欲情の対象

家の近くの小学校でママさんバレーの練習が行われている。
会社から帰ってきてタイミングが合うと、
練習が終わって学校の外に集まっている彼女たちに出くわす。
小学校にはシャワーなんてものがないので、
汗だくになってもTシャツとか簡単に着替えるだけ。
僕はその側を通り過ぎる。
中にはきれいな人もいる。


子供が小学校に上がって、手がかからなくなったので
地域のママさんバレーボールチームに入る。
恐らく僕と同じぐらいの年、あるいはちょっと上ぐらいか。
パッと見、そういう層が多いように思う。


どこかのアパート、マンション、一戸建ての家の中で日々続く家庭生活、
夫がいて、子供がいて、朝起きて家事をして、掃除して、朝昼夜と食べて、
買い物に出かけて、知人や友人とばったり会って話し込んで。
という姿を勝手に想像する。
特定の曜日になるとユニフォームや着替えなど準備をして小学校の体育館へと向かう。
「○○さん、久し振り」とかそういう挨拶をして、
ウォーミングアップの体操を行った後、コーチの指導の下、トスやレシーヴの練習か。
人数が集まったときには2組に分けて、後半の時間は試合をするかもしれない。
体育館を借りていた時間が終わって、外に出る。
コーチが「××さん、トスを上げたときのポジションの戻りを素早く」などと語っていたり、
メンバー同士でたわいのない世間話をする。どこそこにできた店のなんとかが、とか。
そこに僕が通りがかる。何の接点もない。
僕はただ、通り過ぎるというだけ。


それぞれの家に帰っていく。
シャワーを浴びるか風呂に入る。
子供を寝かしつける。旦那と話をする。
夜も深まって寝室へと向かう。1人で、あるいは、2人で。


中にはきれいな人もいる。

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話は全然変わって、コーラの色がなぜ黒いのかってことを考える。
コーラという飲み物が20世紀を通じて
全世界規模で爆発的に普及した最大の理由は色が黒かったからではないか?
最近僕の中でそういう結論に達した。


子供にとってファンシーなようにオレンジ色や黄緑色だったら
いくら同じ味だったとしても絶対ああはならなかったはずだ。
黒だからこそ、子供たちだけじゃなく、大人たちも飲んだ。
大人が手にしてておかしくない色ってことで白だったり無色だったりしても、
うまく行かなかったと思う。黒であることに、意味がある。


人によってはそこにダークな印象を受けるかもしれない。
年端の行かない子供たちは大人っぽい飲み物への憧れを抱くし、
大人としても今手にしているのは「ガキの飲み物じゃない」と無意識のうちに受け入れる。
黒は大人の色。


実際にはカラメルが入ってるからああいう色なんでしょうけど。
泡が茶色くなるというのも、渋い。

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昨日、冷やして飲もうと缶のコーラを冷凍庫に入れたら、
冷やしすぎて半ば凍ってしまった。
半分は液体のまま。
炭酸がほぼ抜けてしまって、ただの甘い液体となる。


僕は理系じゃないんで仕組みがよくわからないんだけど、
なぜ炭酸飲料を凍らせると炭酸が抜けてしまうのか??
知ってる人がいたら教えてください。