こころ旅を見る。
今日の行き先は、貨物列車の通る線路脇の空き地だった。
50年前の貨物列車は今のようにコンテナではなく、
様々な形状の積み荷が目の前を通っていったのだという。
そういえばもう長いこと貨物列車って見てないなと思う。
小さい頃、青森に住んでいた時は津軽線の線路を頻繁に行き交っていた。
乗客もなく窓もない。
大きな音を立てて、だけど無言で通り過ぎていく。
緑色のコンテナが長年の風雨に晒されて茶色く色あせている。
大人の寂しさとでも呼ぶべきものを感じた。
いつから見てないんだろう?
と思うと東京で見かけないんだなとすぐ気が付いた。
近距離を結ぶ私鉄が貨物を運ぶことはあり得ないし、地下鉄はなおさら。
JRも中央線や山手線の駅を通過しているのを見たことがない。
あるとしたら武蔵野線だろうか。どうだっただろう。
そう考えた時、あの貨物は、青森から運ばれてきた貨物はどこが終点だったのか。
コンテナの中の積み荷はどうなるのだろう。
巨大な集配センターのような倉庫で中身を長距離トラックに乗せ換えるのか。
google で調べればすぐわかりそうだけど、頭の片隅にずっと置いとくままにする。
何年後かに、あの時疑問に思った貨物列車の駅はここだったのか、と出会うかもしれない。
それを楽しみにする。
僕が気付かないだけで京浜東北線から少し離れたところに貨物専用の線路があって
埼玉から神奈川へと突き抜けているのか。
待てよ、とまた別なことを思う。
小さい頃ひっきりなしに貨物列車を見かけたように思うのは記憶の誤りであって、
少なくとも青函トンネルが開通してからか。
逆に三厩から積むものもない。
そんな倉庫を見たことがない。
JRの貨物列車で運ぶのと長距離トラックで運ぶのと
どちらが速くてどちらが安いのか。
毎日恩恵を受けているはずなのにそういうことも知らずにいる。
貨物列車の方が速くて、その分高いのか。
一定の区間の間を大量に運ぶだけなので安いのか。
コンテナを客室にして日本列島の端から端まで旅できないか。
そんなことも考えてみる。