「潜水服は蝶の夢を見る」/「300」

3連休に見た映画2本について。

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3連休2日目。
前から気になっていた「潜水服は蝶の夢を見る」を見に行く。
渋谷でも新宿でもやってたけど、
有楽町イトシアに新しくできたシネカノンに入ったこと無かったので、そこへ。
1時間前に着いたら既に前か端の席しか残ってなくて、結果満席。
実話を元にした感動作でアートな雰囲気、ともなると人気が出るのかな。


http://www.chou-no-yume.com/
「ELLE」の編集長だった40代初めの主人公が突然、脳梗塞に襲われる。
3週間の昏睡状態を経て意識を取り戻したものの、動かせたのは左目のまぶたのみ。
動かすことのできない体の中に閉じ込められ、
知性:記憶と想像力はなんら損なわれること無く。
最初のうちは死ぬことを望んでいた主人公は
まばたき1回が「はい」2回が「いいえ」で意志の疎通をはかり、
アルファベットを読み上げてもらってまばたきすることで言葉を綴っていく。
やがて20万回ものまばたきを経て、主人公は自伝を完成させる。
というお話。


よかったと思う。見て損はない。
体を動かせない主人公ってことで地味な映像になりそうなものが
主人公の主観ショットを多用したユニークな映像で「おや?」と思わせて、
「ELLE」編集長時代の華やかな日々を回想するシーンでは躍動感あふれる映像の連続。
車椅子に乗った主人公を映す際には
家族を始めとする周りの人たちの優しさに包まれた、美しい場面となり・・・
監督ジュリアン・シュナーベルが元々ニュー・ペインティング系の画家だったこともあり、
映像が非常に凝っている。
なんかそれだけで見れてしまう。
振り返ってみるに、人間のドラマとしては希薄かもしれない。
ストーリーそのものは淡々としてて、起伏がない。
でもそれでよかったのだと思う。無理に泣かせる必要はない。
「左目のまぶたしか動かせない男」ってのがそもそもインパクトあるわけだから。
やりすぎない、というのがよかった。
映画の中にほのかな希望があって、
それがちゃんと作品の手触りとして伝わってきた。
見てる側としてはそれで十分だと思う。

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3連休3日目。DVDで「300」を見る。
お客さんから借りた。「とっても面白いから見てよ」ってことで。


歴史もの。世界史に出てきた「テルモピレーの戦い」を映像化。
侵略してきたペルシア軍100万に対し、迎え撃つスパルタ軍はたった300人。
王レオニダスの元、スパルタの兵士たちは勝利を信じ、死闘を繰り広げる。
内容はまさにこれだけ。
最初の30分ほど背景を説明するくだりが続いて、そっから先はひたすら戦闘シーン。
最先端のCGを駆使しまくって「マトリックス」ばりのストップモーション
剣が舞い踊り、血しぶきが乱れ飛ぶ。
見てて「いけー!いけー殺せー!死ねー!!」という気分となるのだが、
いかんせん家のテレビが14inchなので迫力が全くなかった。
こういうのは劇場で見ないとね。


面白言っちゃ面白いけどやっぱこういうのって「無駄に面白い」という類のもので。
肉のハナマサ」の食べ放題でたらふく食ったような気分。
理性的に考えてうまい肉でもなんでもないが、目の前にあるから死ぬほど食ったという。
映画というよりはミュージッククリップ。
Aメロ、Bメロ、Aメロ、Bメロ、サビ、サビ、サビ、ブレイク、サビ、サビ、サビ。
そんな作品だった。

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普通に働いていて「いいこと」の1つに
3連休を心の底から嬉しく思える、ってことがあると思う。
土日だけでも嬉しいのに、プラス1日ボーナスって感じで。