先週買ったCD #139:2023/06/12-2023/06/18

2023/06/12: tower.jp
Louis Cole 「Live Sesh and Xtra Songs」 \2200
The Street Sliders 「On The Street Again - Tribute & Origine - 」 \4950
The Chameleons 「Dali's Picture / Auffuhrung In Berlin」 \2871
Jenny Lewis 「Joy'All」 \2511
 
2023/06/12: www.hmv.co.jp
The Motels 「The Motels」 \2530
The Motels 「Careful」 \2530
The Motels 「All For One」 \2530
The Motels 「Little Robbers」 \2530
Chris Robinson Brotherhood 「Barefoot In The Head」 \1980
Graham Coxon 「Happiness In Magazines」 \660
 
2023/06/12: diskunion.net
DJ MURO 「Tropical Boogie vol.1」 \1100
Alpha & Omega 「Sound System Dub」 \1300
 
2023/06/13: www.amazon.co.jp
(V.A.) 「Original Stalag 17-18 And 19」 \2700
 
2023/06/15: www.amazon.co.jp
Cesaria Evora 「cafe atlantico」 \910
 
2023/06/16: www.amazon.co.jp
Hefner 「Catfight」 \2234
 
2023/06/16: diskunion.net
Cabaret Voltaire 「Conform to Deform '82/'90. Archive;」 \1500
 
2023/06/16: tower.jp
朱里エイコ 「Las Vegas Here I Come」 (\2100)
タワレコのポイントで
 
2023/06/17: メルカリ
The Surf Coasters 「Misirlou 10th Anniversary Best」 \880
 
2023/06/17: DiskUnion 神保町店
Steve Earle 「Transcendental Blues」 \680
George Clinton & The P-Funk All Stars 「P Is The Funk」 \680
Prong 「Cleansing」 \680
The Offspring 「Conspiracy Of One」 \280
(Soundtracks) 「Spawn The Album」 \380
 
2023/06/17: PASSAGE (Musee Fantome)
Jocelyn Montgomery with David Lynch 「Lux Vivens : The Music Of Hildegard Von Bingen」 \2200
 
2023/06/17: TowerRecords 光が丘店
MxPx 「On The Cover」 \1300
 
2023/06/17: www.hmv.co.jp
MxPx 「Live At The Show」 \110
 
2023/06/18: www.amazon.co,jp
(Soundtracks) 「O Brother, Where Art You? Deluxe Edition」 \2881
 
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The Chameleons 「Dali's Picture / Auffuhrung In Berlin」
 
前にも書いたかもしれないが、カルトなミュージシャン、バンドの条件のひとつが
オリジナルアルバムよりもライヴアルバムなどの発掘音源が多く出ている、出ていた、ということだと思う。
ちょっと怪しげなレーベルからの、海賊盤とも判断付かないものだとなおそれっぽい。
一応正規のレーベルだけど、権利関係はグレーとか。
ギリギリ、オフィシャル・ブートレグ扱い。
ジミヘンなんてその最たるものですね。
死後に出た「Cry Of Love」とか「Rainbow Bridge」とか。
今では遺族が財団をつくって音源を買い取るとか権利関係を整理して、
これらのアルバムも正規のアルバムとして再発売されている。
 
80年代イギリスのニューウェーヴのバンド、The Chameleons もそうで、
当時のスタジオアルバムは3枚だけなのに(2枚はインディーズ、1枚はメジャー)
なぜかライヴアルバムがたくさん出ている。
その多くが imaginary records から。
インディーズというだけで、海賊盤を勝手に出してるなど特に怪しいわけではない。
The Mock Turtles のアルバムや僕はよく知らないけど、CUD というバンドのアルバム、
そして The Chameleons のライヴアルバム。この3つがメインのようだ。
他、編集盤など。
(よく見るとエドガー・ジョーンズが在籍していた The Stairs のシングルも出ている)
 
80年代のオリジナル・アルバムは3枚と書いたが、
「Script Of The Bridge」(1982)
「What Does Anything Mean? Basically」(1985)
「Strange Times」(1986 / このアルバムのみメジャーのゲフィンから)
となる。どれも甲乙つけがたい。
それともうひとつ、個人的にとてもお薦めなのが初期のシングルやアルバム未発表曲を集めた
「The Fan And The Bellows」(1986)と
その発展版(リマスターかつ曲数追加)の「Dreams In Celluloid」(2013)
 
イギリスの郊外の大邸宅、早朝の朝靄のかかる庭園で男の子が一人積み木で遊んでいる。
そんな音。孤独ではないけど一人、というような。
サイケデリックだけどモノクロームというような。
(メンバーの一人が描いたジャケットの幻想的なイメージも大きいか)
 
正直、歌も演奏はうまくない。普通。
U2クラスの名曲もない。でも、80年代UKニューウェーヴとしては名曲をいくつも残したと思う。
”The Fan And The Bellows” と ”Nostalgia” は機会があったら是非聞いてみて欲しい。
前者の全速力で駆け抜けて地平線が広がるような感覚。
後者はサビのフレーズを聞いたらなかなか忘れられないんじゃないか。
もう1曲挙げると、1作目のラストの曲 ”View From A Hill”
彼らならではの一人きりの感覚を最大限に拡大した、開かれた寂寥感を湛えた曲。
 
2000年代になってメンバーの何人かが戻ってきて再結成するも
オリジナルのアルバムはまあ今一つで
結局はかつての楽曲の再演奏やそのライヴアルバムが多い。
(仲違いやメンバーの死去により、今となっては全員が揃うことはない)
 
今回購入したのは、発掘もののオフィシャル・ブートレグの2枚
「Dali's Picture」「Aufführung In Berlin」(共に1993年)の
リマスター再発のカップリング。
彼ら自身のレーベル、Blue Apple Music より。
 
前者は彼らの活動初期、1981年から1982年にかけてのリハーサル音源を集めたもの。
”Everyday And Crucified” ”Dreams In Celluloid” ”Love Is” といったタイトルに
「The Fan And The Bellows」や「Dreams In Celluloid」と同一音源だろうか?
と思って聞いてみたが全然違ってて、確かにリハーサルっぽい荒さ、
後にリリースされた楽曲のプロトタイプとしての練り上げ途上感があった。
珍しい音源だけど、よほどのファンでない限り手に取るものではないかな。
”The Fan And The Bellows” と ”Nostalgia” の初期バージョンを聞けるのは嬉しいけど。
 
後者は1983年、ベルリンでのライヴ。
彼らの初期の代表曲のひとつ”Less Than Human” から始まるんだけど、
最初の数曲がオリジナルよりもペースを落としていて重たい。
バンドの進化がアレンジの変化(若干だけど)をもたらしているのが興味深い。
Perfume Garden” や ”One Fresh” といった2作目の曲が後半に並ぶ。
彼らのオフィシャル・ブートレグって1作目前後の音源が多く、
2作目の曲が入っているライヴアルバムは少ない。
(「John Peel Sessions」や「The Radio 1 Evening Show Sessions」ぐらいか。
 imaginary Records 以外から出た、数少ない? ライブアルバム)
そういった意味でこのアルバムは貴重だと思う。
 
再結成後の The Chameleons は再発に力を入れていて、
昨年も「Script Of The Bridge」の40周年記念盤とか。
今回の「Dali's Picture / Auffuhrung In Berlin」もその一環だったのかもしれない。
個人的には同じ imaginary records から出ていた
「Live In Tronto」(1992)がリマスターで出ないかなあと。
2作目の楽曲を演奏しているライヴアルバムは少ないと書いたけど、
3作目の楽曲だともっと少ない、というかこのアルバムだけ。
”Paradiso” や ”Caution” など。これらも隠れた良曲。