青森市のロッテリア

昨日、モスバーガーでかなり久しぶりに食べたことを書いた。
僕にとって今も忘れられないハンバーガー屋といえば
青森市駅前、今はアウガの向かいにできたロッテリア
青森市(県?)に最初にできたハンバーガーショップということで
とても話題になった。子供たちは皆、色めき立った。
 
ハンバーガーを売る店が全くなかったわけではない。
その頃、駅ビル「LOVINA」の外れの方に100円バーガーを売る店があった。
テイクアウト専門で。
1個100円という安さが災いして
子供たちにはバッタもんと思われていたように思う。
というか、「東京から進出してきた」という黒船感が大事だったんですよね。
あれはドムドムバーガーだったのか別だったのかよく思い出せず。
 
そんなわけで駅前に連れてってもらうことがあると
ロッテリアに連れてってとなる。
そういえば夏休みのラジオ体操のスタンプカードを皆勤賞で全部埋めると
ロッテリアのポテトがもらえたんだった。
そういう思い出もあってなんだかとても懐かしい。
 
そのロッテリアも今はない。
その後居酒屋になったのかな。
何回か入れ替わったように思う。
青森に帰るたびに、ロッテリアのあったあの角は今どうなってるんだろう、
と気になってしまう。
 
今ふと別なことを思い出した。
古川のバス通りに出るとこ線橋を下りた辺りにゲームセンターがあって
そこのチキンポテトを高校の頃、よく食べていた。
濃い目の味付けで油まみれで、食べ盛りの男子高生にはたまらない。
「ジミー」という名前。ゲームセンターがジミーだったのか、
その中のスナックスタンドがジミーだったのか。
今もあるのかな。さすがにないか。
実を言うと、友人が買うのを一口もらっていた。
あのゲームセンターはいわゆる不良のたまり場で
ビビりな僕はなかなか足を踏み入れることができず。
 
そういう懐かしさで言えば、
合浦公園にあった「こくりこ」という店のフライドポテト。
皮つきで大振りで、揚げたてで。
青森市の中学校の集まる体育大会、中体連? で
スタジアムや体育館に応援に行くとその帰りに。
このフライドポテトも友人が買うのを一切れか二切れもらうというもので、
ジミーと同じ友人。
彼は今どうしてるんだろう……?

20年ぶりの? モスバーガー

モスバーガーが「丸ごとレモンのジンジャーエール」という
期間限定メニューを出していて
そこに熊本産甘夏の果汁を加えていると聞く。
飲んでみたいと妻が言うので昼、行ってみた。
 
光が丘駅練馬春日町駅の間にあったなと歩いていく。
駅の向こう側に出る。
『酒場放浪記』に出ていた「蜻蛉」のある辺り。
さらにその奥は住宅地。これまで歩いたことがなかった。
少し行くと木々に囲まれた公園があった。
遊具がまだ新しく、公園自体もつい最近できたのだろう。
大通りに出るとすぐそこにモスバーガーがあった。
 
混んでいなかったので中で食べることにした。
丸ごとレモンのジンジャーエール
僕はリニューアルしたという海老カツバーガーとかき揚げを挟んだライスバーガー。
妻はとびきりトマトとレタスのハンバーガー。
そしてオニポテ。
 
モスで食べるのいつ以来だろう?
学生時代は国立のバイト先の近くにあって時々昼食べに行っていた。
もしかしたらあれ以来20年以上ご無沙汰だったのか。
社会人になって自分から選んだことはないだろう。
人に連れられて入ったことがもしかしたら一度か二度はあったかもしれない。
 
久しぶりに食べると変わらずおいしかった。
いつも通りノモスだった。
経営が低迷していると聞いた時もあったけど、今は持ち直したのだろう。
その低迷期のメニューを知らずに済んだのは良かったことだと思う。
 
妻は玄米フレークの載ったシェイクがあったら頼みたかったという。
そういえばあったなあ。
学生時代食べに行くと、周りの女性客は皆あれを食べていた。
 
ふたつ食べて物足りず、せっかくだからともう少し頼んでみることにした。
定番のモスチーズバーガーとモスチキンを妻とシェアする。
あーこれだよこれ! 
包んでいた紙の底にケチャップや玉ねぎがたっぷり残ってて、
それをチュウチュウしながら食べる。
口の周りが真っ赤になる。
妻は「高校時代、モスではデートできないって皆で言ってた」と。
いや、でもこれ込みのモスバーガーだよな。
 
ハンバーガーをふたつ半、それにモスチキンにオニポテも半分ずつ。
腹いっぱいにして店を出る。
二人分で3,000円以上となった。
モスでこんな使うとは……
公園を散歩しながら帰って、途中図書館に寄った。

モンスナック閉店

昨日朝、出がけの妻に夜、何を食べたいか聞くと夏野菜のカレーだという。
材料を買いに行って夕方、仕事がひと段落して作り始める。
ナス、オクラ、インゲン、赤と黄のパプリカ。
こんなときは挽肉が定番かもしれないが、今回は割引きになった豚小間で。
タマネギ、にんにくのみじん切りと生姜のすり下ろしたのを
炒めてベースにするのはいつものカレーと変わらず。
 
水を全く加えなかったのに野菜からどんどん水分が出てきた。
ルーを使わずに、スパイスだけでつくった。
カルダモン、コリアンダーガラムマサラターメリック、チリパウダー……
エスビーのカレー粉の小さい缶も買ってきて半分はそちらで。
けっこういい感じに出来上がった。辛さもちょうどいい。
野菜からは水分だけではなく少しとろみも出た。
シャバシャバ系のカレー。夏らしくてよい。
 
今日は会社を休んで月一の花粉症の薬をもらいに飯田橋へ。
昼食べたかった店があるけど、開店前。
ゲリラ豪雨のせいかクリニックも薬局もすぐ用事が済んでしまった。
雨の中待つのも嫌だなあと新宿に移動した。
 
そうだ、と思い出す。
紀伊国屋書店ビルの老朽化に伴う耐震補強工事の一環で
地下の飲食店の多くが閉店になるという。
上の階の DiskUnion も来月別のビルに移る。
新宿地下街のカレーの有名店、モンスナックもまた来月閉店することに。
行ってみると店の前に10人ほどの行列。
学生時代から20年以上食べてきて、
ここが行列になってるの初めて見た。
有名店、人気店、昭和半ばからの歴史のある店だけど、
基本は町のカレースタンド。行列は似合わない。
 
僕も並んで最後のモンスナックを味わうことにした。
10分ほど待ったか。
いつもならカツカレーだけど、
今日はせっかくだからと豪勢にコロッケと茹で卵も追加。
周りの人たちの大半がカツカレーだったかな。
 
注文を受けてから揚げるので少し時間がかかる。
その分、アツアツのカツ、ホクホクのコロッケがおいしい。
新宿でシャバシャバのカレーと言えばここ。
でもスープカレーというのとは少し違う。
どんなふうにつくってるんだろうなあ。
肉と野菜といろんな具材を煮込んで、独自に調合したスパイスを加えて。
ごく当たり前のレシピなんだろうけど、何かが違う。
結局それは最後まで分からないまま。
 
壁には有名人の色紙。
いろんな人に愛されてきた。
なくなってしまうのはもったいないな。
同じ並びにあった珈穂音のようにどこかに移転するのだろうか。
 

『「都築響一の眼」vol.4/portraits 見出された工藤正市』

月曜、21日の毎日新聞夕刊を見ていたら
工藤正市という青森市出身のカメラマンのことが紹介されていた。
若い頃は写真雑誌への投稿で評価されたが、後に仕事に専念。
勤務先の新聞社、東奥日報では写真部長を務めたという。
2014年、84歳で亡くなる。
近年、家族が押し入れの中に眠っていた大量のネガフィルムを見つける。
インスタにその写真を一枚ずつアップしていくと国外からもフォロワーが。
そういう方がいたなんて、全く知らなかった。
再評価ではなく、再発見されたほぼ無名だった写真家。
 
新聞には橋の上を肩を組んで渡る少女二人の写真が
大きく引き伸ばして掲載されていて
なんとも美しく懐かしい情景だった。
鉄製のとても立派な橋で、青森市のどこなのだろう? と気になった。
若い頃の通勤風景だったのでは、と新聞では推測していた。
 
都築響一の連続企画の一環として
馬喰横山のギャラリーで写真展が開催されているという。
『「都築響一の眼」vol.4/portraits 見出された工藤正市』
https://www.tokyoartbeat.com/event/2021/4D58

26日、土曜までとあったので
昨日午後休を取って見に行った。
神保町の DiskUnion で CD を売る。
査定の間、「やきとり屋神保町」で久しぶりに親子丼を食べた。
ギャラリーがオープンするのは15時からで、
1時間以上時間があった。
曇りでさほど厚くはなかったので神保町から歩いてみることにした。
靖国通りを東へ、小川町、線路をくぐって岩本町。
この辺りまでは神保町で働いていた頃、昼を食べに遠征していた。
その先は初めて。
問屋街となるのか。色褪せた昭和がどことなく残っている。
 
この辺りだろうか。
目の前に都立一橋高校とあって、
卓球や軟式テニスなどいろんなスポーツが
全国大会優勝や優秀な成績で垂れ幕がかかっていた。
清洲橋通りに入る。
ここは繊維・織物・縫製関係の問屋街のようで
あちこちにタオルやユニフォームと書かれた看板が。
路地に著とは言ってみると
小さな問屋の棚いっぱいに積まれた在庫や
せっせと手仕事を続けるおばちゃん。
その中で「エトワール海渡」の看板が林立しているのが目立つ。
ショールームや倉庫など一大勢力を築いていた。
同じような小さな問屋から初めて、
大きく成長させた経営者がいたんだろうな。
他、昔ながらの蕎麦屋がちらほらとある近くに
こじんまりとした新しいギャラリーがあったり。
 
写真展を開催していたギャラリーも雑居ビルの一室。
この界隈はエリア・リノベーションの本を読んだときに事例として出てきた。
古いビルを改装して若者にカフェや雑貨屋をオープンさせるのだという。
あるいは事務所やワーキングスペースに利用するか。
ここもそうだった。
4階に上がって廊下の突き当りの先に非常階段が。
外に出ることができて見てみるとマンションの間に挟まれて
昔ながらの問屋の建物が肩を寄せ合っていた。
 
15時のオープン過ぎにギャラリーの中に入る。
8畳ぐらいの広さ。既に何人か先客がいる。検温する。
写真は20枚ほど展示されていたか。
1950年から1962年にかけての青森の風景。
路地裏のバラックに人が集まる。
バスの中で乳を含ませている女性。
女の子たちは皆おかっぱ。
この頃はまだ普通に馬や牛が通りを歩いていたのだな。
恐らく、青森駅前から古川にかけてではないか。
今の東奥日報の本社ビルのある辺り。
 
青森の冬の厳しさを売り物にするような写真はなく、
市井の人々の何気ない日常の風景ばかりだった。
何気ない笑顔。何気ない明るさ、力強さ。
この風景ひとつひとつに尊いものを感じた。
青森市に育った者として、
こんな素晴らしい写真を残してくれてありがとうと思った。
 
ギャラリーには発見されたネガフィルムの一部や、
当時投稿した写真雑誌も展示されていた。
 
みすず書房から9月に写真集が刊行されるのだという。
神保町の書店「書泉」で事前オーダーできたので、
家に帰ってからさっそく予約した。
届くのが楽しみ。
青森の母にも一冊送ろうかと思う。

接触事故

昨日、こんなことがあった。
家の近くのセブンイレブンまで歩いて行った。
大通りに面していて、隣に駐車場がある。
車が一台出ようとしていたところで、
僕に気づくとゆっくりバックし始めた。
そのとき、背後にもう一台動き出していた車があって
トンと接触する音が。
派手にぶつかったわけではない。しかし……
 
チラッと見るとどちらの車もガテン系で体格がよかった。
どうなるんだろう、と思うも
首を突っ込むことではないよなとそのまま立ち去った。
両方の言い分を聞いて何かを裁定するとか、
証言を求められることでもない。
一方で僕も物陰から不意に現れたわけではなく、
普通に通りを歩いていただけ。
なんだかとても微妙なことになった。
 
ぶつけた側の運転手が車に乗ってエンジンをかけたときには
恐らくぶつけられた側はまだ停止していたのだろう。
バックするときに後方を確認すべきだった。
妻にこのことを話すと
「なんでバックするのか。一時停止でよかったんじゃないか」と。
それもそうだ。
僕という歩行者の邪魔にならないようにという善意からだと思いたい。
それでそんな目に遭うとは運が悪すぎる。
僕なんかが歩いててごめんなさいと無闇に謝りたくなる。
 
セブンイレブンでの用事を終えて外に出る。
裏から出て別の道を行くか、とも思ったが、
僕自身にはやましいことはないんだしと先ほどの駐車場の前を通った。
呼び止められて
「てめえがいなかったらこの事故はなかった」
とすごまれることにならないかと、びくびくしながら……
 
二台の車はそのままにせず、
駐車場内の離れた場所にきちんと停められていた。
二人の男性がこちらに背を向けて腕を組みながら
あれこれ静かに話し合っていた。……ように見えた。
殴り合いの喧嘩にはなっていなかった。
僕に気づくこともなかった。
 
しかし、通り過ぎた後で大声が聞こえたような気がした。
何かを期待しての空耳なのかもしれない。
気になったけど、引き返してそこで首を突っ込んだら
それこそ大変な目に遭うじゃないかと。
空耳だ、何も起きなかった、
ぶつけた側が修理代を払うことで決着して
10分後にはそれぞれの仕事に戻るだろう。
 
歩道橋を上って向こう側に渡る。
だいぶ離れた地点まで来たところで
振り返ってセブンイレブンの方を見てみるが、
駐車場の中までは見えない。
 
何にしても己の小ささばかりを感じさせられる出来事であった。

先週買ったCD #36:2021/06/14-2021/06/20

2021/06/14: www.amazon.co.jp
Natalia Lafourcade 「Hasta La Raiz Edicion Especial」 \2143
 
2021/06/14: diskunion.net
山崎まさよし 「The Road to YAMAZAKI ~ the BEST for beginners ~ [SOLO ACOUSTIC]」 \580
Fugazi 「Steady Diet of Nothing」 \680
※リマスター盤かどうかわからず、買い直し
 
2021/06/14: www.hmv.co.jp
四人囃子 「Ride on See-Saw」 \6600
Iggy Pop 「1977 - The Bowie Years」 \12650
Fleetwood Mac 「Live Dluxe Limited Edition」 \11197
 
2021/06/14: www.hmv.co.jp
Legend オブ伝説 a.k.a. サイプレス上野 「LENGEND オブ P-VINE 日本語ラップ MIX」 \420
 
2021/06/14: www.amazon.co.jp
Keren AnnKeren Ann」 \700
Keren Ann 「Not Going Anywhere」 \1080
 
2021/06/15: www.hmv.co.jp
佐野元春 「MOTOHARU SANO THE COMPLETE ALBUM COLLECTION 1980-2004」 \38150
 
2021/06/15: www.amazon.co.jp
Zap MamaZap Mama」 \58
Pop Will Eat Itself 「The Best of PWEI」 \700
 
2021/06/16: diskunion.net
※商品に不備があって買い直し
 
2021/06/16: www.hmv.co.jp
サザンオールスターズ 「綺麗」 (\2305)
Superfly 「"Love, Peace & Fire" - Special Edition - 」 (\2530)
山崎まさよしFM802 Live Classics」 (\2343)
Leonard Cohen 「Live Songs」 (\1518)
Creedence Vlearwater Revival 「Willy and the Poor Boys」 (\2121)
HMV のポイントで
 
2021/06/16: www.hmv.co.jp
Imogen Heap 「I Megaphone」 \330
Imogen Heap 「ICON」 \850
 
2021/06/16: www.amazon.co.jp
Hanne Hukkelberg 「Rykestrasse 68」 \93
 
2021/06/17: diskunion.net
荒井由実YUMING BRAND」 \1700
浅川マキ 「こんな風に過ぎて行くのなら」 \4450
浅川マキ 「闇の中に置き去りにして ーBLACKにGOODLUCK-」 \3850
bvdub 「Resistance Is Beautiful」 \582
 
2021/06/17: www.amazon.co.jp
Frou Frou 「Details」 \300
Meat Puppets 「Huevos」 \1300
※リマスター盤を買い直し
 
2021/06/18: www.amazon.co.jp
Zap Mama 「Ancestry In Progress」 \1
 
2021/06/18: www.amazon.co.jp
Roberto & Gaby Casadesus 「French Piano Music for Four Hands」  \300
 
2021/06/19: diskunion.net
Imogen Heap 「Eclipse」 \480
Buffalo Springfield 「Last Time Around」 \880
※商品不備があって買い直し
 
2021/06/20: diskunion.net
Meat Puppets 「Meat Puppets II」 \580
 
2021/06/20: www.hmv.co.jp
Creedence Clearwater Revival 「Cosmo's Factory」 (\2101)
Tal Farlow 「Plays the Music of Harold Arlen」 (\1980)
Erykah Badu 「Worldwide Underground」 (\440)
HMVのポイントで
 
2021/06/20: www.hmv.co.jp
Imogen Heap 「Speak For Yourself」 \330
 
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bvdub 「Resistance Is Beautiful」
 
昨年の今頃、友人が facebookinstagram で紹介していた
中国で活動しているアメリカ人アーティスト bvdub の新作。
パッケージには毛筆による手書きで一文字、
それぞれ異なる漢字が書きこまれている。
それをつなげると一つの詩になるという。
313枚限定のCD-R。つまり、313文字の詩。
それは面白いとさっそく僕も取り扱っていた
LINUS RECORDS というところでオーダーしてみた。
 
薄手の茶色い厚紙で、
裏面には糸を巻く平たいボタンが上下に2カ所。
昔の書類入れのよう。
表面に書かれていたのは『前』か『荀』か。
達筆過ぎて分からず……
挟まれていた紙には中国人の書家の名前が記されていた。
CD-Rに焼くのも含めて、これら全てハンドメイドだという。
 
後日、LINUS RECORDS よりメールが来た。
購入者がジャケットを写真に撮ったのを集めて
本来の詩を形作った一枚の写真にするのを bvdub が望んでいると。
おー、それはいいと僕もすぐ写真を撮って送った。
そういえばあれはどうなったのだろうと
レーベルの bandcamp を見てみたが特に発表はされていなかった。
なかなか全部集めるのは難しかったのだろう。
でもこれはとても素敵な試みだと思った。
 
「Burn Back Time」というタイトル。
全4曲入りで、78分という大作。
北欧の大地にオーロラのかかるような、壮大にして幽玄なサウンドスケープ
儚い美しさに満ち溢れた、この世ならぬ別世界を垣間見せてくれる。
長い冷凍睡眠に入った Cocteau Twins とでもいうか。
決して醒めることのない眠りに就いていても、その心臓は緩やかに脈を打ち続ける。
美しくも、どこかに絶望がある。
希望はある、なのにそれはひどく遠いところにある、というような。
聞き返すたびに違う風景が見えてくる。いや、違う夢か。
聞き込むほどにその素晴らしさが伝わってくる。
最初僕はわからなかったが、今は名作だと思っている。
 
ところどころ男性ヴォーカルや女性ヴォーカルが入るんだけど
何を歌っているのだろうと気になった。
313文字は関係するのだろうか。
 
この bvdub という方はすごい多作なようで、discogs を見てみたら
2007年から今に至るまで、40枚近いアルバムを発表していた。
もしかしたら discogs でも全て情報が網羅されていないかもしれない。
DiskUnion でいくつか見てみると
アルバムによってはリズムが強調されていたり、ギターが導入されていたりという
違いがあるようだけど、
正直、 この手の音楽に明るくない僕には違いがそんなに感じられないだろう……
 
今回入手した「Resistance Is Beautiful」も大きくは変わらない。
こちらもCDの収録時間目いっぱいの5曲。
往年のブライアン・イーノを思わせる幾何学的なアンビエント・ドローンに始まって、
徐々にリズムを前面に打ち出したダンスミュージック的盛り上がりへ。
反復するビートのずれが展開を作っていく。
しかしその中にレジスタンス、とあるだけに性急な澱みのようなものが感じられる。
「Burn Back Time」よりも10年近く昔の作品だけあって
こちらの方は人工的な感触がまだ色濃い。
風景というよりも、街並み。
ジャケットにはパーカーを着て俯いて、顔が全く分からない長い髪の女性の姿。
ホラー映画や心霊写真のような怖さ。
 
中国の紹興市在住だという。紹興酒紹興
地図を見たら東シナ海に面していた。
浙江省杭州市が近い。
 
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Imogen Heap 「Speak For Yourself」
 
数年前、テーマを決めて選曲して聞いてもらうというイベントを
何回か開催したことがあった。
その初回が『女性シンガーソングライター入門』
フィオナ・アップルやシーアへと至るという流れ。
LGNTQ+ の世の中では言いにくいことだけど、
僕が一番好きなジャンルは女性シンガーソングライターなのだと思う。
 
先日、二子玉川に行ったときに高島屋紀伊国屋書店に入ったら
レコードコレクターズの増刊で『女性シンガー・ソングライターの系譜』
というのが出ていた。監修が渡辺亨なので間違いないだろう。
迷わず買って家に帰ってすぐ読み始めた。
ざっと見たところ、取り上げられたアルバムの半分は持っていたのでホッとした。
しかし、中南米・北欧・R&Bもカバーしているので
全然知らないというアーティストも結構多かった。
恥ずかしながら最近話題の
ベッカ・スティーヴンスやフィービー・ブリージャーズを僕は知らなかった。
 
そんな中でイモージェン・ヒープの名前を見かける。
変わった名前なのでどこかで聞いたことがあるような気がするが、
聞いてみようと思ったのはこれが初めてだった。
紹介されていたアルバムは2作目の「Speak For Yourself」
しかしこれは国内盤の入手がかなり難しいようで、
amazon を見てみると
状態のよくないレンタルアップ品を除くと5万を超える値段がついていた。
他のアルバムは国内盤の中古が数百円程度。
何かとても気になって一気に買い揃えてしまった。
・1作目「I Megaphone」(1998)
・別ユニット Frou Frou の1作目「Details」(2002)
・3作目「Ellipse」(2009)
・廉価版ベストアルバムのシリーズ「Icon」
(2010 なぜか「I Megaphone」「Details」の曲を半分ずつ収録)
 
スコットランド出身、解説を読むと
その変わった名前にはケルト語の『母』という意味があるようだ。
矢井田瞳が大ファンになって日本のコンサートに招かれて客演している。
(そのときのライヴアルバム「Music Pool 2002」に
 1曲収録されていて、今取り寄せている)
基本は寡作、ミュージシャンズミュージシャン的立場のようで、
テイラー・スウィフトの大ヒット作「1989」でも1曲共同プロデュース。
ハリー・ポッターと呪いの子』のサントラも手掛けている。
 
何ともつかみどころのない音楽、というのが
1作目「I Megaphone」を聞いた時の印象だった。
特徴的な声ではないし、この人ならではの曲調があるわけでもない。
アコースティックな曲もあればプログラミングが主体の曲もある。
強いて言えばノイジーで暗めのアラニス・モリセットか。
しかし、なんかある、この人にはある、と思わせるものがあった。
それが何なのかはいまだにわからない。
それを感じ取れる人、波長の合う人はごく少数なんじゃないかと思う。
 
2作目の「Speak For Yourself」も結局、輸入盤の中古で買った。
いつもなら国内盤が出てくるまで気長に待つんだけど、
居ても立ってもいられなくなった。
聞いてみて確信する。
確かにこのアルバムが群を抜いていい。
この人の持っているものって、聞き手に対して
その人にしかわからない暗号を送ってきて来ているような
ある種の寂しい親密さの感覚なのだな、という気がした。
 
「Speak For Yourself」は ”Hide and Seek” という曲が有名で、
日本でも放送されたアメリカの青春ドラマ『The OC』で使われたのだという。
コンピューターで変調された、歪められた声が
かえって生々しい声を、その物寂しさを感じさせる。
僕や君のひとりぼっちを表した曲として、
多くの人に忘れられない印象を残したであろう。
 
この世に存在する楽器、
それまでこの世に存在しなかった音を組み合わせて
このアルバムだけの音の世界を、
不用意に近づいたら壊れそうになる世界を形作る。
ダンスビートもかきむしるギターも、
真夜中の窓を濡らす雫の音も、全てが等価にひとつの曲を形作る。
美しく、儚い。
イモージェン・ヒープと、聞き手の僕や君しかいない世界。
ここまで純粋な、吸い込まれそうになる孤独、
聞いたのは何年ぶりだろう。
現実の血の流れることのない、想像上の傷跡だらけの音楽というか。
 
女性シンガーソングライターの名盤10枚選べと言われたら
僕はこれから先、必ずこのアルバムを選ぶ。
死の一歩手前、生と死の間の虚ろな時間と空間って
こんな感じなのだろうと思う。
 
しかしそれも僕が、彼女の音楽と波長の合うごく少数派の人だから、
という気がしないでもない。

身辺雑記:06/14-06/20

06/14(月)
 
昨晩から肌掛け布団に。
これまではみみたが夜中、カリカリを出せニャと噛みついてきても
分厚い掛布団の中に潜るという手が使えたが、肌掛けだとそうもいかず。
かぶっても上から普通にバリバリしてくる。
一晩に5回か6回は起こされた。
 
7時起き。
朝から雨。そろそろ梅雨入りか。今週ずっと雨のようだ。
縄跳びは見送り。クッション腹筋、コーヒー。
こころ旅は山形。今回の旅では青森は訪れず。
 
この日は打ち合わせはなし。
いくつか状況確認。
PowerCenter の移行手順書を時間のあるうちにつくっておく。
データ流通ビジネス本の続きを読む。
 
昼休み、駅前のワイモバイルへ。
だいぶ前から使っている Pocket Wi-Fi を機種変更しようと思うが
そもそも契約内容の確認が行えず。
調べてもらってついでに支払いのカードを変更する。
昔は Pocket Wi-Fi が何種類か出てたのがテザリングのこの時代に
消えゆくものなのか。最新の機種が2019年8月。
コロナ禍では使うことがほとんどないし、
もう少し待って新しいのが出てからにしようと思う。
 
帰りにLIVIN に寄ってかき揚げとチキンチーズかつを買って帰る。
昼は冷凍ご飯を解凍して乗せて食べる。
午後晴れる。
夕方、ライフに買い物。
『いとみち』の続きを少し読む。
 
鶴瓶の家族に乾杯はサッカーの北澤。しゃべりがうまい。
酒場放浪記は吉田類先生がおうちキャンプ。
仕込みか、というぐらいあれこれグダグダだった。
火吹き棒を伸ばさずに遠くからフーフーしていたり。
逆転人生は極度に緊張しがちなのにバーテンダー世界一になった男性。
 
妻の帰りが遅くなる。
夜はモロッコいんげんの味噌炒め。
野菜スティックにバーニャカウダのソースを。
ローストビーフ
町中華は再放送。
月曜から夜ふかし、つい見てしまった。
午前1時に寝る。
 
小林亜星亡くなる。
 
---
06/15(火)
 
今日もみみたに何度か起こされた。
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
昨日関東甲信越地方梅雨入りというのが嘘のような快晴。
 
掃除機の吸い込みがよくないな、どこか詰まってるのかなと
あちこちパーツを外してみたら筒の入口に
みみたのボールがスポット挟まっていた。
誰が入れたのか……
僕が気づかずなのか、みみたなのか。
 
昼前にライフ。昼は蕎麦。
『いとみち』の続きを読んで、少し昼寝。
 
午後、先週終わり切れなかった移行の打ち合わせ。
後味のよくないことになっていたが、今週はすんなり。
あっさり終わった。
夕方、コンサル部門の方との打ち合わせに同席。
 
こころ旅。サラメシ。
バス乗り継ぎ旅を途中から見る。
竜飛岬を目指していた。
鑑定団を途中まで。傘を持って妻を駅に迎えいに行く。
 
夜は昨日の野菜スティックの残りでスープ。
大根、人参、セロリ、玉ねぎ、ピーマン、生姜。
出汁パックと塩だけで味付け。
豚小間、にんにく、刻んだザーサイ、ネギ、玉子のチャーハン。
 
猫歩きは浅草界隈。
ぼっちキャンプは見覚えあるなと思ったらシーズン2の再放送だった。
 
---
06/16(水)
 
6時ぐらいから豪雨。雷も鳴っている。
雨雲レーダーを見ると新座~練馬界隈がピンポイントで真っ赤。
一番ひどいときにはBSも映らなかった。
7時半には峠を越した。その後も雨。
 
7時起き。クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
この日は打ち合わせなし。
差し迫った仕事もなし。
昨日の打ち合わせで出てきたリサーチ作業など。
 
雨が止んだので今のうちにと午前中、ライフへ。
買い物を終えて、もうすぐ曲がり角を曲がったら
家のある通りだと歩いていたら雨が。
こんな時に限って油断して折り畳みがトートバッグにあれこれ詰め込んだ底の方。
もう少しで着くというのもあって家まで走っていくうちにどんどん強くなって
家に着いた頃には土砂降り。
窓も開けっぱなし。
サンダル履きの裸足で歩いたところと雨の降り込んだところと雑巾で拭いて回る。
妻には図書館で本を借りるのも頼まれている。
いつまた降ったり止んだりかわからないので
濡れたTシャツを着たまま、図書館へ。
帰ってきてシャワーを浴びてきていたのを洗濯する。
 
昼は以前義弟から送られてきた鯖水煮の缶詰。
味付けはアヒージョ風。トマトを切ってオイルをかけて食べる。
パックのご飯を温める。
その後昼寝。
 
こころ旅。
『いとみち』の続きを読む。
はまって一気に読み終えた。面白かったので2巻もオーダーする。
 
妻の帰りが今晩も遅く。
疲れているというのでお粥にした。
中華スープで味付けして、溶き玉子を。
ザーサイ、ネギ、武田ハムのチャーシューをトッピング。
 
お笑い実力刃を見る。ナイツが漫才とコント。
お笑い演芸館の昔ので
浅草演芸ホールでやってた方がイキイキしていたなと思う。
午前0時半に寝る。
 
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06/17(木)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
晴れたり曇ったりしていたのが、
11時ぐらいにバケツをひっくり返したような土砂降り。
しかしそれも10分ぐらいでピタッと。
 
お客さんの方で事業所のワクチン接種を行うと連絡が。
練馬区よりも早く実施となりそうで、こちらに入れてもらうか。
 
この日午前中は事業部のDX検討の仕事。
計数集計に向けて準備。
 
昼、賞味期限切れのインスタントラーメンを茹でる。
武田ハムのチャーシューを乗せる。
 
午後は提案の打ち合わせ。
その後、前のPJの打ち合わせ。そろそろお役御免とできそう。
夕方、データサイエンティスト×AIの会社の若い社長による
社内向けのイントロダクションの講演会。聞いてみる。
 
こころ旅。
夜は妻のリクエストで筑前煮。
ごぼう、人参、レンコン、鶏肉、インゲン、こんにゃく。
蒟蒻は手で千切る。
鍋の中に出汁パックを放り込んだらスッと立っていた。
出汁柱が立つ。そのせいかおいしくできた。
 
迷宮グルメは松戸。
お笑い演芸館vsはラジオ好き芸人。
アルコ&ピースとAマッソ。いい組み合わせ。
ルイ・アームストロングの名前が出たところで来週へ。
アメトーク見たかったが、このところ疲れているので早く寝る。
 
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06/18(金)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
この日は晴れたり曇ったり。暑くなりそうだ。
給料日。他の口座へ振替。
移行計画書の手直し。ここでひと段落。
システムテストも始まって、PowerCenter連携もうまくいったようだ。
この日、いくつか問い合わせ。
 
昼休みにグループ会。
終わって駅前に出る。銀行からお金を下して別の口座へ。
大勝軒に行く。並んでいる。少し待つ。
味噌特ラーメンに肉ほぐし追加。
 
帰ってきて午後はずっと計数の集計。
ピボットよりも電卓の方が早いか。
夕方、週次進捗。
 
このところ買ったCDの解説を読む。
こころ旅。チコちゃん。
夜は妻が料理教室の取材から持ち帰ってきたタラのクリーム煮など。
昨晩のきんぴらごぼう筑前煮。
武田ハムのチャーシューの残り。
つまみになる話。千鳥大吾が画期的なじゃんけんを。
おんな酒場放浪記。
どうにも眠くなって半分見たところで布団に入った。
 
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06/19(土)
 
8時起き。朝から雨。クッション腹筋。コーヒー。
下の部屋の雨戸を開けるとみみたもやってくる。
新耳袋の7巻を読む。
『愛犬家連続殺人』を読み始める。
 
洗濯物を中に干して12時に家を出る。
川越と坂戸の間にある煎餅屋の工場へ。
ナビに入れたら川越街道をひたすら進むルートで。
ずっと渋滞。しかし初めてちゃんと川越街道を走ったか。
中央分離帯というか上り・下りを分ける緑地帯が立派。
木々が対になって植えられていて、
恐らくこの間が江戸時代の街道だったのだろう。
 
途中熊本ラーメンの店があったので入ってみた。
最初は僕らしか客がいなくてどうしようかと思ったが、
その後次から次に客が来て駐車場がいっぱい。
先に一台泊まっていると他の客が入りやすい。
妻は黒の馬油をいれたのを、僕は赤の馬油を入れたのを。
 
目当ての煎餅を買って帰る。
前回同様に所沢の航空公園を経由する。
結局野火止に戻るのでその辺りが混むんだけど、
だいたいはスムーズに帰ってくることができた。
 
イタリアの再訪編。
なんだか疲れてて、DVDを見ようと思ったがこれは寝るなと。
CDの解説を読んだり、先週買ったレコードコレクターズ別冊の
女性シンガーソングライター本を読んで過ごす。
夜は妻が作ってくれる。
ポテトフライ(素揚げ)、オニオンフライ、トマトサラダ。
お笑い向上委員会。おいでやすこがともう中。
世田谷ベースを見て寝る。
 
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06/20(日)
 
明け方雨。みみたもいつも通り夜中のガブガブ。
8時半起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。
街録の再放送、イタリアの再放送、Lazy Sunday
昼はミートソースを作って食べる。
ライフに買い物。
この日は曇り時々晴れ。
 
InterFM 開局25周年ということで
Lazy Sunday のイベントはこの日鼻歌イントロクイズ。
初級編・中級編・上級編と出題されて上級編がすぐわかった。
応募のため番組に初メール。
慌ててたのでラジオメールなどはなし。
正解者発表のときに本名(苗字)がそのまま読まれた。
賞品は正解者の中から抽選となっていたけど、果たして当たるか。
 
Lazy Sunday 終わって、
妻が父の日のプレゼントをコンビニで発送して
その後図書館に行くというので散歩がてら付いていく。
数時間前ライフに行ったときのマスクを玄関のごみ箱に捨てていた。
近場に行ってすぐ戻ってくるからと捨てたマスクを拾い直してかけたら……
その後妻がみみたの毛をわさわさ捨てていて。
マスクにたくさんのその毛が裏も表も付着していてチクチクと痛い。
用事を終えてすぐ戻ってくる。
 
新耳袋の8巻を読む。
笑点孤独のグルメは銀座の韓国料理屋。
夜はライフで買った刺身、しし唐を焼く、枝豆を茹でる。
ポツンと一軒家は鳥取・島根の県境。
モヤさまは清澄白河
妻は編集学校の汁講。
終わってあれこれ話を聞く。
23時半、寝る。