お盆

お盆。
高校の LINE グループにも昨日、青森に帰ってきた、涼しいと。
帰れたのか、うらやましいという声が上がる。
 
昨日スーパーに入ったらお盆セットという名前で茄子やキュウリなどの野菜の詰め合わせが。
茄子に爪楊枝を差してご先祖を迎える、送り出すというのは東京、練馬でも行うのだろうか。
青森にはなかったと思う。
東京はいろいろな地域から来た人たちが住むところだから、だろうか。
幼稚園や小学校ではそういう風習のあることを教えているのかもしれない。
茄子やキュウリといった水気の多い食べ物を取ることで夏バテを防ぐ意味もあった、
とどこかで読んだように思う。
 
夫婦二人と猫だけで暮らしていて、仏壇や神棚が家にないと
特にこの3連休もお盆の雰囲気はない。
ただ、暑い夏があるというだけ。
それが後半戦に差し掛かるのだな、という。
 
昨晩寝ていると突然の土砂降りが。
夏だから普通のこととはいえ、
お盆の前だと何かを洗い清めようとしているのかな、などと夢うつつの中で思う。
お盆のことを取り留めなく考える。
おぼん・こぼん師匠はこの時期仕事が増えるのだろうか、など、
起き上がった今だとどうでもいいことを
布団に寝そべって滝のような雨音を聞きながら真剣に考えている。
そのうちに寝ている。
 
母の実家の仏間を思い出す。
昔の家によくあるように大きな部屋で夏に泊まりに行くと
従兄弟たちや自分はそこで寝ることになった。
立派な仏壇があって、ご先祖様の白黒の写真がぐるりと取り囲む。
小さい頃は写真の中の顔が動き出すんじゃないかと怖かったが、そんなこともなく。
 
今、実家に集まっているのだろうか。
あれだけ大勢が行き来していた家も長い年月を経て今は叔母が一人で住むだけか。
遠くからきて仏壇に手を合わせることはあっても、長居はしないか。
祖父や叔父が生きていたころはあちこちからお中元が届いていた。
缶ビールやジュースの箱とか。
それもなくなって今はすっかり寂しいことになっているのかもしれない。
いつかいかないとな、と思う。