覚めて風が入ってくるのが気持ちいい。
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。
ここ数日は熊本から送ってもらった梨を剥いて食べている。
妻が感門之盟用に iPhone で動画を撮影するのを手伝う。
 
昼は蕎麦を茹でる。
この日は夕方に打ち合わせがひとつのみ。
淡々と定時に終わる。
曇りの一日で気温が上がらなかった。窓から入ってくる風が気持ちよかった。
家族に乾杯のゲストが吉岡里帆で北海道の総集編。
その後酒場放浪記のあとでしゃべくりを見ていたら
後半のゲストがバドミントンの桃田賢斗吉岡里帆が大好きなのだと。
ビデオレターをもらっていた。
 
妻が帰ってきて動画を撮り直す。
夜はご飯を炊いて納豆ご飯と味噌汁。
町中華で飲ろうぜは三鷹と吉祥寺。
昨年か一昨年に入ったハモニカ横丁の「珍来亭」が出てきた。
午前0時半前に寝る。
 
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09/01(火)
 
涼しいを通り越して、このままだと風邪を引くと夜中目が覚めて窓を閉じた。
5時過ぎに目を覚まし、みみたにせがまれてカリカリをあげる。
しかしその後すぐ吐いた。猫草を食べたわけでもないのに。
昨晩また出汁を取ったパックを捨て忘れてみみたに食べられてしまったことを思い出す。
 
この日は有給。7時半起きでゴミを出し、縄跳び、クッション腹筋。
コーヒー、梨を向いて食べ、スムージー
9時に家を出て新宿へ。カメラのキタムラで iPhone のバッテリーを交換しようと。
しかし担当の方が診断してみると特に故障はないとのことで様子見となった。
メトロ食堂街が閉館とのことで万世のカレースタンドでパイコーカレーにコロッケを足して食べた。
帰りに豊島園に寄ってみる。閑散としているかと思いきや入口奥が大行列。
グッズ売り場が期間延長して営業しているのだという。
涼しい日なのでとしまえんから歩いて帰る。
LIVIN に寄って、妻から頼まれたスムージー用の果物を買う。
 
網野善彦宮田登の新書の続き。
Residents のドキュメンタリー『めだまろん』を見る。
ボーナスコンテンツに初期の映像作品の抜粋や
Chris Cutler らのインタビュー。それだけでも買い。
常に最新のテクノロジーを取り入れた作品をつくるなど
Residents の先進性がよくわかった。
90年代には大真面目にマルチメディアな CD-ROM 作品を発表してたなあ。
 
なんかどこか疲れている。
夜は回鍋肉と味噌汁。
鑑定団。猫歩きはロマンチック街道。
23時過ぎに寝る。
 
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09/02(水)
 
7時起き。今日も涼しいか。
縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。
妻が梨を剥き、スムージーをつくる。
朝イチの打合せがスムーズに進んで一日がそれで終わったような気になる。
昼、おろしそば。
日が出てくると暑くなる。
 
17時頃どこかで目覚まし時計が鳴りだして止まらず。
あれはサイレンだったのか消防車が2台。
隣のブロックのマンションの前。
しかしいたずらだったのか火も煙も出ていない。
定時上がり。
夜は鶏叉焼とカマボコの炒飯。
網野善彦宮田登の新書の続きを読むなど。
転向したマルクス主義者が歴史学民俗学に入ってくることについて。
寝たのは午前0時前。
 
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09/03(木)
 
朝3時頃か、大雨で目が覚める。
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。
先週末か左手首近くを蚊に刺されてまだ腫れている。痒い。
どんな蚊に刺されたのか。
 
見積提出に向けた打ち合わせが19時以後。
稼働調整のため長めの昼休み。
夏の公園を歩く。
昼はLIVINのかき揚げと白身魚フライ。
 
夜は妻が伊勢丹の地下で買ってきてくれた串カツ。
ダークサイドミステリーは武田泰淳ひかりごけ』について。
昨年読んだ本の中では一番の衝撃だったな。
些細なことから妻を怒らせ、寝たのは午前2時。
 
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09/04(金)
 
7時過ぎ起き。寝たのが2時なので眠い。
縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。梨を剥いて食べる。
顧客への見積提出。それに向けての社内レビュー。昼休みをつぶして。
主担当ではないけどバタバタする。
昼、妻の用意してくれたレトルトの漬け丼と澄まし汁。
澄まし汁は梅干しが入っている。
今日は本格的に暑い。
 
定時過ぎに終わって明日の妻のイベントのリハーサルに立ち会う。
映像を流すところを3か所。
終わって昨日妻が伊勢丹で買ってきてくれた焼売を温めて食べる。
新日本風土記は踊りがテーマ。福生のディスコ。福島のフラガール
例年朝まで続く郡上踊りは今年、オンラインで。
ダウンタウンなうは MIYAVI にハイテンションなマリアン母娘。
おんな酒場放浪記。
タモリ倶楽部は世界各地のスナックの日本人ママとオンライン飲み会。
モスクワとシンガポール
シンパイ賞にタイムマシーン3号
 
後輩が提案書の作業をしていて手伝うこともあるかと酒はほぼ飲まず。
そうすると寝落ちしないですね。
 
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09/05(土)
 
7時起き。
縄跳び、クッション腹筋。梨を剥く。
昨晩遅くまで後輩が提案書の作業をしていて、その状況を確認する。
9時より妻のイベントの準備。リハーサルからそのまま本番へ。
12時過ぎまで。アフタートークに入って抜ける。
リビングのソファーで横になる。
 
妻をねぎらうため、昼を食べに行く。
2年前ぐらいにできた「がってん寿司」に入ってみる。
チェーン店の回転ずしかなと思いきやネタがよく、清潔感があった。
さんま、サーモン、揚げネギを乗せた紋甲イカなど。
海苔の味噌汁がお代わりしたくなるぐらいうまかった。
一昨年入ってみたK寿司よりも断然いいな。
 
やまやに寄って缶ビールを買う。その後ライフへ食材を。
妻はここ数日ほとんど寝ないで準備を続けていて、帰りつくなりダウン。
CDの解説を読んだりイタリアの再放送を見て過ごす。
Yellow Monkey『9999』の特典ライヴDVDをようやく見る。
アルバムのメイキングが後半。
昼の寿司が案外腹にたまって、夜は赤いきつね焼うどん。
おもてなすを見る。ダイアンとラバーガール
きじまりゅうたの小腹は前田敦子
お笑い向上委員会を見て寝る。
 
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09/06(日)
 
真夜中に大雨。窓を開けたままにしていたため部屋の中が濡れる。
寝ているところを妻に言われるが、夢うつつ。
明け方引き続き雨が降っていただろうか。
8時半起き上がる。
提案書の状況を確認する。
クッション腹筋、コーヒー。
 
10時、外壁塗装の件で周りの家に挨拶に行く。
既に担当の方が一昨日あいさつ回りをされていたと聞く。
11時、その担当の方が来て壁の色をどうするかなど少し打ち合わせする。
街録、イタリアを見て、Lazy Sunday 
昼は今週もドライカレーをつくる。今回はトマト缶を入れる。
雨が降ったりやんだりで何度か取り込んだり、外に出し直したり。
何度か練馬区に大雨注意報が出る。
 
Lazy Sunday が終わって、雨の止んでいるうちにライフやタワレコへ。
笑点世界遺産はベルギーの運河。高低差があるため垂直に船を運ぶ。
モヤさまは小平。一橋学園や鷹の台。
なにやが取りあげられ、玉川上水を歩く。
麒麟が来るは延期。NHK では台風情報を。
避難所もコロナ対策で定員が少なくて、など。
 
ヤフオクNeil Young Original Release Series Disc5-8 をようやく落札。
10,800円は安い。セカイモンでは倍以上になったので破格。
意外なことに僕しか入札しなかった。
23時過ぎに寝る。東京も雨。

晴れ男、雨男

僕は基本晴れ男で、ここぞというときに雨が降って困ったことはそんなにない。
小学校の運動会は雨が降ってほしかったが……
妻や妻の友人は僕が晴れ男と知ってるので、
明日一緒に出かけるというときは明日の天気お願いしますと冗談でよく言われる。
実際、天気予報を覆してピンポイントでその時間帯だけ晴れたということもある。
 
住んでいる家の外壁と屋根を塗り直すことにした。
築10数年となって壁のあちこちにひびが入っている。
水漏れして内側に入り込んだらかなり家が傷んでいくことになる。
昨年一度近くの塗装業者に依頼したらけっこう高額な見積が出てきた。
どうしようかと思っているうちにバタバタしてそれっきり。
最近になってやはり今年のうちにやろう、早い方がいいと話していると
なぜかそれを聞きつけるのか、外壁塗装の会社が何社か営業に来るようになった。
多くの場合は近所の家が塗り直すので挨拶がてら回ってるというもの。
 
仕事中で忙しくしているところにピンポーンと鳴って、出てみたらそういう会社のひとつ。
新人なのだろう、一生懸命覚えてきたセリフをつっかえつっかえ話すのを聞かされて
そんな暇ありませんと怒って家に戻ったりした。
そんな中、とある会社の方はベテランで物腰が柔らかく話に説得力があった。
試しに見積をとってみたら昨年の見積よりも安く、
どういう素材を使うのか、この家の場合どこが作業するときに大変なのか、説明が丁寧だった。
よし、じゃあここにしようと決めた。
来週末から始まるというので、僕らも今日の午前中近隣の家に挨拶に行った。
 
前置きが長くなったが、この担当の方が相当な雨男で
彼の来る時だけピンポイントで土砂降りになる。
金曜の夕方も練馬区に大雨予報が出てバケツをひっくり返したように降った一瞬、
15分の間だけ家に来て帰った後で晴れ間が見えた。
今日もそう。洗濯物を外に干し終えて、ふと iPhone を見ると練馬区の大雨予報。
慌てて取り込んで中に干そうとしていたらピンポーンと鳴って担当の方が。
もともとその時間帯に打ち合わせで来ることにはなってたんだけど。
傘を差しながら外で壁の色をどうするかなど話し終わった後で雨が止んだ。
彼が最初に来た時も梅雨の終わりの小雨が降った日だったな……
 
しかし、外壁塗装の業者で雨男だったら大変だろうなと。
多少雨が降っても工事は行うんだろうけど、
雨が原因で工期が伸びたとしても僕らの支払額が増えるわけではなく。
彼らが下請けの塗装業者に払う額やその他の経費が増えることになるだろう。
基本晴れ男じゃないとダメな業界なんじゃないか。
それで長年やってんだろうから彼はすごいな、と妻と話す。
その一方で昼を食べ終わった後にまた曇りだして、
○○さんがこの地域を回ってるんじゃないかとも……
 

弱い橋をつくる

おかげさまで妻がメインナビゲーターを務めるオンラインイベント
『【イシス祭@熊本】来て見てはいよ! 熊本「朝見世」モノヒト語り』
が無事、本日昼に終了。
妻や友人たちが集客をがんばって、当初の定員をオーバーすることに。盛況でした。
 
熊本城の城下町で「毒消丸」を商って100年以上続く老舗の「吉田松花堂」と
イタリアの職人たちのつくる高級な服や鞄を扱う銀座の「HIKO」
ふたつの店を重ねて熊本というもの、店というものを語るという試み。
ここでしか聞けない話ばかりとなって有意義な時間になったと思う。
 
最後に登場したのは熊本市在住のM君。
仕事の合間を見つけては
7月初めに起きた県南地方の豪雨災害のボランティアに出かけている。
facebook で毎日のようにそのことを書いていて、状況がリアルに伝わる。頭が下がる。
その報告が少しなされた。
 
あれから2カ月経過。
町全体がまだ、泥と下水の混ざった臭いがして真夏。いまだそれがきついという。
人付き合いの盛んな人の家はどんどんボランティアに手伝ってもらってきれいになりつつあるけど、
お年寄りの家などはボランティアにも頼みにくく
家の中の泥や外に捨てられたものがまだ全然片付いていない。
そういう格差がどんな所にもついて回る。
 
こんな話があった。
日本の三大急流のひとつに数えられる球磨川
林業が主要産業ということもあって頑丈な橋があちこちに架けられている。
その頑丈さが仇になって上流から流れてきた岩や車といったあれこれが橋に引っかかって、
溜まりに溜まってその重みに耐えきれなくなって壊れる。
それが付近の家に甚大な被害をもたらす。単に大量の泥水が溢れるのではない。
少なくとも3か所の別々なところでその話を聞いたと。
 
これまでの日本は、特に昭和の時代の建築物というのはより強く、頑丈にという考えでつくられてきた。
M君は、あえて脆い橋をつくるほうがこれからの時代に合うのではないかと言う。
トラックは通ることができるが、集中豪雨のような強い圧力のかかったときには自ら壊れる橋。
実現するのは工学的にかなり難しいだろうし、代わりにダイナマイトを置いておくというわけにもいかない。
でもその発想はありだな、と思った。
 
M君は facebook でも数週間前にそのことを書いていて、読み返してみたら
車が通るなどの上からの圧力にはこれまで通り強く、
川の流れなど横からの圧力にはあえて弱くつくることができないかと。なるほど。
それだったら実現の糸口は見えてくるだろうか……
人々が腕を組むように必要な時はしっかり結びついて
危険な時には腕を離し合えるというような。
そういう橋。弱いを前提とする橋。
 
九州には大型の台風10号が近づいている。
今朝、熊本の店では養生テープやミネラルウォーターなど様々な物資を買う人たちでレジが行列になっていたと。
災害に備えるために買っておくといいものを聞かれたときにM君が答えていたのは
スマホを充電するバッテリーと水を溜めるためのポリバケツとのこと。

蚊に刺される

先週末ぐらいに蚊に刺された箇所が一週間経っていまだに赤く腫れて痒い。
普段だと3日ぐらいで治まるんだけど、今回はよほど強力な蚊に刺されたようだ。
左手首の裏。血管が皮膚に近くて体温が高いのかよく刺される。
 
子供の頃青森で育ったときに刺された蚊と
最近東京で刺される蚊は明らかに別物だと思う。
前者は白っぽくて、殺虫剤メーカーなどのサイトで調べると「アカイエカ」なのか。
刺されるとそのまますぐ赤くボヤーッと広がる。
後者は黒くて「ヒトスジシマカ」いわゆるやぶ蚊。
刺されるとその箇所がまずは白くて小さな円型に腫れて、それがやがて治まって、
その後赤いブツブツのように盛り上がる。さほど広がらない。
こういう反応は個人差があるか。
 
80年代前半、小さい頃は蚊に刺されまくってたなあ。
神社に夜店が出るというので行ってみる。
花火を買ったので家の前にバケツを持ってきて楽しむ。
虫よけスプレーというものがまだ一般的ではなく、
蚊取り線香があるだけだったから、少し外を出歩くだけで何か所も刺された。
足に腕に赤い水玉が浮かび上がるような。
そこにムヒを塗りまくる。
 
そういえば、僕の周りがそうなのか東北全体がそうなのかわからないけど、
蚊帳を吊って寝るという習慣がなかった。
生まれてこの方、テレビでしか見たことがない。
涼しげなイメージを抱いていた。
実際どうなのだろう。
豚の蚊取り線香を脇に置いて、その大きく開いた口から煙が出ている。
小さな子の寝る側で母親が内輪で静かにゆっくり扇いでいる。
 
そうだ、蚊ではなくブヨに刺されたころがある。
中学生か、高校生か。山奥の村にある母の実家で夏休み過ごしていた時。
踝の辺りが赤黒く腫れて、蚊とは比べ物にならないぐらい痒かった。
このとき従姉妹のお母さんがどくだみの葉っぱをむしってきて、
これを塗るといいと言われたのを覚えている。
直接貼ったんだったか、すりつぶしたんだったか。
なんにせよ治まるまで一週間以上かかった。
夏が台無しになった気がした。
 
蚊が媒介する伝染病で亡くなるというのが今も
全世界での死因のトップだったか。
蚊をなくせたら夏は過ごしやすいのだが、
絶滅したらどんな生態系が壊れるというのか。

夏の終わりの一日

仕事も落ち着いてきたので
今日は気分転換に長めの昼休みをとることにした。
在宅勤務ならでは。
 
駅ビルに用があったついでに遠回りして公園の中を歩く。
ここ数日雨が降って涼しかったが、また暑くなってきた。
雲の切れ間から日が出てくると途端に容赦なく照り付けてくる。
 
野原の広がる広場にはところどころこんもりとした大きな木々が立っていて
涼しげな木陰をつくってくれる。
遮るものなく自由に育ったという感じがして、
生い茂る葉の形作る傘の下にいると束の間いろんなことを忘れることができる。
 
その木々を伝って広場を横断する。
少し離れた向こうには大がかりな建て替え工事の続いていた
ごみ焼却場の白い煙突がまっすぐに聳え立っている。
2年ぐらいかかっただろうか。
 
つい数週間前に完成したようで、
それまではてっぺんをぐるりと作業用の足場が取り囲んで
高さが伸びていくのに合わせていたのが、
今は少しずつ下りながら皮を剥くように
その表面を覆っていた灰色のカバーをはがしていって、
生まれたてのきれいな真っ白な壁が
日々下へ下へと露わになっていっている。
そんなふうにしてお披露目するものなのか。
 
東京23区の清掃工場は定期的に内部の見学会を開催している。
入ってみたいが、当分は人気があって抽選も当たらないだろう。
 
青い空、白い雲、緑の木々。
日差し。時折吹き抜ける風。
広場を渡り終えて公園の真ん中を貫く大きな道を歩く。
木陰のベンチにお年寄りの夫婦が座って一息ついている。
売店の席に座って缶ビールを飲んで笑いあっているお年寄りたちもいた。
こんなに暑かったら幼稚園児が散歩することもないのだろう。
あとは買い物帰りの主婦が自転車で通り過ぎるぐらいか。
 
公園の入り口に差し掛かると清掃工場の煙突がとても大きく目の前に立つ。
コンクリートで覆われた小さな広場は階段状になっていて、
上った先にマットを敷いてドレッドヘアの若い男性が上半身裸で寝そべって
小さな音でレゲエを聞いていた。
この広場は土日は少年たちがスケボーやモトクロスを練習していて、
少し上の世代の若者がたまに助言をしているのを見かける。
 
この夏がこんなに暑いのもあと1週間か2週間ぐらいか。
返ってきて仕事に戻る。
午後一瞬だけ、バケツをひっくり返したような雨が。
こんな雨が増えると秋も近づいてくる。