熊本城マラソン 前篇

5時半起き。まだ暗い。
朝食はおにぎり、なめこの味噌汁、リンゴとバナナを少し。
ランニングウェアに着替え、ナンバーカード(ゼッケン)を貼る。
シューズに GPS 用のチップを括りつける。


7時前。義父に熊本城近くまで車で送ってもらう。
鶴屋デパートの手前で車両規制。そこから歩いて行く。
揃いのヤッケを着たボランティアが大勢いる。鶴屋前にステージができている。
先に進もうとするとゼッケンを見せないと行けない。


神社の前で待ち合わせ。
妻の高校の友人たちが毎年集まって走っている。
抽選に外れた人はエイドに回る。
30kmのエイドで受け取るアミノバイタルを預ける。塩飴やブドウ糖をもらう。
皆で記念撮影。エイド隊が出発。
9時前に着かないと場所取りがうまくいかず、かつ交通規制もかかって入れないのだという。


トイレに行って、直前用のアミノバイタルを飲んで手荷物をトラックに預ける。
事前申告のタイム別に出発のブロックが決まっていて、僕はDブロック。
見渡す限り前も後ろも大勢のランナー。12,000人が走るという。
ほとんどが寒さ対策のために昨日配られたオレンジ色のポンチョか、
市内の幼稚園児の応援メッセージの書かれた透明なゴミ袋をかぶっている。
8:20より開会式。市長の挨拶など。
ゲストランナーの瀬古利彦や地元出身の KEYTALK のボーカルなどが出てくる。
快晴だが、気温は低い。ダウンジャケットを脱ぐと寒い。吐く息が白い。
トイレに行きたくなるが8:40で締切。
サンプラザ中野がランナーのサビを歌う。
「はしるーはしるーおれーたーちー」
水前寺清子365歩のマーチ


寒さゆえにどうしてもトイレ行きたくなってコースの脇に移動して、
ボランティアの方にトイレに行きたいので外に出たいと言うと、
締め切っているのでDブロックには戻れず、スタート地点がずっと後になると言う。
諦めて外に出ずに端の方にいたらテレビ局のカメラがちょうど僕の前に止まった。
後で聞くと中継に映っていたらしい。
スタート直前、皆がポンチョを脱いで外に立っているボランティアに手渡す。
届かないと丸めて投げる。頭上を行き交う。


9時になって30kmレースがスタート。
ラソンの父、金栗四三の名を冠しているだけあって、実業団や大学の招待選手などで本格的。
2分遅れでフルマラソンスタート。しかしなかなか集団が動かない。
最初数百メートルは鶴屋デパートのあたりまで歩いたかな。
それでようやく走り始めてもモタモタしててランナーの間を縫って走る。
なかなかペースをつかめず、しかもトイレに行きたい。
ようやく最初の仮設トイレエリアを見つけるが、案の定長蛇の列。この後何回かトイレに入る。
トイレの数はもっとあってもいいと思う。


その後は順調にスイスイ走る。
20km辺りまではこれまでで最も調子よく、右足が痛むこともなかった。
さすがにその辺りからペースが遅くなって、後方から来た速い人たちに追い越されるようになった。
こちらが1時間ぐらい走って10kmになった頃だろうか。
折り返して向かいのコースでは30kmレースのトップが既に戻って来ていた。
短距離走のようなスピードで駆け抜けてゆく。


往年の東京マラソンのように仮装した人は少なく、今回はやはりピコ太郎が多かった。
くまモンは熊本だからということに関係なく多く、ピカチュウも同じぐらい多かったように思う。
他、ラムちゃんの格好をした女性の方であるとか。つまり、毛皮のビキニ。寒くないのだろうか。
後半しばらく抜きつ抜かれつ一緒に走っていたが常に歓声が上がり、声をかけられていた。
他全然似てないけど声のかかるたびに「ふ〜」とやてくれるマイケル・ジャクソン
最近ならではのところでは勇者ヨシヒコ。
ディズニーのアラジンだろうか、青のヒラヒラした衣装を着た双子? の女の子と20km辺りで何度も一緒になった。
彼女たちの方が基本早いんだけど沿道から声をかけられるたびに立ち止まって一緒に写真を撮る。
僕は追い越すのだが、少しまたして追い越される。それを何度か繰り返した。
コスプレのできる人たちはやはり基本的にかなり走れないといけない。


妻から事前に聞いてたけど沿道の応援がすごい。
家族や会社でとか病院やケアハウスでとか大勢が並んで声援を。
チアスティックを膨らませて音が出るのを鳴らしたり。
おばあさんは入院してる方だろうと家族と一緒だろうと元気ですね。
あんまりおじいさんは見かけない、というか目立たなかった。
ザルに飴やチョコを入れてランナーに配ってる子供が多く、僕もいくつかもらった。
ケーキの店では塩アイスを、塩ラーメン屋では塩そのものを山盛りにして店の前に並べていた。
公式の給水所も定期的にあったけど、
元気のいい地元の企業もまた営業所や店舗の前で独自にアクエリアスやバナナを配っていた。
景気のいいところではアミノバリューなど。ゴール前でとてもありがたかった。
自作の曲や歌謡曲をギター弾いて歌ってる人や
(後で聞いた話では「なりきり剛」という芸人が毎年いて、剛のはずがゆずを歌っていたと)、
一緒になって走る子供たち。危ないと追いかける親たち。
豚汁を振る舞う町内会の人たちや、小さなステージでその土地の音頭を踊るおばあさんたち。
手作りのお祭りを楽しもうという意気込みが感じられた。
震災後初めてのマラソン大会ということもあってあちこちで「復興支援ありがとう」と書いてあった。
街並みは多くが復旧しているようだが、崩れたままになってそれっきりの古い家も多かった。