「神田すずらんまつり」『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』

神保町のすずらん通りで
今年の「神田すずらんまつり」が開催されるとのことで行ってみた。
古本屋の間にキッチン南海スヰートポーヅ
三省堂東京堂が向い合って並ぶ有名な通り。
昨年は都内各地の「すずらん通り」、
神保町、銀座、経堂、南阿佐ヶ谷荻窪、立川を駅伝で繋ぐというイベントも有った。


ものすごく暑くなった一日。快晴。日差しが暑い。
昼、「四川一貫」で噂の「ハルチャー」を食べようと行ってみるが休み。
食べログでは日曜が休みとあったが。実際は土曜もなのか。
靖国通りを渡って四川料理の「川菜館」にする。
麻婆豆腐と炒飯のセット。やはりここうまいですね。ビールがあれば最高だった…


すずらん通りに戻ってテントの出店を見て回る。
明治大学のボランティアサークル、FMちよだ、竹とんぼ作り、囲碁、絵本、
女性のためのおひるねカフェ「corne」など。
食べ物だと昨年、上記駅伝イベントで見かけたベルギービールの店や牛串の店。
中華は「上海庭」「三幸園」の大衆系とおしゃれ系と両方、など。
生搾り野菜・果物ジュースの店もあったなあ。
ベルギービールの店でスリランカのライオン・スタウト600円と
ハーブ入りのソーセージ350円を買う。
追加で「上海庭」のとこの出店で缶ビールを買う。
スーパードライ350mlが210円とこういうイベントでは破格の安さ。
夕方に再度立ち寄ると通り全体で150円と値下げしていた。
10本ぐらいまとめ買いして買えればよかった。


パラソルの下の椅子に座ってビールを飲んでいると
竹とんぼ作りのテントで朝からいたという初老の男性が牛丼を片手に
「ここ、いいですか」と。話を聞く。
以前の「まつり」ではすずらんの鉢植えをプレゼントしていたが、
スポンサーのANAが下りてしまったので残念ながらなくなってしまったこと。
すずらん通り」も最初は周辺の取次の店で首を切られた労働者が
存在をアピールするために初めてものであって
商店街も最初は嫌がって参加しなかったどころか店を閉めていたのが、
最近は古くからの店が出て行って入れ替わったので
商店街も前向きに参加してくれるようになったこと。


14時から「第四回神保町寄席」今日はこれが目当てだった。
入場料2,000円。この機会に寄席というものを見ておこうと。
エレベーターで8階催事場へ。定員80名が満席。
最初に三省堂の社長の方が挨拶をする。
戦前、NHKの前身がラジオ放送していた
晦日の「ゆく年くる年」は「除夜の鐘」という名前であって、
年の瀬の情景を中継していた。
その街の声を毎年拾っていたのが浅草と、ここ神保町のすずらん通りであるという。


登場したのは4名。
前座の柳家蝠よし、二ツ目柳亭小痴楽、女性真打の桂右團治、真打の古今亭菊之丞
前座・二ツ目はまだ初々しく堅苦しく勢いでこなす感じだけど
真打ちともなると違いますね。
特に4人目の古今亭菊之丞を聞いて「あ、落語って面白いもんだな」と。
マクラで話していたこと、その内容を後で言葉で考えると
何が面白かったのかよくわからなくなってくる。
しかしあの独特の口調と間合いで話しているのを聞いてるともうそれだけで面白い。
落語の型というか。笑いの空気に包み込まれるというか。
確かにこれは「笑点」を見るだけではなく、リアルに寄席を聞きに行ったほうがいいな。
(しかし、ビールと昼間の暑さで途中寝てしまったのだった)
おみやげということで三省堂一階にオープンした和風雑貨屋「神保町いちのいち」の
「神保町ふきん」をもらった。


「小宮山書店」脇の地下を下りていく「伯剌西爾」でアイスコーヒーを飲む。
落語の会場も暑くて、水を何杯飲んでも飲み足りなかった。


夕方は三田線で日比谷まで行ってシャンテでコーエン兄弟の最新作
インサイド・ルーウィン・デイヴィス』を観る。
http://www.insidellewyndavis.jp/
公開2日目。ほぼ満席。
ボブ・ディラン前夜のニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーン。
ディランになれなかったその他大勢のうちの一人、ルーウィン・デイヴィスが
オー・ブラザー!』のように辿る遍歴。
ひとつの曲を歌うにもその背景には様々な物語が折り重なっているものだと
最後にギターを持って一人歌う場面でしみじみ来た。
主演のオスカー・アイザックは自分でギターを弾き、歌ったのだとか。
しかもライヴ撮影。ここにやはり歌と演技の力が宿ってますね。
重みというか説得力がある。
前回のカンヌでグランプリというのも納得した。『ノーカントリー』以来の傑作。
このオスカー・アイザック、舞台挨拶で来日するはずが直前でキャンセル。
体調不良だったか。InterFMの「バラカン・モーニング」で聞いた。


それはそうとパンフレットを読んでいたら
コーエン兄弟にとってこの『インサイド…』は
「最後のプリント作品になると言われている」とあって、
まさか引退ってこと? それともデジタル配給ってこと?