オハイオ隊、遠征(その16)5/5Jungle Jim's

Jungle Jim’s のペンギン


Brass Armadillo を出て、帰宅。
20時を過ぎたぐらいだっただろうか。空が暗くなりだしている。
緯度の関係か、日本よりも日が暮れるのが遅い。
21時頃夜となる。


帰りに、「Jungle Jim's」というユニークなスーパーがあるというので寄っていく。
http://www.junglejims.com/
「Jungle Gym's」ではない。スペルが違う。
ジムという冷凍倉庫で働いていたおじさんが始めたスーパーで、
あるとき冷凍倉庫の中から出てきたら髭が凍ってて、
それが何のきっかけだったのか忘れたけど、
そこから「Jungle Jim」というニックネームとなったのだそうな。
道端の小さな露天商から始めて、いまや巨大なスーパーのオーナー。
アメリカンドリームの一種ですね。
他に店舗はなくて、ここシンシナティだけなんだろうけど、
このスーパーはオハイオ名物と言っていいかもしれない。


ジムおじいさんはここをスーパーでありながら
テーマパークでもありたい(!)という夢を今に至るまで持ち続けていて、
日々その実現に向けて頑張っている。
スーパーの中でモノレールを走らせるってのがその1つで、
実際モノレールの車両はあるんだけど
まだ店内に線路の敷設までは至ってなくて、
店の外にそのモノレールが宙に浮き上がる形で飾られている。
中には乗客代わりに人形を乗せている。いい話だなあと思った。
そういうのに始まり、店内にはでーんと消防車が食品棚の上に鎮座していたり、
ロビンフッドの一場面が人形で再現されていたり。
冷凍食品コーナーにはぬいぐるみのペンギンたちがいた。
そういう仕掛けがあちこちにいっぱい。


「International Market」を謳ってるだけあって、
世界の食材が手に入る。もちろん日本のも。割高みたいだけど。
でもどれも見かけたことないようなメーカーのものばっかりだったような。
麻婆豆腐の元も、どこのメーカーだ?一応日本っぽいけど・・・、みたいな。
日本では見たことないようなワサビドレッシングなんてのも見かけた。
アーミッシュ用、ユダヤ人用、インド人用などなど
世界の様々な地域からアメリカに来てる、
あるいは様々な信条の人向けの食材が売られている。
そして酒。世界の酒が手に入る。日本のビールも。
これはすごい。こういう店、日本にも欲しい!
青森や東京でいくつか同じような趣旨の専門店に入ったことあるけど、規模が違ってた・・・


いろんなものがあった。ここにいるだけでかなり面白い時間が過ごせる。
トム&ジェリーでしか見たことないようなおっきな穴あきチーズ、
20kg 入りのピーナッツの袋(セメントの袋かと思った)、犬用の骨も1mの長さ。
ミニッツメイドは日本では洗剤が入っているような大きなポリタンクで。


会社へのお土産にアメリカのお菓子と煙草を買う。
煙草はこれまで見たことないやつ。パッケージに大きく U.S.A. と書かれている。
カートン2つで60ドルぐらいか。
タクもボブもジュンコもみんなして「たけー」と口々に。
タクは日本で吸ってたアメリカの煙草を買おうとしたら
5ドルもしたのでやめたという。


寿司やナチョス系のチップスなど
Jungle Jim's であれこれ夜食べるものや飲むものを買いこんで車に乗り込む。
「White Castle」のハンバーガー食べたいねという話になって、ドライブスルーに寄っていく。


アメリカはほんとドライブスルー文化だ。
 ドライブスルー・ファーマーシーなんてのもあるようだ。
 マツキヨがドライブスルーになったら・・・、便利?)


「White Castle」のハンバーガーはアメリカの食文化に反してとても小さい。
慎ましい手のひらサイズ。2口で食いきってしまうような小ささ。
前の日食ったバーキンのワッパーがバケモノに思えてくる。


ボブの家でビール飲みつつ、夕食。
キリンと「Wicked Ale」というやつ。(http://www.peteswicked.com/ 参照)
シンシナティ名物「スカイライン・チリ」という
溶けたチーズの上ににチリというかミートソース?が乗っかったもの、
韓国産キムチ(日本のキムチは手に入らない)
アメリカ人がスナック替わりに食べる小さなニンジン、などなど食べる。


最後の頃になってケーキが出てくる。
先日の誕生日に買ったものなのだそうだが、余っている・・・
アメリカ名物の砂糖よりも甘い、食べると頭がズキーンと痛くなるようなケーキ。
チョコレート風味のスポンジの上に、
茶色い、カラメルを10倍甘くしたような何かが乗っかっている。
一口もらってやめといた。


所得格差の話になった。オハイオで働く日本人の。
ダントツで裕福なのはトヨタの社員らしい。全身シャネルの奥様がいるとか。
シンシナティに本社がある P&G の社員は実はそんなもらってないようだ。
本社が日本にある企業のアメリカ法人の駐在員ならばかなり余裕のある生活となるが、
こっちに本社がある企業の場合、単なる長期出張みたいなもの。
トヨタに話を戻して、トヨタに限らず自動車メーカーが進出してるみたいなんだけど、
そのメーカーのアメリカ法人なり支社の社員と、
本社にくっついてアメリカに進出した下請けの工場の社員とではやはり待遇は異なる。
その工場に日本人は1人だけだったり。大変だ。
かわいそうなことにこういう格差は、子供たちの通う学校にも反映されるようだ。
高級車で送り迎えを受ける子供もいれば、スクールバスに乗る子もいるんだろうな。
通う学校も違うかもしれない。同じでも、一緒に遊ぶグループとはならないかもしれない。


ジュンコが日本から持ってきた
旦那とパラオで潜ったときの DVD が大スクリーンで上映される。
シパダン島を訪れたときのもの。
自然保護のため法律によりリゾート施設が閉鎖されて、人が住めなくなった。
ダイビングのさなかに休憩するのは可ということでようで
宿泊先のカパライ島から毎日(?)船で通ったようだ。
旅の間、ジュンコからはマレーシア渡航のあれこれのトラブルを聞かされた。
飛行機が飛んだだの飛ばないだの。
なんか強く印象に残った話を1つだけ。
こういうリゾート地が必ずしも安全ではないのは
何年か前のバリ島でのテロからも明らか。
あるとき、パラオではイスラム過激派がダイビングに来ていた観光客10何人かを拉致。
その後どうなったか聞き忘れたけど、これって怖いよな。


見てる間にタクが寝てしまって、お開き。
美しい南海の映像が流れる中、気持ちよく床に突っ伏していた。


最後に。
煙草を吸うために頻繁に外に出るタクに対し、ボブはこういう助言をする:
「煙草を吸いたい気持ちって1分半しか持たないから、
 その1分半をなんとか頑張って乗り越えればいい。そしたら、やめられる」