ウォークマンというもの

今日7月1日は「ウォークマンの日」であるという。
1979年、SONY の初代ウォークマンが発売されたのがこの日。
 
僕も小さい頃、一番欲しいものが SONYウォークマンであった。
80年代半ばには様々な家電メーカーから発売されていて、
FM/AMラジオ付き、オートリ―バース、録音可能などの機能の有無で
多様な製品ラインナップが展開されていた。
僕は長いこと会っていなかった叔父が青森に来ることになったとき、
お土産で買ってもらった。
SONY 製でFM/AMラジオ、オートリ―バース、スピーカーも付いていたような。
高機能な分、分厚かった。
 
青森で過ごす小学生だったので
ヘッドホンをしながら外で聞くなんてことはしなかった。
当時は青森駅前に出てもそんなことをしている人はいなかったような気がする。
もっぱら家の中で聞く。
外に持ち出すのは旅行の時ぐらい。
それでもそっと人目につかないようなところで聞くだけ。
 
そういえばあのウォークマンはどこに行ったのだろう……?
高校に上がる頃には使わなかった。聞きながら通学なんてこともしない。
母が親戚か身の回りの方か、
小さい子のいるところにおもちゃ代わりにあげてしまったような気がする。
 
なんにしても夢の機械だった。
銀座のソニービルがなくなる時に歴代の SONY 製品が
館内の空間いっぱいにびっしり展示されていた。
あれはワクワクしたなあ。
 
カセットテープのウォークマンも次第に姿を消し、
iPod  の登場も大きかった。
僕が小さい頃、まさかカセットテープのウォークマンが消えてしまうとは
思ってもみなかった。
永遠に存在し、進化し続けるものだと思っていた。
 
デジカメも音楽も、インターネットも。
全てがスマホに集約されていく未来というのも想像つかなかった。
デジカメに電話が、ウォークマンに電話が、とはならなかったんですよね。
これは生活に必要なものの度合いの高さが勝負を決めたか。
結局はコミュニケーションツールが一番強いということ。
ウォークマンはつまるところ個人で聞くもの、個人に閉じるもの。
そこに衰退の原因があったのだろう。