西荻窪→東高円寺

昨日、8日(日)のこと。
この日は先日書いたケンの奥さんが演出する芝居の公演を見に行った。
(なんだか今年のゴールデンウィークはケンに会ってばかりだ)
「蜘蛛」というタイトルで場所は西荻窪「遊空間がざびぃ」
この劇場のプロデュース公演だった。
http://homepage3.nifty.com/gazavie
終戦直後の東京。お互いに「過去」のある男女が一緒に暮らし始めるが、
実は男の素顔は連続殺人鬼であって・・・、という内容。


ケンと待ち合わせて会場入り。
ケンは終わってから奥さんに渡すのであろう、駅前の花屋で花束を買っていた。


(中略。いろいろあってここ、削除することにしました。
 関係する皆様、すいませんでした)

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これから新幹線で青森に戻るというケンとどこかで食事を、ということになる。
気になるカレー屋に行ってみたらランチの時間が終わって店を閉めていた。
そのまま路地裏を歩いているとジャズが聞こえてきた。
近くまでいってみると「Riddim」という店で、
15時からアルトサックスとベースのデュオが演奏すると貼り紙がしてあった。
アルトサックスは女性で、ベースは外国人の男性だった。
中に入ろうとすると店員が出てきて、ライブなのでチャージを取ることになりますと言われる。
外のオープンカフェにいる分にはチャージが取られないそうなので、
じゃあと外の席に座ることにする。音も十分聞こえるし。


僕はギネスを飲む。
リハーサルが終わって15時になるのに演奏が始まらない。
かわいそうなことに中に客が1人もいなかったりする。
15分ぐらいしてから演奏が始まった。店員相手に。なんだか残念なことだ。
思わず聞きほれるほど鬼気迫る演奏というのでもないが、そんな悪くはなかった。
オープンカフェでジャズの生演奏が聞けるとは西荻窪っていいとこだな、と思った。
1曲終わって店員が拍手。2曲目が終わって僕らは店を出た。
貼り紙に書かれた名前をなぜか覚えていて、アルトサックスは池田美和子という人だった。


こういう場所で何気なく聞くジャズなら、デュオ形式が一番いい。聞きやすい。
サックスとベースか、ピアノとベース。

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夜は久しぶりに「千鳥格子」のライブを見に行く。
もしかしたら「29」の撮影をしていた去年2月ごろ以来かもしれない。
場所は東高円寺駅近くの「UFO CLUB


1年振りに見た率直な感想として、
レベルアップは格段になされているが、スケールのアップは?と思った。
演奏力そのものは向上している。
特にドラムのタニグチ君。3年前に初めて見たときとは全然違う。
野獣のように叩きまくっているように見えて、しなやか。
楽曲のアレンジ能力も上がっている。
ギター、ベース、ドラムのコンビネーションが
ありそうでなかなかない摩訶不思議なものとなり、
千鳥格子にしかない曲、曲調というのがしっかりと形成されている。
同じ曲でも毎回毎回アレンジが異なる。
曲が会うたびに別な表情を見せる。進化している。


が、伸び悩んでいるようにも見えた。
(「オカムラさんが真ん前に立っていたので3人とも緊張しました」と言ってたが。
 それが原因だとしたら大変申し訳ない。僕は一番前で腕を組んで微動だにしなかった)


これまた僭越ながら「何が足りないのだろう?」と考えた。
何が弱点なのだろう?


すぐわかった。
ナイトウ君のボーカルだ。
悪いわけではない。
ナイトウ君の歌い方というのがもう最初の頃からはっきりと確立されていて、
1つの味になっている。
・・・のであるが、巻き舌・舌っ足らず系の歌い方だと
何を歌っているのかさっぱり聞き取れない。音程も不安定になる。
この危なっかしい感じがいい、という極みにはまだ達してなくて
まだどことなく照れ隠しが入っているように僕は思う。
端的に言ってモゴモゴしている。
これはもったいない。
いい歌メロを書いてるのに。
そしてそれを聞かせるだけの高いアレンジ・演奏能力があるだけになおさら。
(歌詞のない叫び声になるとナイトウ君やたらかっこいいんだけどね)


千鳥格子の3人の求めているものと違っていたら大変申し訳ないのだが、
僕だったらこうしたいなあというのがすぐ思いついて、それは、
女性ボーカルを入れること。
コーラスじゃなくてフロントとして。
クリアな声を持った人がナイトウ君のメロディーと歌詞を歌う。
系統としては陰りのあるブルース系の人。探すの難しいけど。
そしたらこのバンドかなり大化けしそうな気がする。


ナイトウ君とツインボーカルで。
最後から2番目にやったアコースティックな感じの曲は
女性が歌って、ナイトウ君もコーラスで入るというふうにしたら
涙ものの名曲になりそう。


現実的じゃないかな。というか方向性と違うか。
3人でこんなふうにやってるだけで満足ですというのなら、それはまたよし。
でも「もっと多くの人に聞いてほしい」とか
「あわよくばCDを出したい」というのなら
ちょっと考えてみてほしい。
ほんとに女性ボーカリストを入れるかどうかは別として。