先週買ったCD #100:2022/09/05-2022/09/11

2022/09/05: www.amazon.co.jp
Taj Mahal 「Oooh So Good 'N Blues / Mo' Roots」 \1500
 
2022/09/06: www.hmv.co.jp
Neil & Iraiza 「johnny marr?」 \396
Neil & Iraiza 「New Scool」 \297
(Soundtracks) 「ウォーターボーイズ」 \594
 
2022/09/06: www.amazon.co.jp
Harvard 「Test」 \444
Pearl Jam 「Ten (Legacy Japan Edition)」 \2185
The Damned 「Live Shepperton 1980」 \2588
 
2022/09/07: ヤフオク
David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」 \4600
 
2022/09/09: www.amazon.co.jp
Andymori 「Andyshanty」 \880
 
2022/09/10: BOOKOFF 大泉学園駅前店
Mutemath 「Odd Soul」 \330
ハナレグミ 「深呼吸」 \693
GreeeeN 「バーチャル3DライブCD!? DOME」 \693
(V.A.) 「R35 Sweet J-Ballads」 \550
 
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David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」
 
デヴィッド・ボウイの『Brilliant Live Adventures [1995-1999]』のシリーズ
全6枚のうちの最後の1枚をようやく入手。
 
元々は2020年後半から2021年前半にかけて1枚ずつ
デヴィッド・ボウイのオフィシャル・ストアで販売。
日本ではワーナーミュージック・ダイレクトのサイトのみ。
タワレコなど一般のCDショップでは入手できず。
amazon や DiskUnion にも中古で出回らず。
僕もシリーズ後半からその存在を知って、
そろそろかとサイトを見てみるも即完売ばかり。
熱心なファンはちゃんとリリース日を押さえてるんだな。
 
仕方なくワーナーミュージック・ダイレクトの会員にもなった。
再発予定といううれしいニュースも届いたが、その後とんと音沙汰なし。
 
で、結局ヤフオクで入手することになる。
残念ながら全6枚どれもヤフオクとなってしまった。
David Bowie 「Ouvrez Le Chien (Live Dallas 95)」 \4600
David Bowie 「No Trendy Rechauffe (Live Birmingham 95)」 \4500
David Bowie 「LIVEANDWELL.COM」 \5250
David Bowie 「Look At The Moon! (Live Phoenix Festival 97)」 \5210
David Bowie 「Something in the Air (Live Paris 99)」 \5850
David Bowie 「At The Kit Kat Klub (Live New York 99)」 \5350
どれもだいたい定価が1,800円ぐらいだったから、3倍近いお金を払ったことになる。
ちなみに、6枚全部入る箱もヤフオクで。
開封 David Bowie Brilliant live adventures CD BOX \1920
 
2021年の3月から5月にかけてヤフオクには毎日のように出品されていたのが
夏を過ぎてとんと見かけなくなった。
(ゆえに早い段階でヤフオクに出ていたであろう1枚目のみ入手できずにいた)
その後は1万近い値段が付いたこともあった。
価格が高騰していた時、便乗してなのか、ある種の詐欺なのか、
箱だけなのに5,000円近い値段が付いたこともあったように思う。
6枚中にそろったセットと勘違いした人もいたかもしれない。
 
それも落ち着いたのか、
先週この6枚全部の開封済み中古がヤフオクに出品されたが、
一番高くて入札数が多かったのが僕が買った1枚目。
他は2,000円や3,000円台。4,000円台が1枚。
 
今、ワーナーミュージック・ダイレクトのサイトを見てみて知ったんだけど、
再発が正式に決まって予約を受け付けていた。
2022/08/16から2022/11/23まで、発売日は2022/12/02とのこと。
買えずに悔しい思いをした方はこの機会に入手するとよいと思う。
これが最後となるんじゃないかな。
もしかしたら店頭で買える一般作品として再発される可能性もなくもないけど、
だとしても何年か先になるだろう。
 
前置きが長くなったが、いや、このシリーズとてもいいんですよ。内容が。
60年代半ばにデビューして30年近く。
デヴィッド・ボウイの声は衰えるどころか、何度目かのピークを迎えてる。
艶っぽく、力強い。
バックの演奏も決して懐メロにならない。
70年代のグラムな音を再現する気が皆無。
テクノやドラムンベース、インダストリアルやグランジに目配せの利いた、どこか影響を受けた、
タイトでソリッドな音。
当時のアルバムからの曲がメインだけど、往年の名曲
”Under Pressure” や ”Look Back In Anger” もアレンジがガラッと変わっている。
 
そのメンバーもキーボードのマイク・ガーソンや
ギターのカルロス・アーマーといった昔からの気心の知れた職人たち。
「Something in the Air (Live Paris 99)」
「At The Kit Kat Klub (Live New York 99)」 ではなんと、
Helmet のペイジ・ハミルトンが参加していた。
個人的にはこの時期ずっと参加している
スキンヘッドの女性ベーシスト、ゲイル・アン・ドーシーがかっこいい。
ベースを弾きながら ”Under Pressure” のフレディ・マーキーのパートも歌い上げる。
 
この6枚、その年による編成の違いや
おそらくデヴィッド・ボウイの中でやりたい曲の変遷があって、
それらを聴き比べるのも面白い。
 
なお、『地球音楽ライブラリー』シリーズでの
デヴィッド・ボウイのディスクガイドを参照すると
LIVEANDWELL.COM」だけは今回のシリーズよりも前に一度発表されていた。
2000年、ファンクラブ『bowienet』の有料会員になると送られてきた、とある。
2枚組で、ボーナスディスクの4曲は
『Brilliant Live Adventures [1995-1999]』版には含まれないようだ。貴重。
 
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(Soundtracks) 「ウォーターボーイズ
 
矢口史靖監督の映画があんなに売れるとは思わなかった。
つまらない、ということではない。むしろ逆。
僕の中では一頃日本で一番面白い映画を撮る監督だった。
しかしそこには出世作ひみつの花園』(1997)というタイトルのように
知る人ぞ知る密室的な雰囲気があった。
そのひとつ前、商業映画のデビュー作となった『裸足のピクニック』(1993)にも
どこか不安定な、もろさを感じさせるものがあった。
 
それが『アドレナリンドライブ』(1999)がスマッシュヒットを飛ばし、
ウォーターボーイズ』(2001)で一気にブレイク。
『スゥイングガールズ』(2004)『ハッピーフライト』(2008)と飛ばしていった。
シュールでコミカルなのにあっけらかんとしている。
突拍子ないのに地に足ついてる絶妙な感覚が心地よい。
おもちゃ箱をひっくり返したようにたくさんのカラフルなアイデアが詰まっている。
 
そもそも、PFFぴあフィルムフェスティバル)でグランプリとなった
『雨女』が歴代のグランプリの中でも格段の存在感だった。
緻密さと不器用さが大胆に同居する、
全力で静止しながら全力で疾走するような快作/怪作だった。
 
見てはいないが、『ウォーターボーイズ』はフジテレビのドラマにもなった。
山田孝之森山未來瑛太が出ていた、ということは覚えている)
今回購入したサントラはあくまで映画の方。
 
それゆえかどうかわからないが、
脇道にそれたサブカルチャーに対する造詣が深いという印象がある。
音楽の趣味もそう。
今思えば『アドレナリンドライブ』の音楽は
Boredoms山本精一のグループ、羅針盤だった。
主題歌”アドレナリンドライブ”を担当して
エンディングは平山みきと歌う”真夏の出来事 '99”を歌った。
ひみつの花園』の主題歌も濱田マリを擁したモダンチョキチョキズだった。
 
どういう縁かは不明だが、『ウォーターボーイズ』の音楽は
neil & iraiza の松田岳二が担当。
neil & iraiza は90年代の後半、裏渋谷系とでもいうか、
あの時代の最後の世代という印象がある。
あの頃、渋谷でもらうフリーペーパーであるとかいろんなところで
彼らのアルバム「johnny marr?」が話題になっていた。1997年のこと。
ジョニー・マーですよ? The Smiths の。
そこ話題にしていいんだ? 絶妙なユーモアがあった。
気になりつつもたまたまだろう、手が出ず。
 
そのうち、そのうち、と思ううちに聞かないまま20年以上。
それが最近、CDラックから Harvard のベストが出てきて
どんな音楽だったっけ?
あー、エスカレーター・レコーズか、そういえば neil & iraiza もそうだったと思い出す。
今は中古も安く買えるので、合わせて『ウォーターボーイズ』のサントラも買った。
 
Wikipedia によれば。
本来は neil & iraiza で担当するはずが、
相方の堀江博久Cornelius のワールドツアーに参加で多忙となったため
一人で、となったとのこと。
しかし、この音楽で2002年の第25回日本アカデミー賞の最優秀音楽賞を受賞している。
 
矢口史靖監督らしい、爽やかなガチャガチャさでいっぱい。
聞いていて楽しい。
これは音楽的な引き出しの多さと節度ある大人の遊び心によるもの。
こんないいサントラだったのか。
もっと前に聞きたかったなあ。
 
なのにその後松田岳二としてはサントラを手掛けてないのかな。
もったいないな。
(60年代・70年代のサントラから現代の視点で選曲した
 『GO CINEMANIA REEL』のシリーズで、中原昌也高浪敬太郎川勝正幸らとともに
 1枚担当していたことに今、気づいた)
 
松田岳二の音楽に、ベンチャーズの”Diamond Head”
キング・トーンズの”オンリー・ユー”
フィンガー5の”学園天国”という選曲も楽しい。
映画で流れたシルヴィ・バルタンの”あなたのとりこ”も入ってたら完璧だったのになあ。
松田岳二のグループ、Cubismo Grafico によるカバーに差し替え。
大人の事情だったのだろう……