「ライフ・イズ・ミラクル」

映画部の定期鑑賞会8月分として、
今月は「ライフ・イズ・ミラクル」と「ヴェラ・ドレイク」を見に行く。
カットオーバ2日前。とてもじゃないが休みは取れないだろうと
クリス君に仕切りを任せていたのに、
なんかまあ土日出てきてまですることもなくなり、直前になって見に行けることになった。
そんで僕が見たかった2本を見に行くことにした。完全私物化。いかんですね。


昼前に集合して、「ガンダーラ」というインド料理屋でカレーを食べた。
ここのカレーはうまいと思った。

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ライフ・イズ・ミラクル


事あるごとにくどいぐらいに言っている「生涯No.1映画:アンダーグラウンド」の
監督エミール・クストリッツアの最新作。
これは絶対劇場に見に行かなきゃと思っていた。


1992年、ボスニアの小さな村が舞台。内線勃発寸前の時期。
主人公であるセルビア人ルカは線路を引くためにベオグラードから
元オペラ歌手である妻ヤドランカと
サッカー選手を夢見る息子ミロシュと共に移住してきて1年半になる。
のどかな毎日が続いていたが、妻と息子は不満気味。
そんな中ある日ついに戦争が始まってミロシュは徴兵される。妻は駆け落ち。
村を巻き込んだ戦闘も激しくなる。
ミロシュが敵であるムスリム側に捕虜となり音信不通となる一方で
ムスリム人の看護婦サバーハが逆に捕虜となってロカの家に住み着き始める。
敵味方を超えて愛が生まれるロカとサバーハ。現代のロミオとジュリエットとなる。
幸せな日々も束の間、国連軍の計らいにより、
ミロシュとサバーハが交換捕虜という扱いを受けることになり・・・。


クストリッツァ節全開。
奇想丸出しのアイデアが機関銃のように乱射され、
素っ頓狂なお祭り騒ぎが至る所で始まる。
人生とは、人が生きていくということは、なんなのかという考察も直球勝負で相変わらず。
(ものすごくでかい雪玉をあちこち転げまわりながら作って、
 誰かにぶつけてばっくりと割れるような、そんな直球勝負)


見ていて幸福な気持ちになって、泣いてしまった。
本当に泣いた。何度も書くけど、本当に泣いた。
涙がボロボロと出てきた。ここまで泣けたのは「アンダーグラウンド」以来。
橋の上のコートの場面でハラハラと来て、ラストシーンで大粒の涙が頬を伝う。
悲しいから、切ないから、というだけでなくて、
映画として描くべきものを素直に描ききったから、という感動の涙。
この人、本物の天才だ。


何も言うことないな。
全編楽しくて悲しくてシュールで奇想天外な場面の連続で
そこに例の素人楽団的オーケストラがにぎやかにブンチャカ演奏しまくり。
黒猫・白猫」よりはこっちの方が面白いと思う。
(「黒猫・白猫」はどことなく「アンダーグラウンド」の芸術的・政治的余波を
 受けていたことによるリハビリ的作品としての雰囲気を感じる)


見た人ならすぐわかることだけど、何よりもやはりロバに感動。
あと、サバーハ役のナターシャ・ソラックのヌード
(というかまあはっきり言って美しい乳房)に感動。
見終わった後クリス君とそればかり話していた。

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そういえば今日は東京湾の華火大会の日で、出社していたら花火を見ることができた。


あと、近日公開の映画の中では
「エイリアン vs ヴァネッサ・パラディ」というのがものすごく気になった。