図書館へ

昨日の午前中、図書館へ行った。
荻窪駅の南側にある、杉並区立中央図書館。
初めて入ったわけなんだけど、そもそも図書館というものが大学卒業以来10数年ぶり。
その学生時代だって、大学院まで行っておきながら全然図書館を利用せず。
今思うと全然ダメな院生だった・・・


なぜ今更?というのは例によって編集学校絡みで。
初級コース「守」と中級コース「破」の頃は参考図書に挙げられていた本を都度、買っていた。
独身貴族で小金はあるし、本棚に知的な本を並べるのはかっこいいことであるし。
でも今回、応用コースである「物語講座」に進んだら、課題というかお題の内容が深まって、
例えば最近やってるのが
今から100年前という時代をありとあらゆる角度から調べて、誰か一人を取り上げて評伝を書くという。
しかも、本何冊か読んでレポートを書けばいいっていうものではなく。
安易に Wikipedia をサーフィンしてもだめ。
とにかく漁れるだけ漁ってみなきゃならない。
関係しそうな本を片っ端から amazon の中古で買ってたらキリがない。
短い人生でこれから先、ほとんどが1度きりしか読まないのに金がかかり過ぎ。
それに物語講座を終えて、春先から最上級コース「離」を受講するようになったら
もっと大変な日々が待ち受けていると聞く。
今のうちに図書館通いに慣れておいた方がよさそうだ・・・


事前に区立図書館のサイトでユーザーの仮登録をしておく。受付番号をプリントアウトする。
それを受付で身分証明書と共に提示して、利用証を発行してもらった。
杉並区の図書館ならば共通で使えるという。
杉並区の他の図書館に蔵書を予約して、ここ中央図書館で受け取れるようにパスワードの申請も行う。
区内あちこちに散らばった本を検索できて、一箇所で受け取れるのだから便利だ。
さっそく何冊か書庫から探してきてもらって、借りて、他の図書館にあるのを予約した。
来週また来て受け取ろうと思う。


久しぶりの図書館。本棚が並んでいて、その中に本が詰め込まれている。
なんだか懐かしい。
新品の本は少なくて、どれもこれもいろんな人に読み込まれて、くたびれている。
本だって、たくさんの人に読まれた方が嬉しいだろう。
どこかの誰かの本棚に、かっこよく並んでる「だけ」よりは。
買ったけど飾りのままに終わっている本が僕の本棚にもどれだけ眠っていることか。
本の剥製。本の標本。
時々その背表紙を眺めて、愛でるだけの日々。
本を買うこと、所有することそのものは悪いことではない。
しかしその関係性に安心しきって自己満足で終わっていてはいけない。
図書館という場所と、もっとバランスよく向かい合わなくては。
そんなことを思った。


借りたかった本を書庫から持ってきてもらうまでの間、
今から100年近くの前、第一次大戦に関する分厚いムックを読んで過ごす。
当時の写真を眺めて、ツヴァイクカフカ、当時の知識人たちの文章を拾い読む。
その後空いていたテーブルに着いて、
持ってきた情報の歴史のコピー、1900年からの30年分に3色の蛍光ペン
気になるところにマーキングをして過ごした。2時間かかって、終わった。


図書館の中は静かで、話し声は何1つとして聞こえてこなかった。
しかし、耳を澄ますとページをめくる音やノートに書き込む音、
書棚の間を移動する音が聞こえてきた。


だけどまあ、久しぶりということもあってかなり疲れた。
マーキングしていたらものすごく肩が凝った。
昼過ぎに図書館を出た。
家に帰って来て、借りてきた本を読み始めた。
僕以外の知らない誰かが読んだ、通り過ぎてきた本を読む、
というのも懐かしい体験だった。