最近話題の
『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』を半分まで読んだ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4907188013/
東浩紀の『思想地図βシリーズ』の最新作で、
津田大介らが実際にチェルノブイリを訪れて原稿を書いている。
いろいろと思うことあるけど、
・原発から30km圏内が「ゾーン」と呼ばれ、
その中をガイドする人たちのことが「ストーカー」と称される
ということを知ってゾワッとした気持ちになった。
まさにアンドレイ・タルコフスキー監督の映画ですね。
崩壊した日常生活の風化しかけた残骸の続く風景をひたすら描いていて、
今思うとあれはチェルノブイリやフクシマ、
人工的なカタストロフのその後を予見した映画だったのか。
そこを訪れる人たちややはり思索的にならざるを得ない。
・チェルノブイリを扱った本ってこれまで数冊ぐらいしか読んでないけど、
そのとき何が起きたのか、その後どうしたのか、を知るには
『ゲイトウェイ』シリーズのフレデリック・ポールが取材して構成した
フィクション『チェルノブイリ』に勝るものはないのではないかと思う。
(ノンフィクションではない)
http://www.amazon.co.jp/dp/4061845454/
復旧作業に関わった人たちの背景がきちんと書き込まれていて、
臨場感が素晴らしい。
・本書内の原発施設内外を撮った写真はとても美しい。
ドキュメンタリー映画『ナージャの村』を観たときの印象も
その静謐な美しさだった。
なぜそれは美しく描かれなければならないのか?
ありのままに醜くゆがんだものとはなぜならないのか?
撮る側も観る側もそこに「崇高さ」を感じているからだろうか。
そう、人はそこに「聖地」を求めているのだと思う。