テレビで放送される映画というもの

20代、30代とほとんどテレビを見なかった。
結婚してまた夕飯時、その後と見るようになった。
小さい頃は水野晴郎の「水曜ロードショー」や
荻昌弘の「月曜ロードショー」をよく見ていたものだが、
最近はよほどのことがない限りテレビで映画を見ることはない。
 
今はどうなのかわからないが、CMが途中に挟まったり、
放送時間に合わせるためにところどころカットされてるからな、
というのが刷り込まれているからだと思う。
BSが普通になって地上波で映画をやることが少なくなったから
事情は変わってるのかもしれないけど。
 
インディ・ジョーンズ / 魔宮の伝説』なんかを放送する日は
前々から大々的に予告されていて、
ワクワクしながらその日を待ったものだ。
放送するのがクリスマスや年末の時期だったりするものだから
録画したビデオを冬休みの間、何度も何度も繰り返し見た。
CMが挟まってようと何だろうと早送りせずに見ていた。
 
昔は、1980年代半ばのあの頃は、
「放送時間を拡大してノーカット版でお送りします」
というときには大事件のような扱いだった。
よほどの話題作・名作でないとありえないことだった。
手塚治虫火の鳥』映画版のどれかをテレビで初めて放送するとき、
中学校のクラスメイトは永久保存版とするために
「CMになったら録画を一時停止してCMが入らないようにした」
とまで言っていた。
ビデオデッキを2台並べてCMを削るために編集していた人もいるかもしれない。
 
今もテレビ放映のために映画はカットされてるのかな。
詳しいことはわからないんだけど、あれって
各局が独自にカットしてるのだろうか。
それとも輸入してきた配給会社がカットしたのを
テレビ局に卸しているのだろうか。
前者だとしたら、テレビ局によって
カットして残る部分の方針が微妙に違ってるとか。
TBSはドラマ・文芸寄り、フジはエンタメ寄り、日テレはバランスがいいとか。
それで言うと、吹替の声優も違ってて
ジェームズ・ボンドだったらあの局がいいなあ、というのもあったのかもしれない。
(ネットで調べればその辺の事情がすぐ分かりそうなものだけど、
 いつか他の映画ファンとこの辺りあれこれ話したいのでわからないままとしておきたい)
 
なんにしてもカットされる場面って
ストーリーの起承転結を伝える、見せ場となる、というところ以外のはずなので
監督が自らの作家性を表現した何とも言いようがない曖昧なイメージシーン、
みたいなのは真っ先にカットされたんじゃないか。
その映画の味、とでも呼ぶべきもの。
それってその映画を見たことになるのだろうか? と今更ながら思った。
 
一部でもその映画の場面を見逃していたら、その映画を見たことになるのか。
でもそれって、映画館で途中寝ていたというときにも同じことが言える。
ま、いいのか。細かいことは。
 
中学生の時に繰り返し見た
インディ・ジョーンズ / 魔宮の伝説』のビデオテープはもはや実家にない。
見直すならあの頃の懐かしいCM込みで見たいなあと思う。
今テレビで映画を見るならCMなしで見たい。
でも小さい頃見たものはあの頃のように途中のCM有りで見たい。
なんかちょっとややこしい。