引っ越し その2

引っ越しの日。
前の晩寝たのは午前1時半で起きたのは午前6時。
眠くはない。疲れてもいない。
着替えて玄関周りのCDや本をせっせと下に運んで箱に詰めるか、敷物に並べておく。
服は聞いていた通り、ゴミ袋に詰めておく。
休みなしであれこれ片付けるけど、ちっとも前に進んでる感がない。
どんだけ物が多いのか。
干してた洗濯物を取り込んだり、物陰に隠れてた細々としたゴミを片付けたり。
事前に届けられた段ボールは10箱。
(前回見積もりに来た若者から電話があって、木曜の23時頃届けに来た。どんだけ仕事してるんだか)
これを詰めたらノルマ達成か。
8時半の時点で6箱まで来て あと30分もあれば10箱まで行けるだろうか、
というタイミングで引越し業者が到着する。
午前中のうちに梱包・搬出を終えたいので早めに来たいと言っていたことを思い出す。


2トン車が一台とそれよりも一つ上のクラスがもう一台。
前者は資材の運搬オンリーで、後者で荷物を運ぶ。
メンバーは3人。若手1人がリーダーで、もう1人の若者とベテランさんがバイトか。
このベテランの方々僕の部屋を見て一言、「ゾッとする」と呟いた。
うーん、素人の僕が2時間ほど運んだだけでは焼け石に水だったか。
彼らはテキパキと段ボールに詰めていった。
僕はすることがなくなり、はけたところに掃除機をかける。
15年の間に物が増えすぎてまともに掃除ができなくなっていた。
とにかく埃がすごい。
リーダーの若者はクシャミがとまらずにマスクをしていた。
とにかくこの部屋は厄介な物件のようだ。


2時間半経過して11時。まだ1/3程度しか積み込みできていない。
これで終わるのだろうかと心配していたらリーダーから相談があって、
このへやの搬出と搬入だけで夜になってしまいそう、
もう一軒の妻の分は明日でよいかと。
妻からは妻からでまだかまだかと時折状況確認が入って
昨晩からは妻の母が田舎から出てきていて、
この日も朝から叔父夫婦が手伝いのために来て待っていた。
なので僕の部屋の残りは明日にして、2トントラック分積んで新居に運び終えたら
もう一軒に向かってもらうことにした。
冷蔵庫と洗濯機は明日の昼ヨドバシに引き取ってもらうことになっていたので
部屋の真ん中から奥の位置にあったこのふたつを積み終わってこの日は終了。
当初見積もりよりも大幅に超える作業量と難易度。
これは営業の若者は後で大目玉だったんじゃないか…


大家さんにこの日だけでは終わらなかったと伝えて、13時半、新居へ。
自転車に乗って二子玉川へ。荻窪からのこのルートもこれが最後か。
快晴。Tシャツ1枚でちょうどいい。
千歳船橋から用賀・瀬田へ。
1時間と15分。着くと先に彼らが来ていて、外の通りにトラックを停めて待っていた。
僕らの新居は路地の奥、突当りにあって2トラックがそーっと入ってきて
手前の大家さんの家の入口まで近づいて停めた。
3人がかりで一気に運んでいく。
2階の部屋に本とCDを。僕なら1箱でも辛いのに彼らは2箱抱えて荷台から玄関まで走っていく。
書庫と決めた4畳半の部屋が見る見る間に本とCDの箱でいっぱいになる。
明日の分もありますけど、全部入りますか? と聞かれる。
僕は「まあ、入るだけ入れてください」と答えるしかない。


彼らの休憩用に近くのコンビニで氷とアクエリアス、プラスティックのコップを買っておく。


僕は待っている間、キッチンで昨日のIKEAの椅子の組み立ての続きを行う。
ネジ山が崩れたので昨日ハンズに買いに行ったのだが、
その新しいネジでもダメだったのでこれは工具がよくないのかと
こちらに向かっているという妻にどこかで新品を買ってきてもらうよう頼む。
(結局後で叔父夫婦が買ってきて、プレゼントということになった)


住んでいた部屋は母や叔父たちに任せて、妻が来る。
まずは近隣に挨拶を。皆在宅で、温和な方たちだった。
妻は和室の拭き掃除を始める。その後1階でキッチン周りを。
僕は和室に置くことにしていた組み立て式のクローゼットハンガーに取り掛かる。
これが部品の同じ番号のものがメッキのもの、穴があるものないものあってわかりにくく、
何度か途中でやり直す。2人掛かりでないと組み立てられない。
荷物が来てしまったので広いスペースも確保できず、
持ち上げてもらったり斜めにしたりあれこれ工夫しないとポールをつなげ合わせるといったことができない。
苛々しながら熱中している間に夕方になり、夜になり。
向こうの家の搬出が終わって片付けも済んだ母と叔父たちが車で来る。
挨拶もそこそこに、クローゼットハンガーに戻る。
そのうちに叔父たちが帰っていた。
完成寸前か、というところまで来て穴のあるなしのポールをまちがって使っていたことに気付き、
部分的に組み立て直し。この日は途中でギブアップ。


僕の部屋の搬入が終わったころ入れ替わりでケーブルテレビの人がふたり来て
契約内容を決めて(テレビは地デジのみ、電話を使用、インターネットは一番速いものを)
テレビ用にケーブルを伸ばし、無線LAN対応のルータを設置する。
ネットは即日使えるようになった。助かった。
電話回線の開通は3日要するということで開通確認を次の週末とする。


妻の分の搬入も終わって、最後に廃棄した分の精算。
机と椅子、クローゼットハンガー、ゴミ箱、カラーボックスなど。
ちょうど1万に負けてもらった。
明細を作ってもらう。粗大ごみの3割増しってとこか。
割高だけど不用品を持ち込まずにすっきりしたかったし、
この荷物の多い引っ越し、少しでも作業量を減らしたかった。


夜、二子玉川に食べに行くはずが、あれも片付けなきゃ、
これもやらなきゃとリビングでこまごまとしているうちに21時半。
妻と妻の母と用賀駅まで歩いて行って、居酒屋に入って軽く食べる。
僕はそのまま田園都市線に乗って渋谷へ。丸の内線で荻窪
明日の朝の引っ越しに備える。
半分物がなくなってガランとした部屋で眠る。
予定よりも一日多くこの部屋で眠ることになった。ガランとしている。
なんだか感慨深かった。