東京の人

来年36歳になるのかぁ、ということを時々ぼんやりと考える。
僕にとって人生の折り返し地点になる。
18歳で上京して、これまでは青森で過ごした時期の方が長かった。
来年同じだけの長さになって、以後、東京の方が長くなる。


すっかり東京の人ですよ。誰がどう見ても。
思わず津軽弁の単語やイントネーションが出てくるということは100%ないし。
(というかもはや自力では話せない。
 話してる相手が津軽弁だと言葉が引き出されるというのはあるだろうけど)


じゃあ自分はいつから東京人となったのだろう?
18歳の頃、19歳の頃はまだ訛っていた。それが大学の途中から指摘されなくなった。
言葉だけの問題ではなく心構えというか意識として
自分が東京の人になったのはだいたいにして20歳の頃だと思う。
どこにどう境目があるのか分からなかったけど
「大人になった」「なってしまった」というのと重なり合っている。
そしてそれは「僕はこの先東京で生きていきたい」という思いに絡んでいた。


生まれそのものは東京だったので
小さな頃からずっと僕は心のどこかで
「本当は東京の人」「青森じゃない」と思い続けていた。
ようやく戻ってこれた、青森なんて振り捨ててしまいたい。
そんな18年。
逆にこれから先は「本当は青森の人」「東京じゃない」
と思うようになるのかもしれない。
ここ数年、頭の片隅にはどこか青森へと向かう気持ちがあったし。


いや、どちらかを否定や肯定するのではなく、両方、なんだろうな。


とはいえ。実はとんでもない転機が待ち構えていて
次の18年は関西や九州や海外で過ごすかも知れず、
青森と東京がコインの裏と面になるのではなく
自分の中で第3の極点が生まれるとか。それもありだよな。
(まあ今のところそんな気配ゼロですが)


つーか青森と東京にこだわったり縛られたりする必要はもうないよな。
今にして思えば。

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昨日ふと思う。
スカイツリーが完成したら東京タワーはなくなってしまうのだろうか?
そうなったら寂しいな。
東京が東京じゃなくなるように思う。


今の若い人からすれば全然違ってくるんだろうけど
昭和を知っている僕なんかの世代だとまだ、東京のシンボルは東京タワーであって。