男性更年期外来

40歳を過ぎていろんなものがガタッと落ちた。
記憶力が衰え、夜中にトイレに行くようになり、
仕事もかつてのような集中力が無くなってきた。
何よりもガツガツしたところがなくなった。
大人になった、丸くなったというのはいいことなんだろうけど、
このままいくと何もせず人生終わってしまうんじゃないか。
漠然とした不安に駆られるようになった。
一昨年、昨年と続けての入院、手術を経験して、
もはや若くはない、何もせず健康ということはもはやなくなったと認識した。
攻めの姿勢で医療機関を利用し、
肉体に起きていることを把握、改善するのが望ましいと考えるようになった。


そんなわけで勧められたこともあって男性更年期の外来診療を受けてみる。
今日は初めてなので検査のみ。
といっても申し込んだのは確か5月。3カ月先まで埋まっていた。
いくつか大きそうな病院を調べてみたけどどこもそんな感じ。
どこがいいのかよくわからないので、職場の近くにしてみた。


検査は13時から。
立て込んでいると17時までかかることがあります、と事前に聞いていて
お盆休み明けだから混んでるかなと覚悟していったらそうでもなかった。
14時過ぎにはあっさり終わった。
この日はあくまで検査と問診のみ、一か月後に結果が出る。
腹が減っていたので新宿に出て西口の「満来」でチャーシュー麵を食べて帰ってきた。


待合室は婦人科以外は他の診療科の人たちも同じ。
問診票に記入する。
最近眠れているか、食欲があるか、性欲はどうか。
身体的、ないしは精神的な不調により仕事に支障をきたしてないか。
夜中に起きてトイレに行く回数は増えてないか。
落ち込んでいないか、動悸がしないか、自殺したいという気持ちになることはあるか…


超音波と心電図、脈拍。検尿、採血。
基本は泌尿器科であるため、
超音波はうつぶせになって腎臓や履いていたものを脱いで、タオルをかけて精嚢も。
セリーを塗って検査器具を当てる。
技師は若い女性。ここで毎日、元気のなくなった生殖器官に触れているのか。
日々何を思うだろう。というか、仕事は仕事。何も思わなくなっているのだろう。


帰ってきて、甲子園の大阪桐蔭仙台育英の試合を見た。
全力で打って走って守る球児たちが眩しい。
あの頃には体力が衰えるなんてことは想像もできなかった。
待合室で座っていた男性たちの大半がそうか。
僕よりもだいぶ年上の人たちが問診票を書いていたけど、
僕と同世代、40代前半と思われる人たちもチラホラといた。
悩んでいる人たちは結構いるんじゃないかな。