先週買ったCD #185:2024/05/06-2024/05/12

2024/05/07: www.amazon.co.jp
Anna Prucnal 「Concert 88」 \4800
 
2024/05/09: www.amazon.co.jp
Anna Prucnal 「Historie d'amour」 \2965
 
2024/05/10: tower.jp
Dua Lipa 「Radical Optimism」 \2940
 
2024/05/10: www.amazon.co.jp
Joan Armatrading 「The Key」 \595
 
2024/05/12: BOOKOFF 上野広小路
Sharon Shannon & Alan Connor 「In Galway」 \2090
Soulwax 「Essential」 \1100
 
---
Anna Prucnal 「Historie d'amour」
 
Ⅹ(旧:Twitter)でフォローしていた方が最近聞いたというのが目に留まった。
アンナ・プリュクナル。全然知らなかった。
パンクな激情シャンソンを歌ったというので気になり、
中古CDを買ってみようとしたら全然出てこない。
amazon で在庫なしか、あっても1万越え。
(一方で中古レコードだとヤフオクやメルカリでは数百円から売っていた)
 
ようやく、「Concert 88」を5,000円弱で見つけてオーダー。
なんかピンとくるものがあって、どうしても聞いてみたかった。
数日後、もう一度探すと 「Historie d'amour」というベストが3,000円弱で。
もちろんこちらも購入。
どちらも海外の業者だったので届くのに3週間ぐらいかかった。
 
パンクかと言われると、そこまでではない。
激情、熱唱っぽいところはところどころあったが、エキセントリックには感じなかった。
全身全霊感情を込めて歌う、ただそれだけのことだと思う。
曲によっては聞く相手の胸ぐらをつかんで歌う。
 
僕はシャンソンというジャンルのことはほとんど何も知らない。
アンナ・プリュクナルがどれぐらい正統なのか、どれぐらい異端なのか、全然見当がつかない。
例えば、パトリシア・カースやミレーヌ・ファルメールは世代的にだいぶ下か。
彼女たちの歌うポップだったりジャジーだったりするシャンソンとは違って、
もっと土着的なシャンソンというか、日本じゃないのに昭和歌謡のようなシャンソン
どちらが好きかと聞かれたら、迷わずアンナ・プリュクナルと答える。
確かにこの人は、力業で魂に訴えかけてくるようなところがある。
歌う側に必然性があるから、聞く側にも必然性が生まれてくる。
そんなタイプの歌い手だ。
僕個人としては静かに歌う曲の方に魅力を感じる。
誤解を恐れずに言えば、可憐でかわいらしい、とさえ思う。
 
しかし、それがどういう必然性なのかはわからない。
元々女優としてキャリアをスタートさせているので、この歌もまた演技なのかもしれない。
1940年、ポーランドワルシャワに生まれる。
東欧の映画に何本か出演した後で1970年代初めに西側へ。
びっくりしたんだけど、ドゥシャン・マカヴェイエフ監督の『スウィート・ムーヴィー』に出てたんですね。
うろ覚えなんだけど、どの役なんだろ。
冒頭の水兵服姿か最後にチョコレートまみれになった方か。
 
新宿の TSUTAYA でビデオを借りて見たんだったと思う。
(いや、国立のビデオマーケットだったか)
もう一度見てみたいが、叶わないか。
お下劣でシニカルで、この世の良識的なものすべてに冷笑をくれる。
あれ以上の怪作、見たことがない。
いつか DVD にならないだろうか。
 
他、フェデリコ・フェリーニ監督の『女の都』にも出ていたようだ。
残念ながらこちらは見ていない。
 
「Concert 88」はその名の通り、88年のコンサート。
激しく歌う顔が大写しになったジャケット。
「Historie d'amour」は愛の歴史、という意味か。
ベストアルバムと思われる。
ブックレットを参照すると80年代から90年代の曲を集めているようだ。
フランス語ということもあって、曲のことはよくわからない。
最後の19曲目が『カサブランカ』で有名になった ”As Time Goes By
だというのが、タイトルが英語だったからわかったぐらい。
 
1940年生まれということは今年84歳になるのか。
映画、音楽ともに00年代まで活動を続けたようだ。