マガーク少年探偵団

小学校の頃は毎週土曜の午後はバスに乗って青森駅までに出て、耳鼻科に通っていた。
とても混んでいるところで13時過ぎに診察券を入れて、呼ばれるのは早くて17時という。
待合室はいつもギュウギュウで座れず外で立って待っている人もいた。
そこにずっといてもしょうがないので、近くの県立図書館に行くのが習慣だった。
(奥の方に移転して今は公園になっているが、その頃は県病と図書館が並んで建っていた)
 
図書館に行くと言っても借りるのは『のらくろ』全集か、
超常現象・怪奇現象のシリーズ本、あるいはSFか。
子供向けの世界文学全集、日本文学全集なんてのはほとんど読まなかった。
なのに本好きでずっと本を読んでいた。
叔父がドライブに連れて行ってくれることになっても
ずっと四次元だのUFOだのという本をずっと車の中でも着いてからも読んでいて、
母に怒られたことをよく覚えている。
 
そんな中、時々児童文学も読んだ。
ズッコケ三人組』のシリーズであるとか。
それと『マガーク少年探偵団』
今でもあるのかなあと Amazon を見てみたら新装版で出たみたいだけど、
それも絶版になっているようだ。かなりの値段がついている。
 
ガキ大将的な番長と、記録係にして語り手の真面目な少年と、
木登りの好きなおてんば娘と、髪の間から出た大きな鼻の利くやつと、
いがぐり頭に眼鏡の頭のいいやつと、
そこになぜか途中から日本から来た空手の達人の少女が加わった。
町にちょっとした事件が起きるとそれぞれの強みを活かして事件を解決する。
それぞれの弱みがストーリーを面白くする。
ああいう探偵団をやりたいなあと読んだ子供は誰もが思ったはず。
実際、探偵「団」とまではいかないまでも
ズッコケ三人組のように身近な仲間と事件を求めて
町を歩いた少年少女たちは多いんじゃないかな。
 
しかしこの日本における探偵会社というのはその仕事の多くは
浮気の証拠を押さえたり素行調査だったりということを知って落胆する。
シャーロック・ホームズはこの世にいないんだなと。
ひとつ大人になり、社会というものを知る。
 
マガーク少年探偵団は2000年代に復刊ドットコムで再刊されたという。
もう一度復刊されないかな。
そのときには買い揃えたい。
童心に戻って読み返したい。