道端で人助けするべきか?

昨日の夜、22時半過ぎか。
会社から帰ってきて、途中コンビニに立ち寄って夕飯代わりのサンドイッチを買って
アパートまでの道のりを歩いてると視界の端に何か動いているものが見えて、
横を向くと物陰にうずくまる女性の姿。
「あ・・・?」と思うものの足は止まらずに動いていて、そのまま立ち去ってしまう。
女性は明らかに酔いつぶれていた。
「酔っ払いか、じゃあまあいいか」と思うものの、
夏じゃあるまいし、この季節夜ともなるとかなり寒い。
どうしたもんか?引き返すべきか?
・・・結局そのまま歩いていった。


その前の日の昼。
客先での打ち合わせを終え、交差点を歩いていると
杖をついた小柄な老人が呼び止めたタクシーに乗ろうとして、
僕のすぐ目の前で転んで倒れた。
とっさのことなので僕は固まってしまう。
近くを歩いていた男性が駆け寄って大丈夫ですかと声をかけ、助け起こそうとする。
もう1人女性も加わる。
救急車を呼ぶ必要はないと老人は言う。
差し当たりタクシーの中に運ぼうということになり何人かで抱えることになったのだが、
両肩は既に男性と女性とががっちり押さえていて、
僕は腰の辺りを、としたつもりがずり落ちてお尻に触れる。
それでもまあ仕方ないと進んでいこうとしたら
老人は「お尻の手をどけろ」「これぐらい自分で歩ける」と小声でわめく。
「いいから手を離せ!」ということで、3人ともその通りにした。
よろよろと老人が歩いて、タクシーの中へ。
乗り込んで走り去る。
何事もなかったかのように3人はそれぞれの目的地に向かって歩き出すのだが、
後味が悪いといったらありゃしない。
慣れない、中途半端な人助けならしない方がましだと思った。


そんなことがあったばかりなので、この女性のこともほっておくことにした。
そういえば夏にも似たような女性が似たような場所で酔っ払ってゴロゴロしていたのを見かけた。
同じ女性かもしれない。先ほどの女性は茶色い髪でヴィトンのバッグを手にしていた。
確か前もそうだったような気がする。
この女性はいつもこんなことをしでかしていて、日常茶飯事なのではないか。
・・・と思うことにした。
声をかけて「ほっといてよ」とか「あっち行ってよ」とか言われたらまた今日もへこんでしまう。
逆に、1人で抱きかかえてヨロヨロと家まで連れて行くことになってもやっかいだ。
その途中で吐かれても困るし。
などなど自分に言い聞かせる。
これが「出会い」となり・・・、などとはゆめゆめ考えない。


都会で人助けするのも大変だ。
今のところ、そうとしか言いようがない。