植木等ナイト

昨晩は音楽に詳しい先輩と飲むことになり、新橋へ。
最初は飲み屋に入って食いつつ、音楽談義。
ポリスが来日するらしいとか、レッチリの「Funky Monks」はいいよねとか。
最近の新譜でお薦めを聞いたら
ジョアンナ・ニューサムってことで僕も買ってみようと思った。


その後近くのロックバーへ。
70年代前半のシンガーソングライターに詳しいってことで
地下に下りる階段はその当時の名盤の数々のジャケット
(縮小サイズのカラーコピー?)でびっしりと覆われている。
いい感じだなあと思って入ってみたら聞こえてきたのは日本人の歌声。
誰?すぐ気付く。植木等
そうかあ。追悼の意を込めて「植木等ナイト」みたいなイベントなんだろうな、と思う。
期待してたのと違ったものの、入ってしまったものは仕方がない。席に着く。
カウンターとテーブルが2つだけのとても小さな店。10人ちょっとしか入れない。
周りをそれとなく伺うと聴き入ってる人はいなくて、それぞれ客同士がおしゃべりしている。
植木等にはなんの興味もなさそう。
何曲か流れていくうちにだいたいの状況が分かる。
常連さんがマスターに「これかけてよ」とCDを渡したのだ。
その常連さんは40か50ぐらいのおっさんで
曲が始まると誰が聞いてるわけでもないのにニコニコと解説を語りだす。
「ここから何曲かは映画で使われたもので・・・」
「この曲は大瀧詠一アレンジによる・・・」
うーん。植木等という稀代のコメディアンに対して敬意を表するのはやぶさかではないが
音楽的に面白いかどうかってのは僕にはよく分からず。
(ちなみにこの夜、「スーダラ節」を聞くことはなかった)


一連の曲が終わって「What's going on」のライブ音源が店に流れたとき、
ああいいなあとしみじみ思った。
僕はマーヴィン・ゲイに詳しくないんだけど、この人のだろうか?
声が若々しく、バックの演奏も瑞々しかった。
こういう曲を大きな音で聞けるのはいい。
終電が近づいて、それ以上聞くことはなく店を後にした。


ロックバーの常連となって、
自分の聞きたい名盤を大きな音でかけてもらうのはありかもね、と思った。
CDじゃなく、アナログで。