若い二人

昨日の昼、近くの和風ファミレスへ。
窓際のボックス席が空いていた。
僕はゴマ坦々うどんとミニ天丼。
妻は温かいとろろそばにミニマグロ丼。
14時近くだったのに店内はまだまだ賑わっていた。
 
食べ終えてそろそろ帰るか、という頃、
若いカップルが隣のボックスに入ってきた。
よくしゃべる女の子がメニューを広げて、
「わー、これおいしそう!」「これも食べたいー!」と嬉しそうに迷っている。
せっかくのデートなのにその辺のファミレス? と
心の中で落胆する女の子だって多いだろうに。
この子は本心から楽しんでいるようだった。
 
「オマエ、ほんといい子を見つけたなあ」と無口な彼氏に対して思う。
通りすがりのおっさんにすぎないのに
「大切にしろよ」なんておせっかいなことを心の中で呟く。
 
いつどこであれ、誰と一緒であれ、
そこで出されるものをおいしく、うれしくいただくことのできる人の方がいい。
ファミレスだろうと、高級フレンチだろうと、自宅だろうと。
 
その子が何を選んだのか見届けたかったけど
こちらは食べ終えたのでささっと出ていくことにした。
たまたま居合わせただけだけど、
若い二人に幸あれ。
 

最近のみみた

夜、何度も起こされて食べ物をせがまれるのは変わらず。
早いときには午前1時には起こされて、甘噛みされて、
仕方ないなーと眠い目をこすりながら起き上がって
キッチンまで行ってみみたのごはん箱を取り出して
歯磨きおやつや毛玉ケアを与える。
布団に戻ってその後すぐ起こされても、1時間後に起こされてもしんどい。
次は最近与えるようになった乳酸菌クランキーを。
それでも満足しないときにはまた起こされてカリカリか、
モンプチの小袋に入ったクリスピーか。
その後おとなしくなると昼12時のカリカリまで
だいたいは丸まって寝て過ごす。
 
そういえば、「ねこ福」ってなくなったのだろうか。
小分けの袋に入っていて、みみたの小腹を満たすのにちょうどよかったのに。
近くの島忠やライフでは売り場から消えていた。
仕方ないからモンプチの類似のやつにした。
みみたはより贅沢な猫へ。こんな甘やかしていいのか。
ねこ福生産終了したのだろうかと amazon やヨドバシを見てみると
まだ普通に売っている。たまたまか。
でもモンプチなど他社製品に押されているのかもしれない。
せっかくだから今、ヨドバシで他の日用品と合わせてねこ福を注文した。
 
食欲は変わらずだけど、
こちらもきちんと食材をケースに仕舞うようになって
キッチンを漁ることは少なくなったかな。
みみたにとっては冒険の機会が少なくなったけど、しょうがない。
 
今日の午前中、みみたをいつもの動物病院へ。
年に一度の検診とワクチン接種を、と思ったんだけど
僕が起きたのが10時半。
それから車に乗って出かけるとなったら気が付いたら12時過ぎ。
動物病院は混んでなかったのですぐ声をかけられたものの
血液検査は11時までなのだという。
12時に業者が取りに来るということで。知らなかった。
そう言われてみるとこれまでは早いうちに行ってたように思う。
仕方なくみみたを連れて出直し。また来週来ることにする。
 
みみたをキャリーバッグに押し込むのが大変で、
すんなり入ってくれず大型の専用ネットにまずは。
もちろんそれも嫌で前身いっぱいにもがいてじたばた。
キャリーバッグに移してにゃおーんにゃおーんと切なそうに鳴く。
それを車に乗せて行ったので
注射も打たず何もせず帰ってきてネットから出してもご機嫌斜め。
ピューッと1階の奥の部屋に消えてしまった。
カリカリを詰めたタッパーを振るといつもなら家のどこにいても
すぐ飛んでくるのに、今日は見向きもしない。
それでもみみたの近くに寄ってタッパーを振ったら
にゃあと反応してトコトコついてきた。
食べ終えて、キャリーバッグをクンクンした後で
またどこかに消えてしまった。
 
ほんと嫌なんだなあ。
拘束されるというのが嫌だし、
今のキャリーバッグはあくまでバッグなのでグニャグニャと
体の動きに合わせて押さえつけることになってしまう。
箱型のケージの方がまだ余裕ができていいだろうかと妻が言う。
たまに1時間ほど動物病院に連れていく分にはまだいいけど、
災害時にみみたを連れて避難することになったら
少しでもストレスの無いようにしたい。
確かにこのキャリーバッグだとかわいそうだ。
大型店で探してみるか……

幽霊、宇宙人

このところ週末は『新耳袋』を読んでいた。
結局全10冊読み終えてしまった。
 
いくつか印象に残った話のうち気になったひとつを挙げてみると。
押し入れで物音がする。開けてみると見知らぬ子どもがいた。
子供はこちらに向かって歩いてきて部屋の中で消えた、というもの。
この手の話はたいがい、
子供の頭が大きく目も大きいということになっている。
押し入れに限らず、道端で出会ったという場合でも同様だ。
ただし、どの程度大きかったのかは
具体的な記載がなくよくわからない。
 
気になるのは、海外の宇宙人目撃談も多くが、
頭が大きく目も大きい姿をしていることだ。
よくテレビでやってた、グレイなんかがそうですね。
あるとき、なんでそういう姿をしているのかの説明を
テレビで見るか本で読むかして納得したことがある。
あのイメージのモチーフになったのは
人間の乳幼児なのだとされていた。
だからバランスとして頭が大きいことになる。
 
異質な存在というものの原型にあるイメージが
全世界的に共通なのだろうか。
それが日本では幽霊として扱われ、海外では宇宙人として現れる。
 
それは、大人になった自分にとって子供という存在が異質だ、
ということなのだろうか。
大人になってからの常識や知識がなく、コミュニケーションがとりにくい。
だから、特に海外の宇宙人はその大きな目の中に瞳を持たず、
その目が何を語ろうとしているのかわからないようになっている。
日本の幽霊を描いたいくつかは目が虚ろとなっているか、
あるいは左右あべこべの方角を向いていて焦点を結ばないようになっているか。
 
その特徴はあくまで耳や鼻ではないんですよね。
あるとしても口か。
口裂け女の口が象徴的だ。
人間にとっての最大のコミュニケーション器官なのに
それが損なわれて通常通りには機能しなくなっている。
驚かすという異質な機能を与えられている。
 
そういうことを考えて何かがわかったような気になっても
実際押し入れの中で本来あるはずのない物音が聞こえてきたら、
開けたら誰かの気配がしたら、それは怖い。
それは変わらない。
 

ウォークマンというもの

今日7月1日は「ウォークマンの日」であるという。
1979年、SONY の初代ウォークマンが発売されたのがこの日。
 
僕も小さい頃、一番欲しいものが SONYウォークマンであった。
80年代半ばには様々な家電メーカーから発売されていて、
FM/AMラジオ付き、オートリ―バース、録音可能などの機能の有無で
多様な製品ラインナップが展開されていた。
僕は長いこと会っていなかった叔父が青森に来ることになったとき、
お土産で買ってもらった。
SONY 製でFM/AMラジオ、オートリ―バース、スピーカーも付いていたような。
高機能な分、分厚かった。
 
青森で過ごす小学生だったので
ヘッドホンをしながら外で聞くなんてことはしなかった。
当時は青森駅前に出てもそんなことをしている人はいなかったような気がする。
もっぱら家の中で聞く。
外に持ち出すのは旅行の時ぐらい。
それでもそっと人目につかないようなところで聞くだけ。
 
そういえばあのウォークマンはどこに行ったのだろう……?
高校に上がる頃には使わなかった。聞きながら通学なんてこともしない。
母が親戚か身の回りの方か、
小さい子のいるところにおもちゃ代わりにあげてしまったような気がする。
 
なんにしても夢の機械だった。
銀座のソニービルがなくなる時に歴代の SONY 製品が
館内の空間いっぱいにびっしり展示されていた。
あれはワクワクしたなあ。
 
カセットテープのウォークマンも次第に姿を消し、
iPod  の登場も大きかった。
僕が小さい頃、まさかカセットテープのウォークマンが消えてしまうとは
思ってもみなかった。
永遠に存在し、進化し続けるものだと思っていた。
 
デジカメも音楽も、インターネットも。
全てがスマホに集約されていく未来というのも想像つかなかった。
デジカメに電話が、ウォークマンに電話が、とはならなかったんですよね。
これは生活に必要なものの度合いの高さが勝負を決めたか。
結局はコミュニケーションツールが一番強いということ。
ウォークマンはつまるところ個人で聞くもの、個人に閉じるもの。
そこに衰退の原因があったのだろう。

練馬区のワクチン接種券が届く

医療従事者、高齢者向けのワクチン接種が春先に始まって、
一般の人は夏ごろと言ってたけど、恐らくずれこんで
年内間に合えばいいだろうかと思っていた。
 
先月後半ぐらいか、企業や大学によっては独自に接種を行うようになった。
僕の会社は様子見だったが、
お客さんの会社は職域接種を調整しているとのことで
練馬区の接種券配布よりも早かったらそちらもありかと考えていたら
案の定世の中全般的にワクチン不足の話が出てきて、
お客さんの会社でも仕切り直しとなった。
 
練馬区はどうなんだろう? と思っていたら
先週が疾患のある方向けの接種券の配布で、
今週が40歳以上の配布となっていた。
6月29日から発送開始で、7月6日までには届きますと。
早ければ30日の今日、届くかと思っていたら僕の分だけ届いた。
妻の分はまだ。開けてみると世帯分ではなく、あくまで僕だけ。
 
さっそくネットで予約する。
近くにかかりつけがあるわけではないので接種会場で。
少し歩いたところにある中学校で、8月最初の土曜。
いくつか他の接種会場を見てみると土日だけ、
会場持ち回りで行っているようだ。
 
ファイザーとモデルナを選ぶことができて
どちらがより優れているということはないが、
ファイザーの方が副作用の発生率が若干少ないとも聞いたので
どこまで本当かわからないけどそちらへ。
ただ、ネットを見るとファイザーだと2回目を打つまでの期間は3週間で
モデルナだと4週間となっていた。
どちらを取るか悩ましいところ。
 
「集団接種の場合、2回目の予約は1回目の接種日の翌日からできます」
と書いてあって、めんどくさいなと思うも従うことにした。
その通りにしたら2回目の予約をしようにも
その頃にはワクチンが在庫切れ
なんてことにならないだろうかと不安になる。
十分にワクチンを確保できる見通しが立ってから始めてるのだろうとは思うが、
現場ではあれこれ混乱続きだろうし。
2回目を打つまでに3週間経ってしまったらどうするんだろう?
一からやり直して合計3本打つことになるんだろうか。
 
会社のみの周りの人に聞いたら
他の区に住んでいる方はもっと早く接種券が届いていた。
でも、届いた翌日にネット予約しようとしたらもういっぱいだったと。
妻の分が明日以後届いて、さっそく予約しようとしたら残枠なし。
そんなことにならないといいが……

先週買ったCD #37:2021/06/21-2021/06/27

2021/06/21: www.amazon.co.jp
Big Thief 「Two hands」 \1500
 
2021/06/22: www.hmv.co.jp
Humbert Humbert 「愛のひみつ 初回限定盤」 \3465
富樫雅彦 「Spiritual Nature」 \2834
Taylor Swift 「evermore (Deluxe Editon)」 \3630
(V.A.) 「Outro Tempo II」 (\2750)
Deftones 「White Pony (20 Year Anniversary Edition)」 \2640
Gillian Welch & David Rawlings 「All The Good Times」 \1485
You Me At Six 「Suckapunch: Deluxe Cd / Book Album +Live Cd (Exclusive)」 \6341
(V.A.) 「The Problem of Leisure: A Celebration of Andy Gill & Gang of Four」 \2640
「デソレーション・センター」 監督:スチュワート・スウィージー \3469
 
2021/06/22: www.hmv.co.jp
細野晴臣 「Medicine Compilation」 \3036
細野晴臣Omni Sight Seeing」 \3036
石川晶とカウント・バッファローズ 「アフリカン・ロック」 \2431
Status Quo 「12 Gold Bars」 ¥3080
Chris and Cosey 「Heartbeat」 \2410
Avalanches 「We Will Always Love you」 \2530
(Soundtracks) 「若松孝二傑作選 腹貸し女」 \2429
Coil 「Musick To Play In The Dark」 \1890
Coil 「Guide For Beginners: The Voice Of Silver / Guide For Finishers: A Hair Of Gold」 \2279
Tom McRae 「Tom McRae」 \1927
 
2021/06/22: diskunion.net
Yellow 「Vibration」 \2250
 
2021/06/23: www.amazon.co.jp
矢井田瞳 「music pool 2002」 \300
 
2021/06/24: www.amazon.co.jp
Big Thief 「U.F.O.F.」 \1265
 
2021/06/24: www.hmv.co.jp
Creedence Clearwater Revival 「Penduram」 (\2121)
HMVのポイントで
 
2021/06/25: DiskUnion 新宿インディ・オルタナティヴロック館
Jesus Lizard 「Goat」 \680
 
2021/06/25: DiskUnion 新宿ラテン・ブラジル館
Henrique cazos e marcello goncalves 「Pixinguinha de Bolso」 \990
 
2021/06/26: ヤフオク
Jane's Addiction 「A Cabinet of Curiosities」\8800
 
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(Soundtracks) 「若松孝二傑作選 腹貸し女」
 
学生時代、自主製作映画をつくるサークルにいたので
皆競うい合うようにして映画を見ていた。
90年代の半ばから後半。
池袋の文芸坐ジョン・カサヴェテスの回顧上映だとか
お茶の水アテネ・フランセでカール・テホ・ドライヤーが、とか。
『レポマン』がよかった、『エル・トポ』がすごかった。
日本映画だと鈴木清順が一番語られていたかな。
 
そんな中、今思うと若松孝二監督のことはあまり語られることがなかった。
60年代末の学生運動と結びついた前衛的なポルノ映画から
その後の日活ロマンポルノまで。
部室であれ飲み会であれ、ポルノを語るのがはばかれるというよりも、
語れるほどたくさん、体系的に見ている人がいなかったのだろう。
90年代半ばはまだバブルの残り香があって
再評価がさほど進んでいなかったのかもしれない。
例えば90年代初めに内田裕也北野武宮沢りえ
『エロティックな関係』を撮ったりもしたけど、
配役ばかりが話題になっていたような記憶がある。
 
僕も見てみたのは21世紀に入って社会人になってからだった。
『天使の恍惚』『ゆけゆけ二度目の処女』『処女ゲバゲバ』……
あの頃、60年代末から70年代前半のカウンターカルチャーが、
前衛映画が、ポルノが、昭和の生々しさを失ってオシャレなものとなった。
頻繁に回顧上映がなされるようになって、作品が DVD でも再発された。
秘められたもの、隠されたものではなくなって、
気軽に手が触れられるものになっていた。
 
正直、映画として面白いとは思わなかった。
下手な役者が突っ立ってセリフを棒読みするだけ。
申し訳程度の濡れ場があって、それも中途半端で、
あるのは若さの狂い咲きばかり。
実験的ではあるけれども、稚拙で自意識過剰なものばかりで。
でも確かに、とてつもない存在感があった。
他にはない異臭を放つ異物であり、
世の中のもの全てに対する徹底的な異議申し立てだった。
 
若松孝二自身の芸術的才能、映画的才能というよりも
周りの人間が巻き込まれずにはいられない強烈な磁場。
それが映画という形をとったのであろう。
その後の話題作、21世紀に入ってからの
上手くはなっていてもどこかぎこちない、もどかしいのは変わらず。
テーマは強烈でも、手法そのものはオーソドックスだったりするし。
 
結局若松孝二はこの磁場なんだろうなと僕は思う。
それは映画界に限らず、日本赤軍に出入りしたメンバーもそうだったし、
当時の音楽界にも共鳴した人たちが多かった。
当時の異才たちが引き寄せられていった。
 
若松孝二傑作選」というタイトルでそのサントラがシリーズで再発されている。
今となってはすごいラインナップ。
『天使の恍惚』山下洋輔トリオ
『新宿マッド』フード・ブレイン(スピード・グルー&シンキの陳信輝など)
『夜にほほよせ』はちみつぱい(後にムーンライダースへ)
『腹貸し女』(ジャックス)
他、フリージャズ系音源を集めた編集盤と、ニューロック系音源を集めた編集盤、
大和屋竺『毛の生えた拳銃』のサントラも出ている。
 
この4枚はどれも素晴らしいですね。
山下洋輔はちみつぱいも30分程度の小品。
山下洋輔は「クレイ」「キアズマ」のような怒涛の乱れ撃ちフリージャズが半分と
女性ヴォーカルを入れた抒情的な歌が半分と。
はちみつぱいはムーディーでロマンティック。夜明けに囀る小鳥のような。
若松組にもこういう一面があったのかと驚く。
(この『夜にほほよせ』は漫画『赤色エレジー』で有名な林静一が監督している)
フードブレインはスピード・グルー&シンキ直結のサイケデリックなブルースロック。
ギター、ベース、ドラム、ピアノが地獄の底まで突っ走る。
当時ここまで崖っぷちのギターは他になかったのでは。
ぐちゃぐちゃに縦横無尽に弾きまくる。
フード・ブレインのオリジナルアルバムよりもかっこいい。
60年代末日本ロックの裏名盤。
 
最後に入手したのが今回の「腹貸し女」
このご時世、迂闊に口にできないタイトル。
僕はまだ見ていない。
ジャックスは、あのジャックス。
早川義夫を擁し、はっぴいえんどと並び称される日本語ロックの先駆者。
 
あれは中学生2年生か、3年生か。
どこかの局の番組で、日替わりで当時話題のロックバンドのヴォーカルが
MCとなって1時間、自分の好きな曲をかけるという。
LA-PPISCHMAGUMI は Fishbone を。
氷室京介は意外と、Gang of FourKilling Joke を。
アンジー水戸華之介は日本語多めで、
ジャックスの”ラブ・ジェネレーション”をかけた。
早川義夫の声が聞こえてきたときのことは今でも忘れられない。
腹の底から絞り出した、熱情と劣情のないまぜになった溢れ出す想い。
真夜中のどす黒い、狂った果実
熟れて腐りかけた果汁がどろっとしたたり落ちる。
吐き出す声が、迎え撃つバックの演奏が、ねじれて、よじれて、ふらりふらりと。
こんな歌い方が許されるんだ、そんな時代があったんだ。
 
ジャックスは”マリアンヌ”や”時計をとめて” ”ラブ・ジェネレーション
といった代表曲を収めた1968年の1作目「ジャックスの世界」と
1969年の2作目「ジャックスの奇蹟」を発表して解散。
2作目を作っている時点で既に空中分解していた。
他、発掘音源を元にした編集盤など。
最近も1969年のライヴアルバムが発売された。
 
解説を読むとこの「腹貸し女」は1968年2月の録音とある。
レコードデビュー前の初期音源ということになる。
四人囃子にとっての「二十歳の原点」みたいなものか。
”マリアンヌ”といったヴォーカル入りの曲が半分、インストが半分。
歌も演奏も荒い。とにかく荒い。でもそこに魅力がある。
ジャックスはグループサウンズの時代の突然変異かと思いきや、
根っこにあるのはガレージロックなんだな、ということがよくわかる。
ガレージバンドが短期間で独自の進化を遂げたという意味では
案外、Can に近いかもしれないと思った。
アルバムで言うと「Delay 1968」
 
若松孝二は事前に構成を練って
きっちりしたサントラ、劇伴曲を作ろうとはせず、
演奏者の好きにさせたのだという。
そんなフリーフォームな演奏がフードブレインやジャックスの本質を
期せずして引き出してしまった。
やっぱこの若松孝二の磁力ゆえになんだな。
 
このサントラのシリーズ、何度か再発されている。
他の映画の音楽も聞いてみたいところなんだけど。
発掘されないかな。
今試しに見てみると、時代は下って1982年、
内田裕也主演の『水のないプール』は音楽が
太陽にほえろ!』の大野克夫が担当していた。
どんなだったのか。聞いてみたいものだ。
 
そうか、大野克夫
『十階のモスキート』や『コミック雑誌なんかいらない!』『魚からダイオキシン!!』
といった内田裕也主演映画の音楽を手掛けているんだな。
『エロティックな関係』も。
 
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Jane's Addiction 「A Cabinet of Curiosities」
 
2作目「Ritual De Lo Habitual」が1990年の作品。
僕が本格的に洋楽を聞き始めた頃、最も旬な作品のひとつだった。
まだオルタナティヴ・ロックという言葉がさほど一般的ではなく、
恐る恐るミクスチャーとかラップ・メタルとか言われ始めていて、
前年の Red Hot Chili Peppers「Mother's Milk」や
Faith No More「The Real Thing」と共に
アメリカで新しい一派が生まれつつあると雑誌では語られていた。
 
僕は青森駅前のアーケードの商店街、
さくら野百貨店がまだカネ長武田だったときに脇の雑居ビルの上の階にあった
遊&愛でレンタルしてテープにダビングした。
今でもよく覚えている。
あのときここで一緒に借りたのは、
The Sugarcubes 「Life's Too Good」(Bjork が在籍していた)
Psychedelic Furs 「All of This and Nothing」
手始めに The Beatles / The Clash / Led Zeppelin を聞いて
よし次は、という頃。
未知の扉があちこちにあって
洋楽を聞くということが楽しくて楽しくてしょうがない。
この4枚じゃなくて寄りメタル系、寄りダンス系の4枚だったら
今頃違う音楽を聞いてたんじゃないかと思う。
それぐらい影響の強い4枚。
 
どれもテープが伸びるぐらい聞いたなあ。
その中でも一番聞いたのが、Jane's Addiction だった。
後にレッチリにも加入するデイヴ・ナヴァロのダイナミックなメタルギター。
首謀者ペリー・ファレルの浮世離れした甲高いヴォーカル。
ベースもドラムもファンキー。
まだ若いバンドのはずなのに、かなりの手練れ感があった。
ちゃんとした力量がないとリスナーを鮮やかに欺けないというか。
前半の ”Stop!” や”Been Caught Steeling”は
カラフルでゴムマリのようによく弾けて、暴走する移動遊園地みたいな。
後半の ”Three days” や ”Classic Girl” はメロウで
煙たい狂気がどこかに見え隠れして。
僕は今でも、オルタナティヴ・ロックの最高峰はこのアルバムだと思う。
この頃ペリー・ファレルが始めて今も続くオルタナティヴ・ロックのフェス、
ロラパルーザが開拓して押し広げたものも大きい。
 
「Ritual De Lo Habitual」を発表して最初のロラパルーザの後、解散。
その後何度か再結成してるんだけど、
2002年にはフジロックで来日している。
日曜の Green Stage で、Jane’s Addiction のあとに
レッチリというファン感涙の流れ。もちろんギュウギュウ。
前から3列目ぐらいのところで揉まれながらレッチリを見ていたら
履いていたジーパンが破けてしまい、
宿泊先の苗場プリンスで鋏を借りて半ズボンにして東京に帰った。
Jane’s Addiction もマジカルな瞬間が多かったなあ。
デイヴ・ナヴァロは当然のごとく刺青の入った半裸でギターを。
ペリー・ファレルは魔術師のような、道化師のような、詐欺師のような。
明日になればガラクタに変わってるような
キラキラした幸福の雫をステージからばらまいていた。
 
そんな「Ritual De Lo Habitual」をこれでもう何百回目になるのか
先日聞き返して、そういえばこれってリマスターが出てないなあと。
調べるうちに今回購入したボックスセット
「A Cabinet of Curiosities」のことを思い出す。
hmv.co.jp のウィッシュリストに登録しといて
そのうち買うかと思っていたらいつのまにか10年以上経過していた。
ひゃー!! びっくりした。
もちろん今となっては入手できず、amazon で見たら3万ぐらいの値段に。
(ボーナスディスクのついたのだと6万越え)
ヤフオクで定価近くで出品されているのを見つけて、しれっと即決。
 
「A Cabinet of Curiosities」とは不思議の詰まった玉手箱といった意味か。
パッケージが西洋の箪笥のよう。
1枚目がデモ、3枚目が1990年のライヴ、
2枚目がその他未発表曲、デモ、ライヴという構成。
プラスして、4枚目がミュージックビデオなどを収録した DVD となる。
1991年の最初の解散までに発表したアルバムが3枚だけなので
「Ritual De Lo Habitual」以外の代表曲も網羅されている。
”Jane Says” ”I Woud For You” ”Mountain Song” ”Had A Dad”など。
 
これら3枚に収録された曲の多くは以前発売された編集盤、
「Live And Rare」や「Kettle Whistle」にて既出となる。
「Live And Rare」の”L.A. Medley: L.A. Woman ~ Nausea ~ Lexicon Devil” や
The Doors / X / The Germs の曲をカバーしている)
”Had A Dad ””I Would For You ” ”Jane Says”の Radio Tokyo でのデモ音源、 
「Kettle Whistle」の ”Up The Beach” や ”Ain't No Right” などの
1990年、ハリウッド・パラディアムでのライブ音源など。
結構重なるので「Live And Rare」と「Kettle Whistle」を持っていれば
まあいいかな。
でも、3枚目の1990年ハリウッド・パラディアムが通しで聞けるとか、
2枚目の ICE-T / Ernie C との共演 ”Don't Call Me Nigger, Whitey”
Lez Zeppelin のカバー”Whole Lotta Love”
といった珍しい曲も聞くことができる。
未発表曲なのでそれなりの出来でしかないですが……
 
もうほんと、コアなファン向け。
とはいえ、”Three Days”のライヴ音源は鬼気迫るなあとか
”Jane Says” は隠れた名曲だよなあとか
懐かしい気持ちに浸ることができた。
あとは「Ritual De Lo Habitual」のリマスター盤が出るのを待つだけ。

身辺雑記:06/21-06/27

06/21(月)
 
珍しくみみたが夜中一度しか起こしに来なかった。
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー。
こころ旅は秋田県へ。
瓶缶ペットボトルを捨てる。
今日もボチボチ暑くなるのか。
近くの工事現場が朝から全開で工事。
妻が調子悪く、在宅勤務へ。
昼はお粥をつくる。
 
午後イチで事業部のDX推進の件、部門内の打ち合わせ。
金曜の計数報告も話す。
なんかどうにもオーナーの僕の方で方向性を示せず、
パッとしない。
周りの人に助けられてなんとか最低限形になったような。
そもそもまた Zoom会議でもたもた、バタバタ。
それでも計数の報告はできて、ひと段落。
……と思いきや、夜電話がかかってきて追加の切り口があった。
明日の朝早く起きて対応することにする。
 
18時半頃、近くのディーラーの担当の若者が。
カーナビで家の前の道路が表示されなかった件、対処したという。
地図業者に確認したところ、
自動車通行不可となっていたので訂正してもらったとのこと。
8月末までに反映、9月に更新すれば道路表示が正しくなる。
しかしそれ以前に今度のカーナビ、使いにくいんだけどな……
この更新データ、iPhone に入れて
bluetooth で転送するのもすごい時間がかかる。
その間アイドリングさせておくわけにもいかないし、
どこか長距離で移動するときにやらないといけなかったり。
 
夜は調子のよくなってきた妻のリクエストでお好み焼き。
キャベツ1/4玉だと結構な分量になった。
分厚い豚玉、イカ玉、ミックスの3枚を作って食べた。
 
鶴瓶の家族に乾杯は引き続きサッカー中澤。
酒場放浪記。荻窪のいちべえが以外にも初めて訪問。
逆転人生はネットで誹謗中傷被害を受けて仏門に入った女性。
この方のことは他の番組か記事で見たことがある。
 
この日町中華で飲ろうぜはなし。
明日の朝早いので早く寝ることにする。
 
---
06/22(火)
 
6時起きで事業部向けの計数報告の追加作業。
元ネタはあったので単に転記するだけで済んだ。
続けて昨日夕方報告のあった PowerCenter の不具合。
これ、原因特定が難航するんじゃないかと思っていたが、
見てみたら思いっきり僕のチョンボ
午後、マッピングを一か所直して終わり。3分もかからなかった。
何で気づかなかったのだろう……
 
7時過ぎに縄跳び。
近くの方が自宅の畑で採れたというモロッコいんげんを持ってきてくれた。
クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
9時から事業部の打ち合わせ。つつがなく終わってぐったり。
 
ライフに買い物。
昼は蕎麦を茹でて昨晩のお好み焼きを乗せて食べる。
オタフクソースも紅ショウガもそのままに。
案外いける。
 
セブンイレブンに行こうとすると
駐車場で軽く接触したところに居合わせてしまう。
僕が歩いていたので片方がバックしたのがきっかけ。
こんなとき、どうすればいいのか。
立ち去ってしまったが。
 
『愛犬家連続殺人』の続きを読む。
ロッコいんげんは味噌炒めにする。
信州味噌と赤出汁を合わせる。
こころ旅。
夜は納豆ご飯、味噌汁。
鑑定団。ロッテ初芝が大のメタル好きで
Megadeth のサイン入りギターが15万という結果に。
デイヴ・ムステインはもちろんあったが、
マーティ・フリードマンはなし。再結成後のようだ。 
猫歩きは新宿・神楽坂。岩合さんの家の中の写真も。
ぼっちキャンプは過去の再放送。
午前0時過ぎに寝る。
 
母からリンゴジュースの瓶が届く。
 
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06/23(水)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
昨日朝の打ち合わせで大物がひとつ片付いたので
今日の午後は午後休にして、日本橋のギャラリーで
都築響一が企画した青森市の写真家の展示を見に行くことにする。
この日は曇り。
 
午前中は PowerCenter の移行手順書作成。
ライフに買い物に行って、乾燥の終わった洗濯ものを干して、
12時に家を出る。
大江戸線の中で『愛犬家連続殺人』を読む。
新宿で乗り換えて神保町。
DiskUnion で CD を売る。下のメロンパン屋でクロワッサンを買う。
査定の間、昼を食べる。
キッチン南海に行ってみるが13時過ぎで結構な行列。
やきとり屋神保町で親子丼。自家製食べるラー油をたっぷりかける。
6月の間はランチだけの営業と貼り紙が。まだまだ大変だ。
DiskUnion では22枚売って、今回は5,000円ちょい。
結構な額になった。
 
馬喰横山まで歩いて行って、ギャラリーで写真展を見る。
リノベーションされた昔ながらのビルにギャラリーがあった。
写真もよかった。
1枚55,000円でネガから焼いてくれるという。
プラス16,500円で額装も。
欲しくなったが、諦める。
小さいサイズになってもいいので、トータル3万ならば即申し込んだ。
 
新宿線の急行に乗るとすぐ。
16時過ぎには光ヶ丘に戻っていた。
18時から部門の勉強会。そこだけ出る。
 
こころ旅。
ゴーヤを塩もみして洗い落とすのが遅くなってかなりしょっぱくなった。
ご飯を炊いて、もやしの味噌汁。
お笑い実力派は中川家。コント3本。
この番組で、ここまで笑ったのは初回の東京03以来。
タクシーの運転手とかおかしなオッサンを観察するのは
弟の礼二ではなく、兄の剛だと初めて知った。
午前0時半に寝る。
 
妻が友人からもらったというキッチンのタイルに
吸盤で貼り付ける輪ゴムかけ、
吸盤が弱くなってすぐ落ちてくる。
ダイソーに行ったら吸盤そのものも売っている。
中のを入れ替えたらいいんじゃないかと開けてみるが、
キッチンで使うものなのでそもそもネジが錆びている。
今の吸盤は挟みで切らないと取り出せないことがわかる。
サイズの合う、取り付け可能な吸盤があればよいのだが。
 
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06/24(木)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
洗濯物を干そうとしたら小雨。乾燥をかける。
PowerCenterの移行手順書の続き。
昼は蕎麦。
 
午後、晴れてきたので洗濯物を外に干したら
一時間もしないうちに雲行きが怪しくなって慌てて中に戻す。
その後ゲリラ豪雨
打合せふたつ終わって、ライフに買い物。
夜は妻のリクエストで夏野菜のカレー。
ナス、オクラ、インゲン、赤と黄のパプリカ。
野菜から出る水だけで作って、ルーではなくスパイスだけで。
 
こころ旅。
妻が帰ってきてカレーを食べる。
なかなかうまい。お代わりする。
迷宮グルメは鎌倉の辺り。
お笑い演芸館vsは二刀流芸人だったか。
パンクブーブーの引っ越し荷物のやつは何度見ても面白いな。
町山先生のアメリカを見て寝る。
ニューオリンズのジャズの続き。
 
 
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06/25(金)
 
7時起き。縄跳び、クッション腹筋、コーヒー、こころ旅。
この日は有休をとって飯田橋のクリニックに花粉症の薬をもらいに行って
その後荻窪の床屋へ。
 
9時に家を出る。
『愛犬家連続殺人』の続きを読む。
飯田橋に着いて少し地下通路を歩いて外に出ると土砂降り。
ブックオフで『新耳袋』の続編を探すが、見つからず。
地下を歩いていこうと改札に近い階段を下りていくと
傘を持っていない人たちの雨宿りの列がずらりと。
 
薬をもらう。スムーズに進みすぎて、
行こうと思っていた天鴻餃子房の開店時間まで20分以上ある。
雨の中待つのもやだなと新宿へ。
モンスナック閉店と聞いて紀伊国屋書店の地下へ。
10人ほど並んでいた。少し待つ。
カツカレーにゆで卵とコロッケを追加した。
 
DiskUnion へ。
Jesus Lizard が気になって調べてみたら
リマスター再発盤の中古が新宿の店にあった。
オルタナのフロアとラテン・ブラジルのフロアでCDを物色。
 
その後荻窪へ。
床屋で切ってもらううちに寝落ち。
ブックオフで『新耳袋』を探すが、ここにもなし。
妻からピザが食べたいと頼まれていたので、
ルミネの地下のチーズ専門店で買って帰った。
 
夕方、週次の打合せだけ出る。
最近買ったCDの解説を読みながら缶ビール。
こころ旅。チコちゃんはなし。
新日本風土記空海。これまでの空海がらみの総集編っぽい。
いくつか見た場面があった。
つまみになる話。ケンコバ陣内智則。新庄。
夜は荻窪で買ったピザ、ライフのローストビーフ
 
酒場放浪記はなし。
バレーボールを途中まで見る。女子の3位決定戦。
相手はトルコ。2m越えで驚異の身体能力の選手が。
これでは勝てないよなあ。
ベストヒットUSAを途中まで。
NirvanaSmells Like Teen Spirit」の歌詞を小林克也が訳して、
有田哲平が朗読していた。
タモリ倶楽部はバスマニア。
これはこれでディープな世界のようであれこれ紹介しているうちに時間切れ。
翌週へ。
午前1時に寝る。
 
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06/26(土)
 
二度寝しているうちに10時に。
こんなに寝たの久しぶりだ。
縄跳び、クッション腹筋。
若松孝二『俺は手を汚す』を読み始める。
13時、散歩がてら昼を食べにモスバーガー
久しぶりに食べて腹いっぱい。
口の周りがケチャップまみれに。
図書館に寄って帰ってくる。
ライフに買い物。
雨が降りそうで降らず。
 
新耳袋』の9巻を読む。
イタリアの再訪編。
妻が先日の料理教室の取材のレシピを元に、
鮭とナスの揚げびたしをつくる。
枝豆を茹でる。
レコードコレクターズ増刊の女性シンガーソングライターの続きを読む。
また何枚もCDをオーダーしてしまう。
お笑い向上委員会は引き続きおいでやすこが。
世田谷ベースを見て寝る。
午前0時半。
 
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06/27(日)
 
8時半起き。
縄跳び、クッション腹筋。
金継の最後の工程。
先週金粉をはたきつけたところに対して最後の漆を塗る。
街録。イタリアの再放送。Lazy Sunday
昼はおろしぶっかけそば。
 
lazy Sunday 終わって、新耳袋の最終巻、10巻。
ああ、こういう終わり方をするんだ。なるほどなあ。
意外な。しかし、らしいと言えばらしい。
この日は外出せず。
笑点孤独のグルメは箱根、宮ノ下のステーキ丼。
ポツンと一軒家は愛知県の農業高校の宿舎。
それだけだと尺が足りないのか、以前訪れた一軒家を再訪。
 
夜はチャーハンを作る。
モヤさまは大泉学園、上石神井
大泉学園へと向かうバスから見えて気になっていた
和菓子屋兼ラーメン屋が取り上げられていた。
この日シンパイ賞はなし。
23時半に寝る。
 
若松孝二『俺は手を汚す』をイッキに読む。
感門之盟の落冊市で入手したもので、
松岡校長のマーキングがなされている。