失恋 2006 Summer

先日、とある女の子に告白して、「ごめんなさい」と断られた。
「岡村さんのこと、そんなふうに考えたことなかった」と。
夜、2人きりで会って、飲んでいて、そういう話になった。


その後すぐ青森に帰った。
新幹線に乗って、空気の違う場所に行く。
普段身の回りで接している人は誰もいない。
本を読んで昼寝をして、出かけて、買い物をして。
その子のことは考えても、というかことあるごとに思い出すんだけど、
「ま、しかたないな」と割り切って諦めることにした。


休みを終えて、東京に戻ってくる。
仕事をする。毎日仕事をする。
痛みが、ボディブローのようにじわじわと効いてくるようになった。
その子のことがどうのこうのということではなく、
倦怠感とか喪失感とか不安感とか、
人間という生き物が抱えているありとあらゆるネガティブな気分が
僕というちっぽけな存在を包み込んで押し潰す、そんな感じ。


人生全般に関するモチベーションが下がる。
他にすることがなくて、ただただ目の前の仕事をする。
今が忙しい時期で山のように仕事が合ってむしろ良かったと思う。
仕事を投げ出して部屋に閉じこもっていたら、
あるいはそこまでしなくても、休みの日にすることもなくぼんやりとしていたら、
クヨクヨと暗いことばかり考えてしまいそうだ。
(だから今僕は会社に出て、仕事をしている。とてもはかどる)

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理由は聞かなかった。
聞こうとして聞かなかったのではなく、
その瞬間は他の事を考える余裕なんて全くなかった。
聞けたところでたいした理由ではないだろう。
今思うと「聞かなくてよかった」とすら思う。


逆に僕は「なぜ私なの?」と聞かれた。
彼女はどことなく泣きそうになってた。
僕はうまく答えられなかった。
冷静になっていれば、こういう部分が、と挙げていくこともできただろうけど、
そのときはそういうこと、何の意味もないことに思えた。
「人を好きになるっていうことに、理由なんてないじゃないですか」
僕はそんなようなことを言った。
それだけ言うのが、精一杯だった。

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あーこれで年に1人のペースで振られています。
今年のノルマは達成しました。
早くも営業終了。


あとはウダウダと生きていきます。
暑い夏が始まりました。
今の僕にはただただ暑苦しいだけです。
何の意味もありません。


日々をやり過ごして、漠然と生きていくだけ。
これといって目的もなく。
なんとなく欲しいものがあってなんとなくそれを買って
そのお金を得るためになんとなく働いて。


それをグルグルグルグル他人のスピードに合わせて続けていって、
まあいつの日かどっかで別な人のことを好きになるのだろう。


そしてまた、うまくいかずに終わるのだろう。


いろんなことを諦めてしまいたくなった。
いろんなことに興味を持たない方がいいのではないかと思った。
僕を取り巻く物事の範囲を狭めていって、あまり動き回らずにいたら
何も始まらないだろうし何も終わろうとはしない。
それでいいのではないか?
今はそんな気持ち。


何かを感じるってことは、
その裏側ではいつも、その何かを失う可能性を秘めている。
うまくは言えないけど、なんだか全然言いたいことから外れてんだけど、
そしてそのことがものすごく腹立たしくて、
目の前のこのノートPCを地面にたたきつけたくなるんだけど、
そのすぐ後にはそんなこと、どうでもよくなってしまう。

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どうでもいい。
何もかもがどうでもいい。

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今の僕は、ひどくかっこ悪い。


だから、誰にも会いたくない。


だけどそんなわけにもいかないから、心の中を閉ざしたまま、
日々、周りの人と何事もなかったように接している。


心の奥底では、誰かに会いたいという欲求はかけらほどもない。


このまま、誰にも会わずに、消えてしまいたい。
何の物音も立てずに、そっと。
消えてしまいたい。