僕の音楽遍歴 その3(中学校1年)

中学校に入った頃から、いわゆる歌謡曲からバンドものに興味を持つようになる。
そうは言っても青森市の北の外れに住んでいる少年の元には
そんなに多くの情報が集まってくることは無い。
結局はベストテンやトップテンが頼りとなる。
クラスの女の子の中には「明星」なんかを読んでる子もいたが、
さすがに男の子の僕がそういうのを読んだりはしない。


中1の冬、お年玉でカセットテープを買いに行ったことをよく覚えている。
雪が降っている寒い日だった。
青森市の駅前の商店街にある「成田本店」の地下にある
「PAX」という小さなミュージックショップ(今でもある)。
86年から87年にかけての頃。
CDはチラホラと出回り始めぐらいのものでしかなく、
レコードもまだ売られてはいたものの、当時はカセットテープ全盛時代。
壁一面がカセットテープが埋め尽くされていた。


これからはバンドの音楽を聞こうとして僕は何を買うか迷った。
長いことウロウロしてあれこれ考えた末に2つに絞られた。
TM NETWORKSelf Control
レベッカ「Poison」
どちらも当時かなり話題になっていたと思う。
どちらを買うべきか本当に迷った。決め手に欠けていた。
結局買ったのはレベッカの方で、特に理由は無かったように思う。


強いて言えば「Self Control」には
一躍 TM NETWORK が有名になった「Get Wild」が入ってなくて、
知ってる曲がないというのは心細かったからではないか。
ステージの上にコンピューターやキーボードを山のように積んで
囲まれた中で演奏する小室哲也を見て「なんだこれは?」と度肝を抜かれた。
その頃僕が最も興味を持っていたものが
いわゆるマイコンとかパソコンとかだったからものすごく気になった。
それでいて「Get Wild」がコンピューター音楽っぽいものではなくて
肉体的で疾走感がありつつもシャープな楽曲だったからその落差が印象的だった。
コンピューターやキーボードを山のように積むというのは何も
小室哲也が初めて導入したことではなくて
Y.M.O. が既にやっていたことなんだけど、その当時の僕は Y.M.O. なんて知らなかった。
Rydeen」ぐらいはは聞いたことあっただろうけどね。
(それにしてもその後の、90年代中頃の小室哲也の活躍には驚かされた。
 「業界をサヴァイヴ」って感じで。最近見ないけどどうしているのだろう?
 どうでもいいが、華原朋美が同い年だということを知って最近複雑な気持ちになった)


そんなわけでレベッカと出会った僕は「Poison」の世界にどっぷりと浸かった。
雪が降り積もり外に出ることの無い冬休み、毎日毎日繰り返し聞いていた。
あのアルバム独特の暗くて儚くて、だけどグラマラスな雰囲気ってのが
僕の音楽的趣味の方向性の確立に一役買っていたように今では思う。
「Time」や「Rebecca Ⅳ」ではなくて、あくまで「Poison」
他のアルバムももちろんいいんだけど、
出会ったのが「Ⅳ」だったらあれほどまで好きにならなかったと思う。


その後遡って昔のアルバムを聞いていった。
当時青森市の安方の方の商店街に、元々はレンタルの店なんだけど
カセットテープをテープ代込みで千円ぐらいでダビングしてくれる店があって、
気の利いた音楽(ロック)がたくさん並んでいた。
元のテープの表紙や背表紙もきれいにコピーしてくれる。
そこに行く度に僕はワクワクしていた。
レベッカの昔のはそこでダビングした。
ボウイや尾崎豊大江千里なんかも一緒に。
ボウイはかっこいいと思ったものの、それほどはまらず。
「Marionette」も、それの入っていた「Psychopath」も気に入っていたんだけど
まあなんというか僕にはかっこよすぎたんだろうな。
カセットテープで買った「Last Gigs」は一頃愛聴していた。
中学校の友人たちに貸したら回り回ってなかなか返って来なかった。
(それにしても「Instant Love」って昔から手を変え品を変え再発されすぎだよな)
なお、尾崎豊はあんまりピンと来なかった。
周りでは好きな人が多かったけど。

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当時レベッカ並みに聞いていたのがバービーボーイズ
チェッカーズを聞いていた従姉妹が次にのめりこんだのがバービーだった。
当時青森でもものすごく人気があった。理由はよく分からない。
新聞に毎週青森市青森県のシングルチャートが載っているのだが、
その年は1年間ほぼ1位をバービーボーイズが独占していた。
「なんだったんだ!?7 days」の次が「女ぎつね on the run 」で
さらにその次が「チャンス到来」入れ替わり立ち代り1位を奪取。


かっこよかったなあ。。。
時々僕は書くんだけど、バービーボーイズって日本語ロックの
ある意味頂点の1つのバンドだと思っている。
今でもそう思っている。
なんでもっと評価されないんだろう?
男女の色恋沙汰しか書かない歌詞って
あの頃はそれが当たり前のように思って聞いてたんだけど、
当時のロックでは他に無かったし、今に至るまでありそうでなかなかない。
あのレベルまで徹底したものは。
それにあのギターのフレーズ、楽曲のセンス。
(前にも書いたし、キリがないからこの辺でやめます)


ライブを見てみたかったバンドの1つだ。
「Break」「Listen !」と「Black List」は今でも普通に聞ける。
思い入れもたぶんに有るんだけど、
20年近く経った今でも全然色褪せてない。。。
それと同時に80年代後半の雰囲気も真空パックされている。
明日書くことになるブルーハーツの方がもっともっとのめりこんだんだけど、
今となっては聞くことがない。
だけどバービーなら普通に聞ける。